【ユーズドカーチェック】ホンダCR-Vへの評価は? ベストユーズドSUV

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このホンダはおそらく今までの中でもベストユーズドSUVだ。我々のテスターもオーナーたちもホンダCR-Vを愛してやまない。第4世代CR-Vは、中古車市場でももっとも人気の高い1台だ。

何年もの間、ホンダは欧州マーケットで後塵を拝してきた。
2020年7月には、80年代にその優れた技術で日本のBMWという評判を築き上げた日本車メーカーのドイツでの市場シェアはわずか0.4%に過ぎない。
ホンダの後ろには、ランドローバー、スバル、そしてジャガー続くだけだ。
ホンダはCR-V(世界的に見て)という、そのセグメントで最も売れているSUVの一台を持っているので、なおさらその低迷の理由を理解することは難しい。
しかし、中古購入者にとって、2012年から2018年の間に生産された第4世代CR-Vは、詳しく検討するに値するSUVモデルだと断言できる。

The CR-V

このCR-Vの見た目はどちらかというと控えめで、一目ぼれするタイプではない。
地上高がしっかりと維持され、窓のラインが低くなっているCR-Vは、SUVとステーションワゴンの雌雄同体のように見え、ハイシートのライバルのようなお洒落な演出は提供しない。
その代わり、CR-Vは高い実用性を提供する。
前部と後部には、ふんぞり返るための十分なスペースがありトランクは、模範的な深さで、ワンちゃんのためにも十分だ。後部座席を折りたたむと、もともと589リッターの余裕のある積載量は、1669リッターにまで膨れ上がる。
一方でインテリアに使用されている素材にはあまり説得力がない。脂っこいプラスチック、グラグラするグローブコンパートメント、ガタガタする後部座席…、オーナーに何度も何度もイライラを与えてしまうことがあるかもしれない。
しかし、それ以外では文句を言うことはほとんどない。

歯切れの良いギアとダイレクトステアリングを備えた、人間工学に基づいた運転環境。 シートは快適で長距離に適している。

最も快適な旅の行き先は、検査場だ

2015年のモデルアップデートから、旧型の2.2リッターディーゼルは、120または160馬力の新開発の1.6リッターへと移行した。
どちらのディーゼルエンジンも安定感があり、パワフルなキャラクターを持つCR-Vには2リッターガソリンエンジンよりも1.6リッターのターボの方が適している。
さらにCR-Vにとって欠かせないことは、定期的に最高の評価を受けている検査場に行くことだ。CR-Vの核心は、やはり簡単には故障しない本物のホンダだということだから、メンテナンス作業だけはしっかり受けていただきたい。

120または160馬力の1.6リッターディーゼルエンジンは、経済的に稼働し、活用できる。30万キロメートルという走行距離も簡単にカバーできる。

テクニカルデータ:
● エンジン: 4気筒、フロント横置き ● 排気量: 1597cc ● 最高出力: 120PS@4000pm ● 最大トルク: 300Nm@2000rpm ● 駆動方式: 前輪駆動、6速MT ● 最高速度: 182km/h ● 0-100km/h加速: 11.2秒 ● 全長×全幅×全高: 4570×1820×1685mm • 乾燥重量: 1611kg • ガソリンタンク容量: 58リットル • ラゲッジコンパートメント容量: 589~1669リットル

結論:
ホンダCR-Vは2列目からの目立たないタイプだ。
しかし、そのスペース、洗練されたエンジン、高品質により、最終的にはSUVが最も優れたユーズドSUVとなる。
判定: 5点満点中4.5点

ホンダのCR-Vといえば、飾らない働き者で、地味だけど扱いやすく、コラムシフトを持っていた初代のイメージがとっても強い。あのイメージが強すぎたせいか、そのあとのモデルはどれも頭に浮かばず、どんな格好の車がCR-Vなんだっけ?と感じてしまうような一台であった。
正直言って現行CR-Vも、どんな格好の、どんなモデルかをちゃんと説明できる自信はないが、実はCR-Vは世界的に大人気で、ホンダの四輪部門の稼ぎ頭のSUVなのである。地味であまり見かけない、という印象は日本だけで、アジアでもアメリカでも壊れずに、燃費が良く、静かで快適な一台として、現在も売れ行きは好調なのだという。

つまり昔のアコードのように、生活の中に即した、ブレッドアンドバターカーとして、でしゃばらず、実用的な道具として日々の時間の中に溶け込む存在、それがCR-Vなのだろう。同じような存在のSUVには、好敵手たるトヨタRAV4が存在しており、現在世界中で圧倒的な販売台数を誇っている。そのRAV4はかなりアクの強いデザインを持ち、ちょっと意外なほどデザインが趣味性の強い方向に振られたため、今となってはCR-Vのいい意味での平凡な存在感はなかなか得難いものなのではないだろうか。
安心して毎日気持ちよく使え、平常にはその存在感さえ忘れられてしまうような道具、そんなジャンルの自動車は、実はなかなか得難い存在なのである。

Text: Painted Büttner
加筆:大林晃平
Photo: Toni Bader / AUTO BILD