中古モデル比較テスト VWティグアン対BMW X1対アウディQ3 ベストセラーティグアンは本当にベストか?

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VWティグアンとBMW X1とアウディQ3: どれがより良いモデルか?

中古モデルチェック。VWティグアンは本当に説得力があるのか? 中古車ならVWティグアンを選ぶべきか? それともBMW X1とアウディQ3のほうが良いのか。

Photo: AUTO BILD Montage

冷静なドイツ人の目で見る、ドイツ製コンパクトSUV三台のストロングポイントとウィークポイント

VWティグアンは、ドイツではベストセラーの一台であり、このクラスの代表的なモデルの一台でもある。
我々の読者アンケートでも第1位となったフォルクスワーゲンのコンパクトSUV、2007年に登場したティグアンは、価格的にも2009年からBMW X1と直接競合しており、フォルクスワーゲンの子会社であるアウディは2011年からQ3を発売した。
3台ともシックで高価だが、実際、技術的にはどれがどのように上なのか?

ここで注意しなければならないのは、これらは視覚的な好みでも、個人的な好みでもなく、ブランドロイヤルティでもないということだ。
技術的な要素のみが客観的かつ冷静に評価される。
3台のSUVのうち、最新のものはアウディQ3である。
インゴルシュタットを拠点とするアウディは、長年にわたり、素材の品質のみならず全体的な品質の面で常にトップの座を占めてきた。

Q3はまた耐久性にも優れている。

高年式の個体のトラブル発生は平均よりもかなり低い。
非常に耐久性が高いのは、アクスルサスペンション、ステアリング、照明、排気システムだ。さらにQ3のオイル漏れはめったにない。
実際には、中古車購入者が注意を払うべき重要なポイントが2つだけある。
それらは、錆びたブレーキディスクと壊れやすいサスペンションだ。
10万キロ耐久テストでQ3 2.0 TDIは第4位に甘んじたが、これはテスト終了直前に発生したギアボックスの損傷が原因だった。
しかし、アウディQ3は、上記のような弱点を除けば、老齢になってもほとんど問題を起こさない、ほぼ常に堅実な中古モデルの購入候補となっている。

アウディQ3は、リアシートを倒せば1110リットルのスペースが生じる。そうでなければ310リットルだ。

BMW X1:ドライビングプレジャーと品質の融合
BMW X1は、そのプレミアム基準に文句なく適合している。
すべてのテストカテゴリーにおいて、2015年から利用可能な2代目(タイプF48)の評価は、優れた価値を示している。
SUVの典型的な病気であるシャシーでさえ、X1のものはクオリティの面で他に比して際立っている。
先代(タイプE84、工期2009年~2015年)の欠陥率も、このセグメント平均を大きく下回っている。
しかし、初代のパーキングブレーキの効果の欠如が指摘されることが多い。
サポートジョイントやサイレントベアリングに遊びがある可能性も少なからずある。我々が実施した10万キロ耐久テストでは、X1 18dが最高点を獲得し、優れたオールラウンダーと称賛された。

BMW X1のラゲッジスペースは、通常は505リットルだが、リアシートを倒せば1510リットルの大きなスペースが生じる。

弱点のあるフォルクスワーゲン ティグアン

そして、今回の本筋であるベストセラーのVWティグアンはどうだろうか?
このクラスのコンパクトSUVは新車としてだけでなく、中古車としても市場には大きな需要が常に存在する。
しかし、マーケットリーダーに問題がないわけではない。

原則として、我々のテストでのティグアンの性能に関しての評価は肯定的なものだ。
ステアリング、乗り心地、排気システムなどはポジティブに評価されている。オイル漏れも問題ない。
弱点は明らかにシャシーとブレーキ、そしてトランスミッションにある。

特に初代モデル(2007年~2016年製)ではブレーキディスクの劣化が目立つ。
ホイールサスペンション、特にフロントのウィッシュボーンも耐久性が落ちていることが多い。
また、1.5トンを超えるSUVのスプリングやダンパーも不良の改善が必要とされる。
サスペンションやブレーキに問題さえなければ、中古のティグアンも良い買い物になる。
そのよく知られている弱点を特に細かく検査してもらうことが重要だ。
以下に、X1、Q3、ティグアンの中古車を購入する際の注意点を明らかにする。

1.4 TSIエンジンに関する要注意事項。タイミングチェーンが欠けていたり、破れていたりすると、エンジ ンを損傷する恐れがある。
VWティグアン:
VWティグアンは、登録台数からもそのセグメントで最も成功したモデルであることがわかるため、「大衆のためのSUV」であることは間違いない。
ただし、成功したからといって、必ずしも良いこととは限らない。なぜなら、フォルクスワーゲンの第一世代(生産2007〜2016年)は、いくつかの深刻な問題を抱えている可能性があるからだ。
非常に悪いことに、それはティグアンがパサートから引き継いだシャシーにある。加えて、ホイールサスペンションだけでなく、スプリングやダンパーにも劣化が見られる場合が多い。
また、ブレーキディスクはしばしば深刻な状態にあることが多い。これは、サビの堆積や、高速走行時での消耗が原因である可能性が指摘されている。
対して、ステアリングやブレーキの機能は平均点以上ともいえるが、この写真のようにMTの設定がない日本ではトランスミッションも大きなトラブルとなる可能性も多いので気を付けて欲しい。
Photo: Tobias Kempe
アウディQ3:
アウディは品質が良いことで知られている。
しかし、プレミアムメーカーであってもトラブルがないわけではない。
例えば、5年以上経過した初代モデルでは、ブレーキディスクに溝がついていたり、錆びていたりするものが目立つ。
2011年以降に製造されたQ3は、古いモデルになればなるほど、スプリングの折れが目立つ。
しかし、これらの不具合を除けば、SUVの代表的な弱点であるサスペンションの性能は平均を大きく上回っている。
その上、ステアリング、照明、排気システムもしっかりしている。
よく整備されたQ3を入手するには、少なくとも13,500ユーロ(約168万円)を投資する必要があるが、何の問題もなく車検に合格する車両を取得する可能性が非常に高い。
もちろん、前述の弱点をチェックしていればの話だが。
Photo: Ronald Sassen
BMW X1:
BMW X1の中古車は価値があるのか?
間違いなくある!
バイエルンの最小のSUVは、新旧両方の世代にいくつかの弱点を持っているものの、幸いにして、ごくマイナーなものだ。
2015年から生産されている第二世代(タイプF48)は、我々のテストでは、深刻な欠陥は発見されていない。
SUVは明らかに平均よりも優れている。
唯一の問題は、まだかなり高価なことだ。
19,000ユーロ(約237万円)以下で、そこそこの走行距離とまともな機器を備えた保存状態の良い個体を見つけることはまれだ。
パーキングブレーキの問題さえ解消されていれば、前世代(タイプE84、2009~2015年)は、8000ユーロ(約100万円)くらいから購入できるはずだ。
Photo: Sven Krieger / AUTO BILD

今回のテストは、最初に述べられていると通り、ブランドという観点を取り除いて、客観的な評価を車に与えている。このことは大変ドイツ的であるといえるし、自動車を評論、評価する時には重要な視点になるだろう。
というのも、多かれ少なかれ自動車を購入するという時には、自動車好きであればあるほどそのメーカーとか車種にこだわる傾向が強いからで、どんなメーカーのどんな自動車でもいい、という考えになることはありえないだろう。特に日本において輸入車を購入する場合には「なんでも、どんな種類の車でもいいから、安くて壊れない自動車を」という選択であれば、山ほどある日本の車を購入すればいいわけである。

今回のテストはドイツ的であるし、ドイツだからこそ成り立つともいえるが、日本でも中古車になった場合、今回のテストに選ばれたフォルクスワーゲン ティグアンとBMW X1 とアウディQ3の間に価格差は、ほぼない、と言ってもよいと思う。というのも中古車というのは言うまでもなく一台一台程度のちがう商品だからで、年式や走行距離の差によって、フォルクスワーゲンでもBMWでもアウディでも自由に選ぶことができることこそが中古車の醍醐味でもある。
そう考えると今回の客観的な評価も生きてくるわけだが、本文中にもあるようにそれぞれの車とも消耗する部分を確実に持っているし、それなりの年式ではそれなりの維持費も必要になることは言うまでもない。
個人的には一番実用本位でけれん味のないフォルクスワーゲン ティグアンが毎日の生活の中では使いやすそうで好みだが、信頼性に関してはいまいち不安も残る。そしてそんな故障や消耗品交換時には、フォルクスワーゲンだろうがBMWだろうが、ちゃんと同じように修理費がかかるので冷静になると、本当にフォルクスワーゲンでいいのか、という自問自答に陥ってしまう。
やはり私のような車好きが、そのメーカーなどを無視して車を選ぶことは無理な相談なのかもしれない。

Text: Adele Moser
加筆:大林晃平