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【追悼 サム・ニール】名作『ジュラシック・パーク』を彩った最高にクールなクルマたち

2026年9月17日

おとなしいフォード エクスプローラーから軍用トラックまで―恐竜を相手にするなら、四輪駆動車は何かと役に立つ。AUTO BILDが「ジュラシック・パーク」と「ジュラシック・ワールド」を駆け抜けたクルマたちを紹介する。

ティラノサウルス・レックス、そしてフォード エクスプローラーと並び、1993年公開の第1作「ジュラシック・パーク(Jurassic Park)」の主役だったのが、ニュージーランド出身の俳優サム・ニール(Sam Neill:1947~2026年)だ。ニールは劇中でアラン・グラント博士を演じた。それまで彼は悪役を演じることが多かったため、当時の観客の多くは、この思いやりにあふれた古生物学者が最後には悪人の本性を現すのではないかと、固唾をのんで見守っていた。

もちろん、この恐竜アクション映画の緊張感はそれだけではない。当時としては画期的だったCGとアニマトロニクスを融合させた映像表現も大きな話題となった。

子どもたちのレックスとティムがフォード エクスプローラーの車内に取り残され、Tレックスが近づいてくることに気づくシーンは伝説となった。そしてフォード エクスプローラーもまた、映画史に残るアイコン的なムービーカーになったのである。

ローラ・ダーン、リチャード・アッテンボロー、マーティン・フェレロ、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニールとフォード エクスプローラー。
Photo:picture alliance / Collection Christophel © Universal Pictures / amblin

「ジュラシック」シリーズは32年間にわたって全7作品が製作された。前半は「ジュラシック・パーク」、後半は「ジュラシック・ワールド」のタイトルで公開され、サム・ニールはそのうち3作品に出演した。

そして今、彼はこの世を去った。そこでAUTO BILDは、シリーズを彩った歴代の車両を振り返る。

「ジュラシック・パーク」シリーズは作品数が多く、話の流れを見失いやすい。そこで、まずは小さな一覧表でシリーズを整理しておこう。

公開年タイトル監督主な出演車両
1993ジュラシック・パークスティーブン・スピルバーグフォード エクスプローラー、ジープ ラングラー(YJ)
1997ロスト・ワールド/ジュラシック・パークスティーブン・スピルバーグメルセデス ML320、InGen Scout/Harasser (ジープ ラングラーベース)、 Fleetwood Southwind Storm motorhome
2001ジュラシック・パークIIIジョー・ジョンストン特に重要な車はない
2015ジュラシック・ワールド/新たなる支配者コリン・トレヴォロウメルセデス GLE 450 AMGクーペ、メルセデス G 550、ウニモグ U 4000、ジープ ラングラー
2018ジュラシック・ワールド/炎の王国J・A・バヨナウニモグ U 5020、BAE FMTV、BAE Caiman CMTV
2022ジュラシック・ワールド/復活の大地コリン・トレヴォロウ特に重要な車はない
2025ジュラシック・ワールド/復活の大地ギャレス・エドワーズジープ グランドチェロキー 4xe, InGen Type 6

すべての始まり:1993年「ジュラシック・パーク」のフォード エクスプローラー

映画の基本設定はこうだ。遺伝子工学によって恐竜が現代によみがえり、ある大富豪が、その恐竜を見学できるテーマパークを建設した。恐竜は高電圧フェンスの向こう側に安全に隔離され、来場者はSUVに乗って快適に園内を巡るというものだった。

タイトルにある「ジュラシック」とは、地球史におけるジュラ紀を意味する。ジュラ紀は約2億130万年前に始まり、約1億4500万年前に終わった時代で、多くの恐竜のグループがこの時期に大きく多様化した。

もちろん映画では、その電気フェンスに問題が発生する。そして恐竜たちは、人間の来場を大いに歓迎したことだろう――エサとして。

1992年モデルの初代フォード エクスプローラーUN46。そのガラスルーフに雨粒が打ちつけ、ティラノサウルス・レックスの口には雨水がたまっていく。
Photo:picture alliance / Everett Collection

映画がさらりと見過ごしているSF的なポイントがひとつある。このエクスプローラーは自動運転車なのだ。厳密には、ほぼ自動運転である。

序盤の走行シーンでは運転席に誰も座っておらず、すべてのエクスプローラーがパーク内に敷設された金属製のレールに沿って走っている。車両前部には大型のセンサーらしき装置が取り付けられており、それによって無人走行を可能にしているようだ。

ルーフも破損。アラン・グラント博士(サム・ニール)とエリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)は、これを保険会社にどう説明するかまでは考えていないだろう。
Photo:picture alliance / Collection Christophel / NZ  © Amblin – Universal JURASSIC PARK (JURASSIC PARK) de Steven Spielberg 1993 USA

ファンたちはすでに、このムービーカーのカラーリングや塗装をセンチメートル単位で忠実に再現している。オンライン上ではテンプレートやロゴデータも公開され、ブルバー(bull bar)―いや、「恐竜バー」と呼ぶべきだろうか―やルーフ上の補助灯、さらにはドアミラー横の小さなアンテナまで、映画とまったく同じ姿に仕上げる方法が細かく解説されている。

ここまでくれば、「カルトカー」と呼ばれる条件を十分に満たしている。

映画のテーマパーク職員が乗るのは、ベージュとレッドに塗り分けられたYJ型ジープ ラングラーだ。
Photo:picture alliance / Collection Christophel / NZ

同じことは、第1作「ジュラシック・パーク」に登場したYJ型ジープ ラングラー サハラにも当てはまる。

「jpmotorpool.com」では、次のような細かな情報まで紹介されている。

「車両番号に使われた書体の原型はIndustria LT Std Solidだった可能性がある。ただし、撮影車両に使用する際にスタジオ側で手が加えられており、完全に一致するわけではない」

映画公開25周年を記念し、イギリス・ヨークの農家トム・パーシーは、自身のトウモロコシ畑で恐竜の襲撃シーンを再現。サファリルック、恐竜、そして映画仕様のジープ ラングラーまで用意された。
Photo:picture alliance / empics

1997年「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」でメルセデスMクラスがデビュー

「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」でメルセデスML 320の上に腰掛けるケリー・カーティス・マルコム(ヴァネッサ・リー・チェスター)。右はイアン・マルコム博士役のジェフ・ゴールドブラム。
Photo:picture alliance / United Archives

シリーズ第2作では、ダイムラー・ベンツ――ダイムラークライスラー誕生の直前だった――と映画製作陣が協力した。

当時、メルセデスは2つの大きなデビューを控えていた。1997年にまったく新しいモデルシリーズであるMクラスを発表し、同時にそれは、アメリカ・アラバマ州タスカルーサ近郊のヴァンスに建設された新工場で生産される最初のモデルとなった。

ハリウッドの超大作とともに新型車を披露することで、一大センセーションを巻き起こそうという狙いだった。そして、これがメルセデスと「ジュラシック」シリーズ製作陣との最後の協力になることもなかった。

恐竜の襲撃を経験したため、初代W163型メルセデスMクラスのサイドウインドウは格子で保護されている。
Photo:Mercedes-Benz

ダイムラーによれば、撮影に使用された2台のMクラスは、カリフォルニア州アーバインにあるメルセデス・アドバンスト・デザイン・スタジオでデザインされ、製作された。

そこでは、ブルバーと恐竜対策用の頑丈なプロテクションケージを装備した、未来的なメルセデスML 320が作り上げられた。

「ロスト・ワールド」に登場するオリーブグリーンの軍用車両を見て、その正体が分かるのは、相当なクルマ通か映画通だけだろう。この車両は映画のためだけに設計されたものだ。

「スカウト(Scout)」あるいは「ハラッサー(Harasser)」と呼ばれるInGen(インジェン)社の車両は、そのボディの下にジープ ラングラーのメカニズムを隠している。

InGenの車両は本物の軍用車に見えるが、「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」のために考案された架空のクルマだ。
Photo:Universal Pictures

トレーラーを牽引する移動研究所は、もともとキャンピングカーだった。サウスウインド ストームをベースにした車両で、フリートウッド バウンダーのシャシーが使われている。

デザイナーのジョン・ベルは、キャンピングカーをベースに「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」の移動研究所を設計した。車両とトレーラーを合わせた全長は約19.10mに達する。
Photo:John Bell