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「プラモデルはやっぱり面白い」Vol. 14 1950~60年代の国産軽自動車 Part 2

2023年1月1日

プラモデルはやっぱり作るものである

プラモデルとは50年以上前に近所の駄菓子屋で幼少の頃に出会った。1個が確か数十円の恐竜、自動車、飛行機などを作った。最初の頃は誰かに作ってもらったような記憶もあるが、とにかく購入すればすぐに作り始めて完成させたものだった。完成させれば次は何を作ろうか、と考えることが楽しくて仕方なかった。

現在でもプラモデルが好きなことに変わりない。ただし購入時には色々と理由をつけて選択し、入手後もすぐに製作を開始することもなく放っておいている。いわゆる「積みプラ」という状況に陥っている。

子供の頃のワクワク感が無くなっている、というジレンマが続いていた。ところが最近、ストックの中にマイクロエース社製の「‛60 MAZDA R360」があるので製作してみた。すると楽しくて、楽しくて、数台を一気に製作したという結果となった。

プラモデル愛好家には製作せずにコレクションを楽しむ方々も多いと聞く。勿論、楽しみ方は千差万別で個人の自由である。ただし私の場合は作って楽しみたいと改めて感じた。

「’63 HONDA T360」マイクロエース「1/32 オーナーズクラブ」

Part 1のスズキ・フロンテに続いて「’63 HONDA T360」の製作に取り掛かった。やはり国産の軽自動車である。

実車はホンダ初の四輪自動車で軽トラックでありながら、高性能なDOHCエンジンを搭載し、いかにもホンダらしい軽自動車だった。

まずはこんなにも古い軽トラックがキット化されていることに感謝しなければならない。またパーツ総数は34個で、初心者でも苦労なく完成出来るので、カープラモデル入門用にもうってつけである。

軽トラなのに高性能エンジンを搭載していた。
インテリアもまずまずの出来である。

ただしこのシリーズ全般的に言えることだが、ウインドウ用などのクリヤーパーツの透明度は今一つである。しかしボディなどへの密着は問題ない。従ってコンパウンドでクリヤーパーツを磨けば済むことだが、この辺は大らかに製作を楽しみたいと思う。

近所の牛乳屋さんが配達用に使用していた。

完成させるとフロント部分のホンダのイニシャルである「H」の文字がなんとも誇らしげである。

「’57 DAIHATU MIDGET(前期型)」マイクロエース「1/32 オーナーズクラブ」

ダイハツ・ミゼットは軽の三輪自動車であり、主に荷物などの運搬用に用いられた。「ミゼット」は英語の「超小型」という意味から命名されたという。

このキットを完成させると、ミゼットとネーミングされた理由が納得できる。とにかく小さいので、どれほどの荷物を運搬出来たのかと疑問に思ってしまうほどである。

幌とステップ部分には汚し塗装をしてみた。

本キットは前期型でバーハンドルが採用されているが、シリーズ中には後期型もラインナップされているので、こちらも作成したいと思っている。また、付属しているデカールは遊び心満載で、当時の運送業者や自転車店のロゴが再現されており、3種類のうちから選択してボディに貼付するのである。

これほど楽しいデカール貼りは初めてだった(パーツ総数は33個)。

バーハンドル仕様である(丸いハンドルではない)。
デカールの遊び心がなんとも良い。

「’58 SUBARU360」マイクロエース「1/32 オーナーズクラブ」

「スバル360は日本の名車である」とはよく言われているが、異論は全く無い。このスバル360が発表されていなければ、現在の日本の自動車産業界も多少は違っていたのではないかと思う。

実は私もスバル360(実車)を数年前に入手して以来、飽きることなく毎日のように運転している。乗る度にドライビングの楽しさが味わえて、しかも日常的にも使用出来る素晴らしいクルマなのだ。

さて肝心の本キットであるが、残念ながらボディフォルムの再現に多少違和感を持たざるを得ない。実車の丸みを帯びた感じよりも、ボディ前後が間延びした印象になってしまっている。大好きクルマだけにちょっと残念である。

残念ながら多少前後に間延びした感じとなっている。

パーツ総数は33個で他キットと同様に製作は容易に完成出来るので、色々なボディーカラーで何台も作りたいと思っている。

一般庶民に手が届くクルマの誕生だった。

最後に

今回、採り上げた「1/32 オーナーズクラブ」は現在も発売中であり、入手は容易である。現在64車種をラインナップし、各840円(税込)となっておりプラモデル製作初心者向けと思われるし、またベテランモデラーでも充分に楽しめる懐の深いキットである。

特に他社がキット化していない車種が存在することだけでも、本シリーズの価値は十分認められる。また本文中にも記述したが、作成が本当に楽しめるシリーズなのだ。

また、あるキットの説明書の塗装指示欄に「ボディの基本色は○色ですが、あなたの好きな色に塗ってもいいでしょう」とある。これこそプラモデル作りの醍醐味ではないかと思う。プラモデル製作は各人が自由に楽しめる趣味であると思う。

本シリーズは現在マイクロエースが発売しているが、そのうちの一部のキットについては元来LS社が発売していた製品である。それらを継承し現在に流通させているマイクロエースには感謝したい。

Text & photo: 桐生 呂目男

「プラモデルはやっぱり面白い」Vol. 14 1950~60年代の国産軽自動車 Part1はこちら