「プラモデルはやっぱり面白い」Vol. 14 1950~60年代の国産軽自動車 Part 1

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プラモデルはやっぱり作るものである

プラモデルとは50年以上前に近所の駄菓子屋で幼少の頃に出会った。1個が確か数十円の恐竜、自動車、飛行機などを作った。最初の頃は誰かに作ってもらったような記憶もあるが、とにかく購入すればすぐに作り始めて完成させたものだった。完成させれば次は何を作ろうか、と考えることが楽しくて仕方なかった。

現在でもプラモデルが好きなことに変わりない。ただし購入時には色々と理由をつけて選択し、入手後もすぐに製作を開始することもなく放っておいている。いわゆる「積みプラ」という状況に陥っている。

子供の頃のワクワク感が無くなっている、というジレンマが続いていた。ところが最近、ストックの中にマイクロエース社製の「‛60 MAZDA R360」があるので製作してみた。すると楽しくて、楽しくて、数台を一気に製作したという結果となった。

プラモデル愛好家には製作せずにコレクションを楽しむ方々も多いと聞く。勿論、楽しみ方は千差万別で個人の自由である。ただし私の場合は作って楽しみたいと改めて感じた。

「’60 MAZDA R360」マイクロエース「1/32オーナーズクラブ」 

自動車メーカーMAZDAが創業100周年時にTV CMで最新のロードスターとR360とが並んでいる風景が放映されたことがある。R360にはそれ以前から興味はあったが、改めてR360の姿をそのCMで見た際には画面に釘付けになってしまった。

そういう場合に私はプラモデルを作りたい、という衝動に駆られてしまうことが多く、このキットを製作したのだった。

「1/32オーナーズクラブ」は、プラモデルメーカーであるマイクロエースが国産旧車をメインとして、他社がキット化していない魅力ある車種をラインナップしている。しかし私は1/24スケールカーを中心として製作しており、また大変失礼ながら古いプラモデルでもあることから、キットの出来に不安感があって製作した経験が無かった。

製作を開始してみると私のキットに対する勝手な思い込みは払拭されてしまった。パーツ総数33個で若干のバリはあるものの、成型自体は良好だ。製作期間は4日であった(ボディ塗装と乾燥で2日間、クリヤー塗装と乾燥で2日間、その他のパーツ塗装と組立はボディ塗装・乾燥中に終了出来る)。

インテリアも程良く再現されている。

製作中は本当に楽しめた。いろいろと製作方法を考える前に完成してしまい、幼少期に夢中になってプラモデル製作したことを思い出せた。

丸みを帯びた可愛いフォルム。

完成させるとR360の可愛らしくも精一杯カッコつけているフォルム再現の良さに感心させられた。そして思わず「1/32オーナーズクラブ」のファンになってしまった。

「’62 MAZDA CAROL」マイクロエース「1/32オーナーズクラブ」

マツダ・キャロル(実車)は先に発売されたマツダR360が2ドアで2+2シート仕様などの理由から思ったように大衆受けしなかったことから4ドアで4シート仕様として発表された。

実用性を重んじたクルマのように思えるが、現在の視点でもキャロルはお洒落で粋なデザインだと思う。この頃の国産軽自動車の個性の豊かさは素晴らしい。当時の軽自動車規格内で各自動車メーカーがしのぎを削って努力したことが伺える。

ルーフからリア部分にかけてのラインがフランス車を思わせる。

このキットの組立説明書も非常に親切に作成されており、パーツ同士の組み合わせが困難な場合に備えて「接着する前に一度合わせてみて下さい」と注意点が記載されている。つまりメーカーが作成困難な箇所を認めているのである。非常に良心的であると感心してしまった(パーツ総数36個)。

「’68 SUZUKI FRONTE」マイクロエース「1/32オーナーズクラブ」

スズキ・フロンテ360(実車)は、発売当時に英国のレーシングドライバー「スターリング・モス」がテスト走行を行って話題となった。イタリアのアウトストラーダ(ミラノ→ローマ→ナポリ)を平均時速122.4kmで走破したのである。

なんて夢のあるクルマだろうと思う。当時の国産軽自動車の素晴らしさを思い知らされる。

このキットのパーツ総数は38個で、足回り部分の再現が施されており、またホイール部分のパーツ数も多いため、他キットよりも多少パーツ総数が増えているのだ。このキットの担当者の意気込みが感じられるように思える。

ホイールの再現も素晴らしい。

キット作成はストレス無く進み、完成後は美しくも可愛らしいボディフォルムである「コークボトル・ライン」が鑑賞出来る。

「コークボトル・ライン」と呼ばれたフォルム。

さて、Part 1ではどちらかというと多少気取ったクーペタイプの3車種を採り上げたが、Part 2では「働くクルマ」の2車種を含めた3車種を取り上げたい。「働くクルマ」といっても当時の軽自動車らしくとても愛嬌あるデザインである。パート2もお楽しみに!

Text & photo: 桐生 呂目男

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