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【ユーズドカーガイド】10台の価値あるVWスポーツモデルとその値段

2020年6月27日

どんな予算でも出会えるスポーツゴルフ。6500ユーロ(約80万円)のエントリーレベルGTIから希少なVR6のコレクターズアイテムまで。VWゴルフのユーズドスポーツバージョン10台を紹介する。

VWゴルフが生まれて約45年。その間、何度かのわずかな期間をのぞいて、ゴルフはほぼ登録台数ナンバー1の座を維持し続けてきた。VWの最重要モデルが長きにわたって成功を収めてきたのは、GTIによるイメージアップも大きな要因だったと言える。

初代(1976年)から現在の8代目に至るまで、性能は着実に向上し、新型モデルには現代的でありながら重厚なテクノロジーが満載されているが、成功のためのオリジナルのレシピはほとんど変わっていない。スポーティな前輪駆動車は、俊敏性と同時に、誰にでも使える操作性と、日常使用に適したサスペンションの快適性、合理的な維持費と燃料費を兼ね備えている。

スポーティゴルフ: ベストセラーは、6気筒も搭載した。

維持費と燃料費は、同じく70年代に導入されたディーゼル仕様のGTDではさらに低くなった。ディーゼルエンジンの独特のサウンドも、その豊かなトルクによって補われている。90年代初頭にゴルフ3が登場すると、ヴォルフスブルクのメーカーはかなり大胆になり、コンパクトクラスでは珍しい6気筒エンジンをも搭載させるようになった。その個性的なデザインのVR6エンジンは、豊かなサウンドでファンを魅了した。そのパワフルなVR6エンジンは、伝説的なR32モデルにも搭載されていた。しかし、ゴルフ6以降のゴルフRには、より効率的なターボ4気筒エンジンが搭載された。以下に10台のユーズドゴルフのスポーツモデルを紹介するが、気兼ねなく普段使いにも適していることから、ここではゴルフ4以降のモデルに限定している。

四輪駆動とVR6エンジンを搭載したゴルフ4 R32は、ゴルフモデルの中でも最もエキサイティングなモデルの1台だ。

①VWゴルフ4 GTI

VW ゴルフ4 GTI:
ゴルフ4のGTIバージョンは、本格的なスポーツモデルというよりは、高級装備を備えた上級モデルだった。1998年から2008年まで製造されたゴルフ4には、いくつかのガソリンエンジンと「GTI TDI」と呼ばれるディーゼルが用意されていた。1.8リッターターボチャージャー付き4気筒エンジンの150馬力バージョンでさえ、当時の最高速度は216km/hだった。2001年からは、「25年目のGTI」限定モデルとして180馬力のバージョンが投入されたが、後にはレギュラーモデルとして注文することができるようになった。「羊の皮を被った狼」のように7.9秒で0から100km/hまで加速し、最高速度228km/hでのタイトな走行も可能だった。150または170馬力の2.3リッターVR5を搭載した4シリーズGTIは、やや遅く、燃料消費量も多いが、豊かなサウンドで楽しませてくれる。価格面では、走行距離12万5千キロ未満の状態の良い車が6500ユーロ(約80万円)前後から市場に出回っている。一方、人気の25年記念モデルは1万ユーロ(約123万円)を超えている。
Photo: Werk

②VWゴルフ4 R32

VWゴルフ4 R32:
ゴルフ4の絶対的なトップモデルの役割は、6気筒のR32に託された。このワイドな全輪駆動車のボンネットの下には、その名が示すように、VWフェートン転用された3.2リッターの自然吸気VR6エンジンが搭載されており、素晴らしいサウンドを奏でる。その 241 馬力は、247 km/h の最高速度のために十分なパワーを供給する。ゼロから 100km/h までのスプリントは、MTでは6.6 秒だが、6 速 DSGであれば、それよりも0.2秒速くなる。204馬力の2.8リッターVR6は、シンクロシステム(四輪駆動システム)が標準装備されており、時速100km/hに到達するまでにかかる時間はわずか0.5秒遅れ、最高速度は235km/hとなっている。このバージョンのR32であれば、約11,000ユーロ(約135万円)から市場に出回っている。対照的に、12,000台しか製造されていないトップモデルは、優に20,000ユーロ(約246万円)以上の費用がかかる。これに加えて、比較的高い維持費、メンテナンスの必要なブレーキシステム、リッターあたり10km以下の平均燃費が伴う。
Photo: Roman Raetzke

③VWゴルフ5 GTI

VWゴルフ5 GTI:
第5世代のゴルフでは、GTIは、再びその魔法のような意味と強さを取り戻した。やや堅苦しい先代モデルと比較して、より独立したスポーティな外観に変身した。2.0リッターターボチャージャー付き4気筒エンジンは、200馬力の滑らかな出力と280Nmのトルクを発揮し、1.4トンのコンパクトカーをゼロから100km/hまで7.3秒で加速させた。2004年から2008年の間に製造されたゴルフのスポーツモデルの最高速度は235km/hで、シャシーはダイナミックな動きとサスペンションの快適性を見事に両立させている。230馬力の特別モデル「エディション30」は、特製ピレリタイヤと伴って、さらなる性能アップを成し遂げている。最高速度は245km/h、ゼロから100km/hまでは6.8秒。すべてのバージョンで6速マニュアルギアボックスとDSGの間で選択することができた。標準のGTIは7000ユーロ(約86万円)程度から購入できるが、チューンされた車は、エンジン負荷が高くなるので避けるべきだ。
Photo: Thomas Ruddies

④VWゴルフ5 R32

VWゴルフ5 R32:
2005年から2008年まで、フォルクスワーゲンはゴルフ5のラインナップにもR32を投入した。第2世代R32では、3.2リッターのVR6が9馬力増加し、滑らかな250馬力となった。320Nmのトルクは、6速DSG、またはマニュアル6速トランスミッションを介して古典的な方法で、4つのホイールすべてに伝達された。1.6トンのゴルフ5トップモデルの最高速度は250km/h、0-100km/h加速は6.5秒という性能を兼ね備えていた。ハンドリングに関しては、200キロの追加重量のため、50馬力非力ながらGTIのほうが勝っていた。しかし、そのことを気にするファンは少なかった。何よりも、R32は弟分のGTIに比べて、エンジンの音が大変優れていたからだ。先代R32同様、コスト的な問題も抱えている。GTIと比較すると、メンテナンスやサービスはかなり悩ましい。さらに、6気筒エンジンは、燃費も悪い。価格の面では、状態の良い車は、14,000ユーロ(約172万円)弱からマーケットで見つけることができる。
Photo: Martin Meiners / AUTO BILD

⑤VWゴルフ6 GTI

VW ゴルフ6 GTI:
ゴルフ 6 は、先代ゴルフ5と技術の大部分を共有しているが、完全に独立した外観を備えている。1.4トンの標準型GTIのボンネットの下には、完全に新開発された2.0リッターターボ4気筒エンジンが搭載されており、最高出力は211馬力で、先代より11馬力アップしている。一方、235馬力の特別モデル「エディション35」には、先代エンジンEA113の改良版が搭載されている。GTIの280Nmのトルク(エディション35は300Nm)は、通常通り、マニュアル6速トランスミッションまたはVWグループの誇るダブルクラッチ式トランスミッションによって前輪に伝達される。標準型GTIの最高速度は240km/hで、6.9秒後にはスピードメーターの針が100に達している。「エディション35」の数字は、それぞれ247km/h と6.6秒だ。6シリーズのGTIは、残念ながらタイミングチェーンの不具合やカムシャフトアジャスターのリコイルスプリングの破損などが目立つので注意が必要である。走行距離125,000キロ未満の程度の良い車は約10,000ユーロ(約123万円)から販売されている。
Photo: Toni Bader

⑥VWゴルフ6 R

VWゴルフ6 R:
ゴルフ 6 のトップバージョンは、またファン切望のRと命名された。しかし純粋主義者たちにとっては、受け入れなければならない苦渋の変更もあった。VWは6気筒を、ゴルフ 5 GTIエンジンの改良版である標準ターボ4気筒に置き換えたのだった。自然吸気VR6は、ますます厳しくなる排気ガス規制の犠牲者となり、エンジンラインナップから外されたのだった。しかし、走行性能そのものはまったく損なわれていない。270馬力と350Nmのトルクは、四輪駆動のゴルフRを5.7秒で0から100km/hまで加速する。DSGを使用すれば、さらに0.2秒短縮される。最高速度は250km/hを達成している。GTI同様、トランスミッションは6速マニュアルギアボックスと6速DSGのどちらかを選択できるようになっていた。走行距離12万5千キロ未満の程度の良い中古であれば、1万4千ユーロ(約172万円)から購入できる。
Photo: Toni Bader

⑦VWゴルフ6 GTD:

VW ゴルフ6 GTD(日本未導入モデル):
ゴルフGTDは、日々頻繁に車を利用する人にとっては魅力的な1台だ。ディーゼルエンジンは、好燃費な上に、視覚的にGTIのディテールのいくつかを引き継いでおり、その十分なトルクのおかげでかなり優れた性能を持っている。ただ、2.0リッターターボディーゼルの独特の音だけが、スポーティな全体像を少し損ねている。また、ディーゼルバージョンは170馬力で満足せざるを得ない。40馬力以上のパワー不足は走行性能にも顕著だ。その結果、0から100km/hまで、GTD は 加速に8.1 秒を必要とし、最高速度は222 km/hだ。比較のために: GTIは1.2秒と18km/h、それぞれ速い。しかし、サスペンションは、より快適なタッチでチューニングされている。ゴルフGTDのテリトリーは、ノルトシュライフェ(ニュルブルクリンクサーキット北コース)よりも高速道路の高速走行と言える。ガソリンエンジンバージョン同様、2種類のトランスミッション(MTかDSG)から選べるが、DSGはそれなりにトラブルも多いので注意が必要である。適度な走行距離の程度の良いゴルフ6 GTDであれば、約9500ユーロ(約116万円)から購入可能だ。
Photo: Christian Bittmann

⑧VWゴルフ7 GTI

VW ゴルフ7 GTI:
昨年末に生産の終わったゴルフ7 GTIは、実際に、その先代モデル、ゴルフ6 GTIよりもすべての面で優れていた。フォルクスワーゲンは、そのすべての弱点を徹底的に排除した。そして、2017年のフェイスリフトで、このコンパクトスポーツカーは再び最適化されたのだった。長年にわたり、VWは2.0リッターターボチャージャー付き4気筒エンジンを多数のパフォーマンスレベルで提供し、6速マニュアルギアボックスまたは7速DSGを希望に応じて使用できるようにしてきた。標準型GTIでは、パワーユニットは220馬力を発揮。その上に245馬力のパフォーマンスと265馬力のクラブスポーツの2バージョンが設定された。VW は、1.4トンのGTI に、同名のツーリングカー選手権からインスパイアされた 290馬力のトップモデル、TCRバージョンをお別れのプレゼントとしてファンに贈った。技術的には、ゴルフ7 GTIは、成熟した耐久性を備えたモデルと高い評価を受けている。しかし、その高価値を保持し続けているせいで、ユーズドモデルはかなり高価なものとなっている。フェイスリフトの前に造られた手入れの行き届いた個体は約15,000ユーロ(約184万円)から市場に出回っている。それよりも新しいものは、19,000ユーロ(約233万円)からとなっている。
Photo: Volkswagen AG

⑨VWゴルフ7 R

VW ゴルフ7 R:
もちろん、第7世代のゴルフの最速モデルもパフォーマンスアップのための改良が施された。4つのシリンダーと2リッターの排気量を備えたターボチャージャー付きエンジンは、なんと300馬力のパワーと380Nmニュートンメートルのトルクを生み出す。そして、2017年2月から2018年8月の間に製造された車は、さらに310馬力と滑らかな400Nmへと性能アップしている。そのトルクは、マニュアル6速ギアボックスまたは7段DSGによって通常のように前後左右すべての4輪に分配される。その結果、250キロ/hの最高速度と、優れたトラクションのおかげで、0から100km/hのスプリントタイムはわずか4.9秒である。技術的にはアウディS3クワトロの兄弟車で、車量が1.5トンという事実にもかかわらず。高出力にもかかわらず、ゴルフRのターボチャージドエンジンは非常に堅牢であるとも評価されている。2014年から2017年の間に製造された車で、走行距離が少ないものは1万9500ユーロ(約240万円)くらいから市場でみつけることができる。それよりも新しいモデルは、25,500ユーロ(約313万円)からと高価になる。
Photo: Lena Willgalis / AUTO BILD

⑩VWゴルフ7 GTD

VWゴルフ7 GTD(日本未導入):
ゴルフ7になって、GTDは、184馬力と380Nmのトルクを兼ね備えたモデルとして強化された。2リッター圧縮点火エンジンのパワーは、ガソリンエンジンの兄弟モデル同様、6速マニュアルギアボックスまたはデュアルクラッチトランスミッションを介して前輪に伝達される。GTDは230km/hの最高速度を達成し、わずか7.5秒後に0から100km/hにまで加速する。これは、ガソリンエンジンの兄弟モデルよりも1秒以上遅いことを意味するが、その分、はるかに優れた燃費を提供する。
そして価格面でも好条件となる。フェイスリフトの前に製造された、走行距離125,000キロ未満の、よく整備された車なら、14,500ユーロ(約178万円)前後で購入できる。一方、2017年以降に製造されたGTDの場合は、20,000ユーロ(約246万円)前後の予算を組む必要がある。
Photo: Ronald Sassen / AUTO BILD

Text: Elias Holdenried