【新着情報】新型VW ID.4 VWからのフル電気自動車第2号 ID.4のすべて

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VWのID.4はSUV車で、トレーラーヒッチも付いている。VWのMEBプラットフォームをベースに開発された電気自動車の第2弾の情報をお届けする。

➤ 市場投入と価格
➤ イントロダクション
➤ ファーストエディション
➤ インテリア
➤ イクイップメント(装備)
➤ エンジン

市場投入と価格

VW初のMEBベースの電気自動車、ID.3に続きフォルクスワーゲンはID.4を発表した。このSUVは実用的に設計されているため、ルーフレール(最大75キロのルーフ荷重に対応)とトレーラーヒッチが標準装備されている。これを使用すると、1,200キロまで引っ張ることができる。2020年中には、ID.4は、最大の204馬力のエンジンを搭載した贅沢に装備されたファーストエディションで注文することができる。価格は49,000ユーロ(約612万円)以下から開始する。2021 年には、さらなる装備と弱いエンジンを備えたバージョンが続く。その後、基本価格は 37,000ユーロ(約462万円)以下になる。通常、政府からの助成金によって、これより約8,000ユーロ(約100万円)、安くなる。

ID.3よりも魅力的

ID.4のデザインは、球体で少し照れくさい印象のID.3よりも、よりオーソドックスなデザインになっている。前面は高く、ほぼ垂直だ。2つのヘッドライトがLEDバンドで接続されている典型的なIDライトシグネチャー(マトリックスLEDは別料金で利用可能)は、ID.3よりもややアグレッシブにデザインされている。アンダーライドガードは、大きなエアインテークを備えたエプロンに組み込まれている。

電動VW ID.4のテールライトには、独自の3Dシグネチャーが付いている。

ドアハンドルは突き出ておらず、ドアの残りの部分と同じ高さになっている。これはとても高貴な感じがする。ルーフエッジスポイラーと狭いリアウィンドウを備えたリアは、少しレンジローバー イヴォークを彷彿とさせる。ダークなセットオフエプロンはかなり遠くまで到達し、再びアンダーライドプロテクションが表示される。リアライトは、独自の3Dシグネチャーを備えている。個々の正方形の要素は、暗いガラスの下に前後に配置される。ここでも連続的なLEDバンドが接続を作成している。SUVの実用的な機能をサポートするために、VWはルーフレールを装備した。75キロまでのルーフ荷重を取り付けることができる。さらに、折り畳み式のトレーラーヒッチが付属していて、1200キロまでの貨物を引っ張ることができるようになっている。

ティグアンより若干大きめ

寸法的には、ID.4 はティグアンとそのオールスペース バリアントの間に位置している。数字的には、高さ1.61メートル、長さ4.58メートル、幅1.85メートル、ホイールベースは2.77メートルというディメンションを持っている。

インテリアはID.3のものとほぼ同一だ。素材はID.4のほうが、少し価値が高そうだ。

ソフトタッチとより大きなセンタースクリーン

インテリアはID.3とほぼ同一なので、ID.4のインパネディスプレーはやや小さい。速度ステップは、直接接続されているスイッチによっても設定される。ステアリングコラムにはスタートボタンがあるが、発進には必要ない。速度を「D」か「B」にすると車がスタートし、オフにするには入力ギアを「P」に設定するだけだ。ダッシュボード上のセンタースクリーンは最大12インチ、標準では10インチとなっている。さらに、いくつかの装飾はID.4に適合しており、ダッシュボードにはソフトタッチが備わっている。そしてもちろん車内には、拡張現実感のあるID.ライトを備えたヘッドアップディスプレイが搭載されている。フロントガラスの前にあるライトバンドは、音声アシスタントを使用しているときに視覚的なフィードバックを与え、バッテリー残量を視覚的に表示し、危険な場合は赤色で警告し、ナビゲーションをアシストするようになっている。

典型的な電気自動車で、SUVとしては十分なスペースを確保している。後列のスペース感も非常に良いが、オプションのパノラミックガラスルーフを付ければ、もちろんさらに良くなる。ID.4は何よりも実用性を重視しているため、後席には3つのチャイルドシートが隣り合わせに設置されるようになっている。トランクは543リットル、リアシートを倒せば1,575リットルになる。

最初はファーストエディションのみ

ID.3の時と同じように、ID.4も、最初はファーストエディションとして提供される。その後、SUVは常に最大の電気モーター(204馬力と310Nm)と77kWhのより大きなバッテリーが付属する。購入者は、2種類の装備レベルの間で選択することができるようになる。これらは「ファースト」と「ファーストマックス」と呼ばれる。「ファーストマックス」を選べば、車は完全に装備されている。これは、マトリックスLED、ダッシュボードの大型12インチディスプレイ、アダプティブシャシー、拡張現実感のあるヘッドアップディスプレイなどを意味する。トレーラーヒッチは、両方のバージョンで標準装備されている。

最大520キロメートルの航続距離

VWは当初、ID.4を1つのエンジンのみで提供する。ファーストエディション(First Edition)は204馬力と310Nmというトルクの電気モーターを搭載。2021年には、3つの低出力バージョンが続く。一番下が148馬力と220Nmのエンジンで、170馬力と235Nmのバージョンと175馬力と310Nmのパワーユニットが続く。標準で後輪駆動が装備されているが、後には四輪駆動も投入される。いつもの通り、最高速度は省エネのため160km/hに制限されている。低出力バージョンには55kWhのバッテリーが搭載されているが(航続距離360kmは十分なはず)、高出力バージョンには77kWhのバッテリーが付いている。これは最大520キロの航続距離を持ち、急速充電技術のおかげで、30分以内に320キロ分の新しいエネルギーを充電できるはずだ。

148~204馬力の間で合計4種類のパワーレベルが用意されている。

結論:
VWからの2台のMEB電気自動車の中では、ID.4のデザインのほうが好もしいし、はるかに存在感がある。インテリアに使用されている材料は快適であり、スペースもたくさん備わっている。加えて、SUVの高い着座位置も販売成績に優位に働くだろう。ただ、VWがインスツールメントのディスプレーをもう少し大きくしなかったことが残念だ。

うーん、こっちが本命だったのかな、とID.4を見て思った。前回のレポートでは、ID.3はかなり辛口の評価を受けており、正直言って割高な割に安っぽく、乗り心地もイマイチ、のようなレポートだったと記憶している。その点、もう改良されたというべきか、最初からそういう作戦だったのかはわからないが、こちらのID.4のほうはかなり良い質感を持った、良い感じのSUVのように見える(まだ写真だけだから、期待しすぎてはいけないが)。

そもそもバッテリーのスペースなどを考えた場合、EVとして成立しやすいのはSUVボディだし、割高な価格もSUVなら仕方がない、と納得してもらいやすいことも事実なので、おそらく売れ行きとしてもID.4はID.3の何倍も売れるような気がする。内装も(これもファーストエディションだけだったら困るが)色使いや細部の仕上げがID.3よりはるかにスマートで良い感じだし、市場で好評なのは明らかにID.4なのではないだろうか。あとはEVとしての性能と、価格に見合った乗り心地だが、この点だけは近々アップされる忖度なしのAUTO BILDのレポートを楽しみに待っていたい。

蛇足ながら、このID.4 、オーナーが近づくとLEDライトでウインクするのだそうだ。フォルクスワーゲンもいつの間にか、そういうお茶目な時代になったのである。

Text: Katharina Berndt
加筆:大林晃平
Photo: Volkswagen AG