【初テスト】 アメリカにはこんなVWの大型SUVがあるの知ってましたか? 新型VWアトラス クロス スポーツ

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アトラス クロス スポーツがわが国で販売されていないのは残念なことだろうか? その点をふくめてテストしてみた。全長5メートル、5人乗り。VWアトラス クロス スポーツは、米国では約3万1千ドル(約310万円)から販売されている。しかし、欧州(日本)ではまったく販売されていない。それは悪いことなのか? テストを通じて判断する。

排気ガスを恥じる想いというものはあるのだろうか?
「VWアトラス クロス スポーツ」の場合、ダブルテールパイプはリアの下に隠され、イミテーションクロームで縁取られた2本の大きな疑似エキゾーストは、電気自動車のように閉じられている。
しかし、「アトラス クロス スポーツ」の実態はその正反対、内燃機関の車だ。
「アトラス」とは、米国におけるフォルクスワーゲンの大型SUVシリーズの名称だ。
そして今回、巨大な7人乗りに加えて、よりスポーティな派生モデルとしてハッチバックの「クロススポーツ」が登場した。

アトラス クロス スポーツのシートメタルはよくできている

全長は5メートル近くあるが、3列目シートはない。
しかし、豊富な収納スペースと、大きなエンジンを備えている。
試乗車に搭載された、3.6リッター自然吸気V6(ガソリン276馬力)は、現代的とは言い難いものだが、アメリカらしく、何でも大きくなっている。
「クロススポーツ」は、「アトラス」シリーズ全体と同様、欧州では販売されていない。
これは残念なことだ。
なぜなら、2リッターターボのベーシックバージョンでは、価格はわずか正味30,855ドル(約340万円)からだからだ。
これは、「トゥアレグ」のスペースを、「ティグアン」の料金で、提供していることになる。
しかし、「アトラス クロス スポーツ」は本当にその価値があるのだろうか?
外見上は「イエス」だ。
「クロススポーツ」は、典型的なVWらしい顔つきをしている。
しかし、フロントエンドは非常にかさばっており、その前には大きな死角がある。
一方、傾斜したルーフラインとリアは、かなり成功していると言える。

アトラス クロス スポーツの全長は5メートル弱にも及び、見た目にも美しい。

最大の問題は、フロントに搭載された6気筒エンジン

また、5メートル近い長さは、都心では不道徳なほど大きなものだが、田舎の大家族にとってはかなり実用的だ。
リアシートを倒せば、2,200リットル以上という広大な荷室が生じるが、硬いプラスチックの間にフラットな積載スペースはない。

コックピットは通常のVWのものであり、シンプルなかわりに何の疑問も持たない。
今回試乗した「SELプレミアム」は、アシスタンスシステムから、デジタルディスプレイまで、すべての機能が搭載されているが、価格も5万ドル(約550万円)以上する。

残念。アトラスの発表時に、VWはプラグインハイブリッドバージョンを約束していたが、それは中止になった。

良いエンジンとは言えない

残念ながら、自然吸気のV6と気難しい8速オートマチックの組み合わせは、快調でも快適でもなく、不愉快だ。
十分な推進力を得るためには高回転にする必要があるが、そうすると燃料を一気に消費してしまうので、お勧めできない。

約束していた電動化は実現しない

2リッターターボ(235馬力)は、より適切なエンジンで、約2,000ドル(約22万円)の追加費用がかかる全輪駆動システムも優れている。
「アトラス クロス スポーツ」にはアダプティブダンパーはなく、セットアップは当然ながらヤンキードライバーたちが好むような快適なものになっている。
一方で、残念ながら、「アトラス クロス スポーツ」のような大型SUVのセグメントは、米国では、競争は非常に激しいものがある。
とはいえ、アメリカの道路では、大きな「VWアトラス」をよく見かけるし、新しい「クロススポーツ」はそれ以上によく見かける。
しかし、この「クロススポーツ」は、電動化されていないモデルだけが用意されているため、すでに生産中止モデルとなっている。
それは計画が違っていたのだ。
2018年に発表されたとき、フォルクスワーゲンは、まだプラグインハイブリッドを搭載したバージョンの話をしていた。
しかし、その計画は、その後撤回、中止されたのだ。
プラグインハイブリッドモデルがあれば、生き残れたのにと思うとやや残念だ。

たっぷりとしたスペース: アトラス クロス スポーツの後部座席を畳めば、2,200リットル以上の荷室スペースが生じる。

テクニカルデータ: VWアトラス クロス スポーツSELプレミアム
● エンジン: V6、フロント横置き ● 排気量: 3597cc ● 最高出力: 276PS@6200pm ● 最大トルク: 361Nm@3500rpm ● 駆動方式: 前輪駆動、8速AT ● 全長×全幅×全高: 4965×1991×1735mm • 乾燥重量: 2034kg ● トランク容量: 1141~2203リットル ● 0-100km/h加速: 7.4秒 ● 最高速度: 190km/h ● 平均燃費: 8.0km/ℓ ● CO2排出量: 294g/km ● 価格: 49,520ドル(約540万円)

結論:
アトラス クロス スポーツを、ここ、欧州で入手できないのは、本当に残念なことだろうか?
答えは「ノー」だ。
欧州市場向けの現行VWモデルレンジは充実している。
確かに、この価格では多くのものを提供しているし、「アトラス クロス スポーツ」はすっきりとした作りになっている。
しかし、その走行性などを考えると「あえて持っていたい」という気持ちを起こさせるほどではない。
AUTO BILDのテストスコア: 3

「フォルクスワーゲン アトラス クロススポーツ(なんとも長いし、面倒くさいなネーミングだ)」の評価はなんとも厳しく、残念なものになったが、こういうことが今のヨーロッパ車、特にドイツのメーカーには起こることが多い。あるモデルは絶賛なのに、それ例外のモデルにはババ抜きのババみたいな、はずれのモデルがあって、同じメーカー内でも著しく評価が異なったりする。
これはおそらく、車種を増やしすぎたためと、ハイブリッドモデルやEVなど、開発することが多くてすべてのモデルを熟成するのに手が回らないため、と想像がつくが、いずれにしろ、はずれのモデルを買ってしまわないように注意が必要ということは間違いない。
フォルクスワーゲンの中でもそういう当たり外れは大きく、それを見極めるのには実際に乗ってみるしかないような状況なのだが、普通にディーラーでその辺を一回りしただけで、良い・悪いを見分けられるかというと、それはなかなか難しいことでもあろう。
なんとも厄介な時代になったものではあるが、自分の目と価値観と、AUTO BILDのような情報を駆使して、ぜひババをひいてしまわないようにご注意あれ。

Text: Hauke Schrieber
加筆: 大林晃平
Photo: Daniel Byrne / AUTO BILD

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