【新車情報】最上のSクラス、新型マイバッハがまもなく登場

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 ついに、3代目マイバッハが発表された。しかもこれまで以上に豪華なサルーンになるという。
 長い眠りからブランド復活となった初代(復活版)マイバッハは、タダでさえロングホイールベースな「57」に加え、より長い「62」の2種類が1997年から2012年にわたって生産された。
 その後いったん再び廃止されたマイバッハだが、2016年には「メルセデス・マイバッハ」としてサブブランド化され再復活。
 この二代目マイバッハは、W222メルセデスベンツSクラスをベースに、Lボディをさらにストレッチするという形で、六つ目のメルセデスベンツの最高級モデルとして君臨することとなった。
 これを機にメルセデス・マイバッハというブランドをより明確かつ確固たるものにするために、Gクラス版のG550マイバッハを限定でリリース。さらに、GLCをベースとしたマイバッハGLCも登場した経緯があり、その流れは今後も続いていくようである。

 今回の3代目マイバッハW223ベース。もちろん全長5.47メートルという十分な長さも健在だ。豪華な設えと、最新技術がパッケージされ、さらにV12エンジンが久しぶりにラインナップされる。
 その全容をご紹介する。

 ノイズキャンセリングタイヤはもちろん、その他にもノイズ対策が完備され、レッグマッサージといった快適装備などなど、新しいマイバッハSクラスはまさに至れり尽くせり。
 もし、あなたが普通のメルセデスW223Sクラスこそが最高ランクのものだと考えているようなら、残念ながらそれは間違いだと言うしかない。それほどこの三代目マイバッハSクラスはすべての点で上を行くものだといえる。

 ● デザイン
 ● 装備
 ● エンジンと価格
 ● 全長: 5.47メートル(Sクラスのロングバージョンより18cm長い)
 ● オプションとしてのリアアクスルステアリング
 ● 後席用インテリアアシスタント付きMBUXシステム
 ● ノイズキャンセリングタイヤ(ノイズ吸収タイヤ)
 ● アクティブドライビングノイズ補正(AFGK)
 ● レッグ・マッサージ
 ● 電動リアドア
 ● 部分的に高度な自動運転が2021年半ばからドライブパイロット(Drive Pilot)で可能に
 ● 欧州では2021年春より発売
 ● 推定ベース価格: 160,000ユーロ(約2,000万円)前後

 こうした装備を見るだけでも、新型マイバッハSクラスは普通のメルセデスSクラスよりもゴージャスといえるだろう。

 まず目を惹くのは、グリル中央に誇らしげに居座るMAYBACHの文字や一筋のピラーが存在感たっぷりのラジエターグリル。
 トップモデルにはボンネット上にも新しく控えめではあるがクロームストリップが備わっている。 

 実は2015年から6万台以上が販売されているというマイバッハなのだが、今回の三代目もこれまでのモデル同様、Bピラーもクロームメッキされ、後部ドアの後ろの三角窓も引き継がれた。

 普通のメルセデスW223Sクラスの全長は5.18メートル。さらにそのロングバージョンでさえ5.29メートルだから、マイバッハはそれよりもさらに29センチも長い(くどいようだが5.47メートル)。その長さがもたらす後席乗員への恩恵は想像にたやすい。ちなみに、マイバッハの方がメルセデスよりも少しふくよかに見える。
 
 約3.40メートルのホイールベース、標準装備の「エグゼクティブ」リアシート、ショーファー(運転手)機能のおかげで、新型マイバッハは、間違いなくドライバーズカーではなく、運転はショーファーにまかせ後部座席に座るための車だろう。
 ちなみにメルセデスによると、マイバッハの購入者の平均年齢は意外と若く、なんと46歳!
 全顧客の4割が以前にSクラスを所有していたことがあるという。

複雑なツートンカラーの塗装には、納期までに(さらに)かなり長くかかる場合がある。

これ以上の装備は不可能

 新マイバッハSクラスの公式プレスリリースは実に39ページにも及ぶ。さらに装備品のリストは、おそらくもっと大量になるだろう。

 かんたんにその内容を伝えるとすると…。
 普通のメルセデスW223のSクラスに用意されるものはすべてマイバッハでも装備可能。そこに加え、トップモデルにふさわしいマイバッハ専用のオプションとエクストラが多数用意される。
 例えば、7つの異なる方法で開閉可能な電動式コンフォートドアなどがその一例だ。

 豪華で快適な装備以外のイノベーションは、アクティブドライビングノイズ補正(AFGK)機能だろう。これは、ブルメスター社製のハイエンド4Dサラウンドサウンドシステムの低音スピーカーを使用して、逆位相の音波によって不要な低周波ノイズを除去する高度なノイズキャンセリングシステムだ。
 マイバッハSクラスの静粛性は特筆すべきもので、それは先代モデルでさえ世界で最も静かなサルーンとみなされていたことからもわかる。今回の新モデルでも、熱やノイズを吸収するガラスや、タイヤ内部に発泡体が使用されているローノイズタイヤも搭載可能となっている。(オプション設定)

最大33センチのレッグルームを誇る後席。まさにハイクラスなキャビンがそこにはある。

新機能を備えたMBUX

 インテリアにもさらなる快適性や機能の追加がみてとれる。
 新たに標準装備として追加されたのは、エグゼクティブシートのレッグ(ふくらはぎ)マッサージの機能だ。これまでも人気だった、ネッククッションには、ネック/ショルダーヒーティングが装備されている。
 また、マイバッハ版Sクラスでは、Sクラスと同様に第2世代のMBUX(メルセデスベンツ ユーザー エクスペリエンス)インフォテイメントシステムが搭載されている。
 MBUXインテリアアシスタントは、特にトップモデルではリアに向けて拡張され、ルーフライニングに内蔵された2台のカメラが、乗客の動きを読み、それに適した予備行動を行う機能を持つ。
 例えば、後席の乗員がシートベルトを締めるためにシートベルトの方へ移動すると、マイバッハはそれを認識し、電動シートベルトリトラクターによってその動作を容易にする。

 また、普通のW223Sクラスにはオプションとなっている革新装備、リア・エアバッグも標準装備する。その他のオプション機能としては、リア・アクスルステアリングや、260万画素を使用して特定のシンボルを直接道路に投影する新世代の「デジタルライト」ヘッドランプなどが挙げられる。

完全デジタル化されたコックピットや、Sクラスでお馴染みのインフォテイメントシステムは、マイバッハにも用意されている。

欧州市場では2021年春から

 6気筒も選べるエンジンラインナップには、すでにディスコンとなっている名高い12気筒エンジンがマイバッハでは再び選択可能となった。
 予想では、630馬力の6.0リッターV12ツインターボで、「マイバッハS 650/S 680」として販売されるとみられている。

 すべてのモデルには、76リットルの燃料タンク、全輪駆動、9G-トロニックと「エアマチック(Airmatic)」エアサスペンションが標準として装備される。ちなみに、「E-アクティブボディコントロールシャシー」は別料金となっている。

 このSクラス・ファミリーのトップモデルである豪華で巨大なサルーンは、欧州では2021年春頃から発売開始する。その価格については現時点では公式発表はない。
 ちなみに先代モデル、メルセデス マイバッハS 560 4MATICの最終価格は14万6757ユーロ(約1700万円)だったので、そこから推測すると、後継モデルは16万ユーロ(約2,000万円)前後からと予想される。

 先ごろ我々がリリースした、「新型メルセデスSクラス」とその内容を比較してみてほしい。

Text: Jan Götze
加筆:大林晃平
Photo: Daimler AG