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スポーツカーの原点「メルセデス・ベンツ SL」70年の輝かしい歴史

2024年2月21日

4代目SL/R129(1989-2001年)

1989年3月のジュネーブモーターショーは、メルセデス・ベンツが18年振りにフルモデルチェンジしたR129モデルシリーズの次世代「SL」を発表する大きな舞台となった。R107から大幅な進化を遂げたR129は、好評を博して受注が年間生産台数の20,000台をすぐにオーバーして、ウエイティングリストに多くの名前が連なった。

4代目SL/R129;1989年3月のジュネーブモーターショーは、メルセデス・ベンツが18年振りにフルモデルチェンジしたR129モデルシリーズの次世代SLを発表する大きな舞台となった。

発売からわずか1年で、国際的な「カーデザイン賞」を受賞した。R129のデザインを手がけたのはサッコプレートで有名になった巨匠ブルーノ・サッコと彼のチームである。スタイリングは先代から大きく様変わりし、ロングノーズのロードスターのイメージはキープしながらも、フラッシュサーフェス化、ボディと一体化したスラントグリル、流れるようなウェッジシェイプなど、非常にモダンな装いに着替えさせたのである。これらの処置は空力向上にも配慮されたもので、当時としては非常に優れたcd値=0.32を達成し燃料節約と速度向上を実現した。

横転の危険となる車体の傾斜が一定速度以上(4G)になると、ルーフの開閉状態に関係なくセンサー制御のロールバーが電磁的に作動し、0.3秒以内で所定の位置に上昇しロックフックによって固定。このオートマチック・ロールバーは5トンの力に耐える強度で横転保護をする。

このR129は安全性の分野でも新たな基準を打ち立てた。さまざまな革新技術により、オープンカーとしては高度なパッシブセーフティを実現した。横転事故での被害を最小限にするために自動車では初めてオートマチック・ロールバーが装備された。車体の傾斜が一定速度以上(4G)になると、ルーフの開閉状態に関係なくセンサー制御のロールバーが電磁的に作動し、予め圧縮されたスプリングの力によって0.3秒以内で所定の位置に上昇しロックフックによって固定された。オートマチック・ロールバーは5トンの力に耐える強度で横転した車両を保護する。

堅牢なAピラー構造に加え、さらに高いオートマチック・ロールバーが保護効果を発揮した。この横転テストは、軽く傾けた車体を50cmの高さから落とすことでAピラーの一方だけに全重量をかけるルーフドロップテストが実施。規定で許されるAピラーの変形はごくわずかなものであった。

安全コンセプトのもう1つの要素は、優れたデザインと技術が融合した「SL」の一対型シート「インテグラルシート」である。シートベルトを着座位置を問わず適切にかけられるよう背もたれにアンカーが一体化している。しかもこのシートには細部に亘り20件の特許が組み込まれている。フレームと背もたれは薄肉鋳造技術を採用して、特殊マグネシウム合金で造られている。ベルトテンショナー付き3点式シートベルト、ヘッドレスト調整と連動したベルト高さ調整、シートクッションとバックレストの前後、高さ、角度調整用電動ステッピングモーターが組み込まれている。衝突時のシート抵抗は発生する可能性のある力よりも何倍も高い。さらに乗員保護性能を高める前席と側面に装備されたSRSエアバッグ、ABSやESPも標準装備されて、時代の最先端を行く安全装備が積極的に採用された。

安全コンセプトのもう1つの要素;デザインの技術的傑作を代表するSLの一対型シートであるインテグラルシート。シートベルトを着座位置に問わず適切にかけられるよう一体化している。しかもこのシートには細部に亘り20件の特許が組み込まれ、フレームと背もたれは薄肉鋳造技術を採用して、特殊マグネシウム合金で造られている。

特筆すべきは、標準装備された新設計の電動油圧式ソフトトップだ。その操作はシフトゲージの前方にあるスイッチ操作で高い開閉操縦性を実現。スイッチ操作だけで30秒以内にソフトトップの開閉が可能。標準の脱着式ハードトップはアルミニウム製で、窓が大きくなったにも拘わらず重量はわずか34kgで前モデルのクーペハードトップより約10kg軽くなった(脱着式ハードトップのスタンドも用意された)。

長年に亘り、R129には複数のエンジンが搭載された。日本市場にまず導入されたのは5.0L、V型8気筒エンジンを搭載する「500SL」の左ハンドル仕様のみ。1989年の秋に発売された当時の新車価格は1,380万円と非常に高価だったが、バブル景気の追い風を受けて大量のバックオーダーが発生した。翌1990年には「500SL」の右ハンドル仕様が追加された。さらに1992年には6.0L、V型12気筒搭載する「600SL」が発売された。1994年にはモデル名が数字を後に表記する方式に改められ、3.2L、直列6気筒のSL320が追加された。この6気筒は1999年にV型6気筒に換装されるが、いずれも上級モデルより手頃な価格とエンジンの軽さが生む軽快なハンドリングが高く評価された。さらに、8気筒及び12気筒エンジンがもたらす出力と威信にまだ満足できない人はアッファルターバッハのAMGを手に入れる事が出来た。長年に亘り、同社は強力な駆動システムと非常にスポーティなSLを生産した。1999年のハイライトは「600SL」をベースに7.3L、525PSのV型12気筒を搭載したメルセデス・ベンツ SL73 AMGだ(50台ほどの希少モデル)。

そして、2001年7月、合計204,940台のR129モデルシリーズの最後のモデルがブレーメン工場の生産ラインから出荷されると、その後継モデルが同月にR230モデルシリーズとして登場した。

5代目SL/R230(2001-2011年)

2001年に登場したR230モデルシリーズは革新技術や安全性の向上、伝統と未来を組み合わせたデザインを採用した。その最も顕著な革新技術は電動格納式ハードトップのバリオルーフであった。

5代目SL/R230;2001年に登場したR230は革新技術や安全性の向上、伝統と未来を組み合わせたデザインを採用。前期モデルは楕円型ヘッドライトが特徴。

これにより、メルセデス・ベンツSLの歴史で初めてオープンカーとクーペが融合した。R230モデルシリーズのデザインは、ロングノーズのスマートなウェッジシェイプこそ先代の正常進化系だが、前年に登場したCクラス(W203)の楕円型ヘッドライトを装備した新時代のメルセデス・ベンツフェイスで登場した。この世代ではAMGのシェアが大幅に増加し、すべてのR230のほぼ1/3がAMGエンジンを搭載していた。シリーズの最上位は「SL65AMG」をベースにした670PSの「SL65AMGブラックシリーズ」だ。

さて、オープンエアを安全・快適にする数々のハイテク装備を説明しょう。それは何といっても、先述の電動格納式ハードトップのバリオルーフである。1996年に初代SLK(R170)で初採用された革新メカニズムが、この上位モデルのSLにも投入されたのだ。開閉に要する時間はたったの16秒でSLKの28秒から大幅に改善された(筆者は実兄の初代SLKに乗ったが実に爽快であった)。

最も顕著な革新技術;電動格納式ハードトップのバリオルーフが採用された。これにより、メルセデス・ベンツSLの歴史で初めてオープンカーとクーペの両方が1台で可能となった。開閉はたったの16秒。

電子制御技術の採用範囲拡大もトピックスだ。エンジンやAT、EPSなどに加え、ブレーキもまた電子制御になった。この先進的な技術として鳴り物入りで導入されたセントロニック・ブレーキコントロール(SBC)であるが、その度重なる不具合でリコールになり、マイナーチェンジのタイミングで廃止された(筆者もその不具合を経験)。2008年にはSLK/R171でも好評であったエアスカーフが導入された。これは、ヘッドレスト内に設置したファンで首回りに温風を送ることで、寒冷時のオープン走行で体温低下を防いでくれる。先進技術ばかりでなく、気配り発想もメルセデス・ベンツの快適性追求のひとつである。

メルセデス SL/R230;2008年5月にはマイナーチェンジされ、つり目のヘッドライトを採用。特に、ヘッドライトには照射角や配光を自動調整する新たにインテリジェントライトシステムが採用され安全・快適装備も拡充した。

日本への導入は先代モデルと同様、5.0L V型8気筒を搭載する「SL500」の左ハンドル仕様からスタート。エンジンは前年までと同じ306PSのSOHCユニットだが、組み合わされる5速ATはセレクターレバーを左右に操作してマニュアル変速が可能なティップシフト機構がプラスされている。バリオルーフの採用やボディサイズの拡大により、同じエンジンを搭載した先代のSL500/R129最終モデルより重量が増加しているが(日本仕様)、その差が90kgに収まったのは、マグネシウムやアルミなど軽量素材を採用による。2003年には5.5L、V型12気筒ツインターボの「SL600」と3.7L、V型6気筒の「SL350」を追加すると共に、「SL500」に世界初の7速ATを採用。そして2008年5月にはマイナーチェンジされ、フロントマスクの変更が行われ、楕円形からつり目のヘッドライトに変更された。特に、ヘッドライトには照射角や配光を自動調整する新たにインテリジェントライトシステムが採用され安全・快適装備も拡充した。

R230のAMGモデルは2002年、5.5L、V型8気筒スーパーチャジャーを搭載し500PSを発揮する「SL55 AMG」を皮切りに、2004年にはV型12気筒を搭載する「SL65 AMG」が登場し、こちらはターボチャージャーを採用した。「600SL」の5.5L、V型12気筒を6.0Lまで拡大しツインターボ化することで612PSを発揮した。2008年5月、SLのビッグマイナーチェンジで登場したのが「SL63 AMG」だ。このエンジンはAMG専用に新開発されて、1基ごとに担当者が手作業で行う「One Man-One Engine」で知られ、担当者のサインプレートが貼られるこだわりのエンジンである。そして、先述の通り、シリーズ最上位は670PSの「SL65 AMG ブラックシリーズ」だ。新車価格は4880万円と桁外れであり、世界350台/日本正規輸入12台と希少モデルであった。

SL63AMGが2008年/2009年シーズン公式F1のセーフティカーに採用された。ライト類は視認性を高めるフラッシュが組み込まれ、ナンバープレートはセーフティカーであることを示す字光式。ルーフ上の警告灯は左右の追い越し禁止を示すイエロー、中央の追い越し可を示すグリーンのライトを組み合わせてある。

忘れられないのは、「SL63 AMG」が2008年/2009年シーズン公式F1のセーフティカーに採用された事である。世界最高峰のF1レースを安全に導く水先案内人で、レースカーを安全な速度で先導する。重要なのはセーフティカーの性能が低いと、レースカーのオーバーヒートやタイヤ温度の急激な低下を招くなど新たなトラブルの原因にもなりかねないので高性能なトータルバランスが求められる。センターコンソールにはコース上をモニターするディスプレイが装備され、無線通信システムも装備される。ライト類は視認性を高めるフラッシュが組み込まれ、ナンバープレートはセーフティカーであることを示す字光式。ルーフ上の警告灯は左右の追い越し禁止を示すイエロー、中央の追い越し可を示すグリーンのライトを組み合わせてある。

6代目SL/R231(2012-2021年)

2012年1月、「SL」の生誕60周年を記念してR231モデルシリーズが、デトロイトで開催された北米国際オートショー(NAIAS)で発表された(日本では2012年3月18日発表)。

新しいデザインのコンセプトは軽量化であった。新開発されたフルアルミニウムボディシェルをメルセデス・ベンツ量産車として初採用。徹底した軽量構造に加え、軽量かつ高強度のアルミニウムを使用し、先代のR230と比べ全長・全幅ともに拡大しているにも拘わらず大幅な軽量化を実現。ねじれ剛性も強化し、最高基準の安全性も達成している。

6代目SL/R231;2012年1月、SL60周年を記念してR231モデルシリーズが、デトロイトで開催された北米国際オートショー(NAIAS)で発表された。

安全性能では、ミリ波レーダーによる先進の安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」を搭載。自動緊急ブレーキの「PRE-SAFEブレーキ」、側面衝突防止の「アクティブブラインドスポットアシスト」、車間距離をキープできる「ディストロニック・プラス」、車線逸脱を防止する「アクティブブレーキングアシスト」を装備する。

発表当初、新開発の直噴エンジンは2モデルで、306PSを発揮する3.5L、V型6気筒は「SL350 ブルーエフィシェンシー」と435PSを発揮する4.7L、V型8気筒は「SL550 ブルーエフィシェンシー」。2016年には「SL400(367PS)」と「SL550(455PS)」が追加発表されている。

燃費とレスポンスを向上した電子制御7速AT「7G-TORONIC PLUS」は新開発のトルクコンバータ-と油圧回路、ソフトウェアなど数々の新技術を搭載し、レスポンスや耐久性の向上に貢献している。ミッションを操作するのが、スポーティなフロアシフト感覚でR/N/Dのシフトポジションが切り替える「DIRECT SELECT(ダイレクトセレクト)」。ステアリングにあるパドルシフトでマニュアルシフト操作も可能。また、ダイレクトセレクトの手前にはパーキングロックボタンや走行モード切替えスイッチ、サスペンションスイッチ類も配置されている。

新たにマジック・スカイコントロールパノラマミックバリオルーフが設定された。これはルーフトップの濃淡をボタンひとつで切り替えられ、クリアモードと社内の温度上昇を抑えてくれるダークモードがあり、紫外線と赤外線をカットする効果もある。写真はダークモード。

先代のR230同様、スイッチ操作で開閉するバリオルーフを装備しオープンエアを楽しめる。ルーフフレームにマグネシウムを採用し、軽量化と低重心を実現した他、ルーフの開閉時間を短縮させている。当初は一部グレードでオプションとなるマジック・スカイコントロールパノラマミックバリオルーフが設定された(当初のSL63AMGとSL550ブルーエフィシェンシーは標準、他はオプション)。ルーフトップの濃淡をボタンひとつで切り替えられ、クリアモードと車内の温度上昇を抑えてくれるダークモードがあり、紫外線と赤外線をカットする効果もある。

他にオープン時の車内への風の巻き込みを抑える機能として新採用された電動ドラフトストップは「髪が乱れない!帽子が飛ばない!」を実現。この操作はセンターコンソールのスイッチで行い、未使用の時は格納されている。ハンズフリーアクセスはリアフォグランプの下に足を近づけ、蹴るようなしぐさをすればトランクは自動開閉し、両手が荷物でふさがっている時には非常に便利である。すぐれた視認性を確保するワイパーシステム「マジックビジョンコントロール」を備えている。これはワイパーの上下に複数の噴射ノズルがあり、ワイパーの動きに合わせてウォッシャー液を噴射するワイパーシステムだ。オーディオは「Front Bassシステム」を搭載し、オープン時でも足元前方から切れのある豊かな低音を味わうことが可能である。

最高級モデルとなるメルセデスAMGは、2012年3月当初の「SL63 AMG」がDOHC 5.4L V型8気筒直噴ツインターボの573PSであったが、2012年8月に「SL65 AMG」が追加発表されてDOHC6L V型12気筒ツインターボで630PSを発揮する。ATは電子制御のAMGスピードシフトプラスである。

7代目SL/R232(2021-)

2021年10月28日に初披露された7代目SL/R232は、メルセデスAMGが開発から担当した。ルーフはハードトップルーフに代わって4代目R129以来のソフトトップのみが軽量化のため採用された。

2023年4月25日に日本仕様車に4.0L V-8気筒エンジンを搭載した4WDのメルセデスAMG SL 63 4MATIC+が追加導入された。
Photo:AUTO BILD JAPAN

外観では、現行メルセデス・ベンツにおけるデザインアイコンとなった伝統のロングノーズ・ショートデッキスタイルを踏襲し、近年流行のAMGブランドの証であるパナメリーカーナグリルを装着。ソフトトップの採用により軽量化と低重心化が図られ、ハンドリング性能の向上に貢献している。

エントリーモデルである「AMG SL 43」。7代目SL/R232は、メルセデスAMGが開発から担当した。
Photo:AUTO BILD JAPAN

2022年4月6日に発表されたエントリーモデルである「AMG SL 43」は、ソフトトップを備えたオープントップの2+2シーターのボンネットの下に、2.0L 直4気筒エンジンに48ボルト電気システムを電源とする電動ターボチャージャー「エレクトリック・エキゾーストガス・ターボチャージャー」を搭載した世界初の量産車である。このテクノロジーはメルセデスAMGペトロナスF1から直接得られたものである。新しい形式のターボチャージャーは、回転範囲全体にわたって特に自発的なスロットル応答を保証し、効率を同時に向上させながら、さらにダイナミックな性能を提供。ターボチャージャーは48ボルトの電気システムを介して作動し、ベルト駆動のスタータージェネレーター(RSG)にも電力を供給する。結果、出力は381PSとなり、さらに特定の運転状況ではRSGから短期的14PSの追加ブーストが得られる(日本には同年10月24日導入発表)。

大きな縦型11.9インチディスプレイは画面の角度を変えられる。光に反射し易いオープンカーならではの機能。また電動ソフトトップの開閉もこの画面のタッチパネルで操作ができ、その様子が画面に映し出される。開閉は約15秒。快適性重視のComfort、スポーティなSport、Sport+、Race、Slipperyなど6つのドライブモードが選択可能。
Photo:AUTO BILD JAPAN

筆者も試乗してみたが、装備面では、大きな縦型11.9インチディスプレイが印象的だ。画面の角度を変えられるのは、光に反射し易いオープンカーならではの機能だ。また電動ソフトトップの開閉もこのタッチパネルで操作ができ、その様子が画面に映し出される。快適性重視のComfort、スポーティなSport、Sport+、Race、Slipperyなど6つのドライブモードが選択可能で、1780kgという重さを感じさせない軽快な走りが印象的であった。

2023年4月25日に日本仕様車に4.0L V型8気筒エンジンを搭載した4WDの「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+」が追加導入された。585PSを発揮するV8ツインターボエンジンを搭載し、SLとしては初めての4輪駆動で、リア・アクスルステアリングを採用。またアンチロール機能を備えたAMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンションも採用した。

メルセデスAMGが自社開発した最高出力585PS、最大トルク800Nmを発揮する4リッターV8ツインターボエンジン「M177」。

最大の魅力は585PSを発揮するV8エンジンと4MATIC+という、メルセデスAMGが誇るパワートレインだが、特筆はメルセデスAMGの量産モデルとして初めて採用されたAMG ACTIV RIDE CONTROLサスペンションだ。これは従来からのトーションビームによる機械的なアンチロール機能に替え、それぞれの脚を油圧システムにより制御するもので、すべてのダンパーが油圧によって連動し、走行コンディションやドライブモードに応じて制御する。快適性のみならず運動性能の向上に大いに貢献している。リア・アクスルステアリングと共に、どんな場面にも安定感のあるドライブを提供する最新の足回りである。

最新のトピックスとしては、2023年6月28日に発表された特別仕様車「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+Motorsport Collectors Edition(モータースポーツ・コレクターズエディション)」である。エクステリアは、Mercedes-AMG F1 W13 E Performanceをモチーフにしたデザインで、ボディ先端から後輪前部までハイテックシルバー、後輪部分以降オブシディアンブラックをグラデーションにより組み合わせた専用2トーンペイントにし、ボディ後部にスターパターンのペイントワークも施した。世界限定100台(日本限定17台)。

「メルセデスAMG SL 63 4MATIC+Motorsport Collectors Edition(モータースポーツ・コレクターズエディション)」Mercedes-AMG F1 W13 E Performanceをモチーフにしたデザインで、ボディ先端から後輪前部までハイテックシルバーで、後輪部分以降オブシディアンブラックをグラデーションにより組み合わせた専用ツートーンペイントが施された。

70年にわたる開発の歴史の中で、「SL」はサラブレッドレーシングカーからオープントップの高級スポーツカーへの変革を成し遂げ、長い間伝説の地位を享受してきた。新しいメルセデスAMG SLは、「SL」の歴史における新たな象徴として、「SL」独特のスポーティさと現在のメルセデスAMGモデルの高級感と卓越した技術の融合によって生まれ変わった。

TEXT:妻谷裕二
PHOTO:メルセデス・ベンツAG、メルセデス・ベンツミュージアム、妻谷コレクション。

【筆者の紹介】
妻谷裕二(Hiroji Tsumatani)
1949年生まれ。幼少の頃から車に興味を持ち、1972年ヤナセに入社以来、40年間に亘り販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特に輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版カタログや販売教育資料等を制作。また、メルセデス・ベンツよもやま話全88話の執筆と安全性の独自講演会も実施。趣味はクラシックカーとプラモデル。現在は大阪日独協会会員。