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オープンカーのすすめ ドライビングプレジャーを与えてくれる10台をテスト

2021年8月11日

ルーフアップ! プレジャーイン!

10台の個性あるオープンカーをテストする。この10台のコンバーチブルは、根本的に異なる。だが、日光浴の楽しさだけは、どのクルマにも標準装備されている。

太陽を崇拝する人々は、あらゆる階級に存在し、その個性を五感で楽しむ。
「ミニ ジョン クーパー ワークス」のようにスポーティでコンパクトであっても、「フィアット500eカブリオ」のように静かで、気候にやさしく、電気駆動であっても。
「ランボルギーニ ウラカン エボ スパイダー」のように猛烈な音を立てて速く走る車も、「ポルシェ911カレラ カブリオ」のようにレーストラックを走る紳士的な車も。
「メルセデスE450カブリオ」のように、技術的に完成されたものであれ、「ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル」のようにシンプルに豪華なものであれ。
「BMW M440i xDriveコンバーチブル」のように、大きくてパワフルな車も、弟分の「220iカブリオ」のように必要最小限に抑えられた車も。
「モーガン プラス シックス」のように刺激的で希少価値の高いものも、「VW T-Rocカブリオ」のようにリラックスしたユニークなものも。
ドライバーは、純粋に季節を楽しむことができる。

コンバーチブルは、おそらく最も美しいドライビングの形だろう。
今こそ、風を鼻先に感じてみてはいかがだろうか。
ルーフを捨てよう。
オープントップドライブを楽しむための10台の候補車の詳細は、以下に、フォトギャラリーとともにご紹介する。
エンジョイ!

ランボルギーニ ウラカン スパイダー エボ(209,247ユーロ=約2,760万円~)
私の後ろにいた人は、親指、それとも中指を立てていたのだろうか? 吠えるようなV10(610馬力、560Nm)の上で揺らめく空気のせいで、それがわからない。

しかし、ランボルギーニ ウラカン スパイダー エボでは、どの道に入ってもすぐに音で埋め尽くされてしまうほどの大音量だ。

その他の点でも、ウラカンはあらゆるグリーン気候政策への宣戦布告であり、奔放なドライビングプレジャーの表明でもある。アクセルを踏み込むと、ステアリングホイールを握る手と、うなりを上げるリアタイヤが拮抗し、どちらもコントロールを失いたくないと必死になっている。「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」のどれを選んでも、よりワイルドになる。

一方、アウディの「MMI」から派生したOS(オペレーティングシステム)は、ほとんどシンプルで親しみやすく、なぞはほとんどない。しかし、イタリア車はターンシグナルに特別な機能を持たせている。ステアリングホイール上のトグルスイッチは、スクーターを彷彿とさせる。

しかし、最大の問題は、その価格だ。209,247ユーロ(約2,760万円)で、最も大きな遠吠えは、銀行の預金担当者からのものだろう。
大林晃平: この車の場合、実用性とか対候性とか、そういうものは、はなっから諦めたほうがいい。というか、だれもそんなこと気にしないだろう。おそらくオープンのまま、都会で見たり、見られたりしながら流したり、トンネルの中で排気音の反響を愉しんだりするためのオープンで、速度を出してしまえば、風の巻き込みとの戦いだから高速道路では幌を閉めなくてはならないだろう。そもそもこのAピラーの角度だったら、開けたって、解放感うんぬんかんぬんの話ではない。でも、どうせスーパーカーに乗るなら、ここまであっけらかんと楽しんだほうが勝ちであり、スーパーカーなんてものに、IQを求めても仕方ないのである。どうせバカなら踊らにゃソンソン、そういうのが正当な楽しみ方である。

メルセデスE450カブリオ(74,655ユーロ=約985万円~)
オールラウンダーで気楽なオープンカー、E450は、メルセデスの伝統的な4シーターコンバーチブルだ。しっかりとした自信に満ち、細部に至るまで洗練されている。

15秒でトップが開き、他のどんなオープンカーよりも、プロテクトされ、シェルター内にいるような状態で座ることができる。
エアスカーフのネックドライヤーや、ウィンドディフレクターを含む、フロントガラス上のエアキャップスポイラーリップ(1,369ユーロ=約18万円のパッケージに含まれる)などのディテールがこれにマッチしている。プリティとは言えないまでも、今までにない次元のオープントップドライブが可能だ。例えば140km/hを超えるような速度でも、風通しが良く、竜巻やハリケーンに悩まされることはない。
スムーズでおとなしくない3.0リッター直列6気筒エンジン(367ps、500Nm)は、完璧なマナーを備えているだけでなく、拡張された幸福感を保証する。心温まるサウンドが心地よく響いてくる。

9速AT、全輪駆動(標準)、センシティブエアサスペンション(2,261ユーロ=約30万円)を装備したパッケージでは、かさばる2トンのコンバーチブルが、非常に快適で、非常に品格のある、高速グライダーになる。完璧だ。
大林晃平: 昔からメルセデス・ベンツの「Eクラス カブリオレ」というのはなかなか洒落ていて、実用性も高い一台として人気がある。特に幌の4座オープンカーということも大切な部分で、ここがメタルトップだと、途端に贅沢さが減ってしまう。そして幌のモデルだからと言って、一切のやせ我慢なしで乗ることができる、ということも言うまでもない。全体的にはちょっとぼってり肥ったようなデザインはあか抜けないが、メルセデス・ベンツの中でもマイナーでちょっとお洒落な一台として、僕は好きなクルマである。

ミニ ジョン クーパー ワークス コンバーチブル(37,200ユーロ=約490万円~)
小さなコンバーチブルで素晴らしいスポーツを。200馬力超のパワーを持つ小さな車は本当に必要なのだろうか? もちろん必要ない。しかし、それが害になることもない。

ミニが提供するのは、ブランド独自のコンセプトの完璧な集大成だ。超ダイレクトなステアリング、正確なギアシフト、コーナーの奥にホイールを配置したメリハリのあるシャシーなど。ミニはそのスポーティさで生きている。
ジョン クーパー ワークスなら、パワーも十分だ。スーパーチャージャー付きの2リッター(231馬力、320Nm)は、必要に応じて高貴な小人を一変させる。その気になれば、6.6秒で0から100km/hまで疾走し、オープンハイウェイでは242km/hの最高速度で大物たちを悩ませることができるのだ。
しかし、その後の給油時にはその対価が求められ、通常リッターあたり13.5kmが、簡単にリッターあたり6.6kmになってしまう。
高いギアで走って、シフトダウンすることなく、スムーズに走り出すことができる。その方が楽しいし、オープンカーの性格に合っていると思う。

前席には大人2人がゆったりと座れるが、狭い後席は実用的ではまったくない。そのことが価格に反映されていないのは残念なことだ。価格は37,200ユーロ(約490万円)からで、追加料金のリストはとてもとても長いものだ。
大林晃平: 「ミニ」のコンバーチブルは人気も高く昔からカタログモデルの中には、必ず存在し続けているモデルである。リアシートは正直狭いし、幌をしめると閉塞感は強い。実用性だってそれほどないし、その割に高価ではあるが、ファンカーとして、お金持ちのお買い物グルマとしてはなかなかいいポジションにいるのではないだろうか。そういう意味では、かつての「ゴルフ カブリオ」のような、性格の自動車で、数年後には南仏あたりで気軽なオープンカーとして人気を博しているのではないかな、とも思う。
購入する場合には、無数のオプションと、内装・外装色の組み合わせができるので、楽しく悩みながら自分だけの一台を選んで乗るべき。「ミニ」というのは本来そういう自動車なのである。

フィアット500eコンバーチブル(32,500ユーロ=約430万円~)
ここでは風の音しか聞こえない。乗り手は知っている。最大の喜びは、風によってエンジンが(ほとんど)不要になり、エレメントの音だけが聞こえてくることにある。

しかし、風に頼らないために、イタリア人は118馬力の電動モーターを搭載した。その結果、納得のいく結果が得られた。このかわいい小型車は、都市部の交通渋滞やカントリーロードを静かに、そして楽に走行する。自然を満喫するのにこれ以上の方法は考えられない。
オープントップの電気自動車での喜びの旅は、いずれにしてもあまり長いものではないはずだ。というのも、320kmの航続距離は、日常的な使用ではすぐに、200km以下に縮まってしまうからだ。

ただし、価格は少し高い。42kWhのバッテリーを搭載したミニコンバーチブルのスタート価格が37,900ユーロ(約430万円)というのは痛い。
大林晃平: EVのオープン、それはいいだろうなぁ、と思うことがある、音もせずにオープンカーで走る、なんとなくグライダーを彷彿とさせるような行為ではないだろうか。新しい「500」はEVオンリーになってしまったが、気楽に短距離での街乗りや、海辺の町の足としては、なかなか魅力的かもしれない。もちろん価格や航続距離には心配も不満もあるが、それはこの「500」だけが抱える問題ではない。性能がどうだとか、バッテリーの残量などを気にせず、小さなヨーロッパの田舎町で、いつか静かなオープンカーも乗ってみたいな、そう思える一台である。

ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル(220,745ユーロ=約2,900万円より)
雄大な外観と十分なパワー。キングフィッシャーとは、試乗車に施されたライトブルーのペイントの名称で、コンチネンタルのカラーパレットにある19色のブルーのうちのひとつにすぎない。

それは、重厚な外観から始まり、インテリアでクライマックスを迎える。最高級の製品を、手作業で完璧に仕上げる。芸術的な刺繍が施されたレザー、ダークな輝きを放つウッド、高度に洗練されたクロームの乱舞。
フロントシートでは、快適なポジションを見つけることができる。リアは、実際よりも居心地が良さそうに見えるが、大人のためのスペースはかなり狭い。
550馬力を誇る強大な4.0リッターは、暗黒的に鳴り響くV8で、とてつもないパワーと、はじけるような気性を持っている。2.3トンの車重もまったく気にならない。
シャシーは、カジュアルなクルージングから正確で驚くほどシャープなハンドリングまで、幅広いレンジで驚きを与えてくれる。やはり、この技術はポルシェ パナメーラから来ているのだ。

もちろん、一番の楽しみはトップダウンの状態で、V8の上質な低音がより耳に届くようになっている。ソフトトップは15秒で開くが、色は7色しか用意されていない。
大林晃平: ベントレーくらいの高級物件オープンカーの場合、別に良い悪いをいう意味もないし、好きな色を好きな仕様で、世俗のことなど考えるとことなく乗れば良い。とはいっても、今のベントレーは実用性もかなりあるし、昔のように維持費(特に修理費)が膨大ということもないので、中古で、そこそこな値段だったら、度胸のある人は購入してもいいと思う。その場合、このクルマがちゃんとしまえる車庫だけは用意しておいた方が良いし、乗る人のスタイルを選ぶので注意も必要ではある。ちゃんと見られていることを意識して、洋服もしっかりコーディネートして運転しましょう。

BMW 220iコンバーチブル(41,750ユーロ=約550万円~)
オールドBMWスクールとは、かわいい小さなBMWのコンバーチブルだ。F23シリーズと名付けられたこのモデルは、古い1シリーズをベースにしており、8年間の生産期間を経て新鮮さがないからかもしれない。

しかし、それは彼が見せ場を作らずに効果的にやっているからでもあるかもしれない。最初のドライブが過去への旅になるのは当然のことだ。はっきりと描かれた、完璧に読み取れるアナログの計器類、もちろん後輪駆動、そしてダイエットをしたかのような体つき。60年代の伝説的な02の最高の伝統のように、ここでのモットーは「必要なだけ、可能な限り少なく」というものだ。
ステアリングコラムの下部にある、奇妙にも即興で作られたステアリングホイールヒーティングのボタンだけが、この絵を邪魔している。それ以外の点では、古い3シリーズE30から乗り換えた人は、すぐに自分のやり方を見つけ、くつろぐことができるだろう。

たとえ220iに6気筒のハミングがなくても。184馬力の出力と、レスポンスのよい8速オートマチックの組み合わせは、しなやかで負荷のかからないBMWのイメージを完璧なものにしている。2シリーズがこのような形で登場するのは、おそらくもう長くはないだろう。だが最後のクラシックなBMWを確保するにはそれなりの費用が必要だ。
大林晃平: 良き時代のBMWのオープンカーというのは、こういうものだと思う。性能よりも、軽快さと気持ちよさ、そして取り回しの良さ。そういう意味では、本来BMWの持つ魅力は、こういうモデルに強く感じられるものである。ややデザインにのびやかさが欠けるのが残念だが、そもそも2シリーズなのだからやむを得ない。内燃機関の自動車をオープンモデルで選び、どこへ行くのでもこれ一台、そんな気楽な一台として買うなら今、のような気もする。

BMW M440iコンバーチブル(75,900ユーロ=約1,000万円~)
夢のエンジンを搭載したフルサイズコンバーチブル。いや、ここではキドニーグリルの話をしているのではない。それを除けば、M440iはほぼ完璧なコンバーチブルだ。同僚の2シリーズよりも一回り大きく、そのプロポーションは、そう、とても広大だ。

しかし、大人2人が座れる立派なリアシートもある。あまり長い距離を走らないために。
ルーフ(BMWはフラットルーフと呼んでいる)は、ハードトップとファブリックルーフをミックスした洗練されたデザインだ。見た目にも美しく、しっかりとフィットし、精巧に断熱されている。閉じた状態では、車内は驚くほど静かだ。また、18秒で素早く、静かに開くことができるという。
オープンにしていても、M440iは非常によく守られている。100km/hまではまったく快適だが、120km/hになると、より強く風に引っ張られるようになる。これが本来の姿なのだ。そして、そうあるべきなのだ。
喉を鳴らすようなハスキーなサウンド、エネルギッシュでパワフル、洗練された374馬力を発揮する壮大な3.0リッター直6エンジンとZF製8速オートマチックトランスミッションとの組み合わせに勝るものはない。

全輪駆動により、そのパワーを即座に路面に伝える。これだけの技術があれば、2トンという重量であっても、M440iは、さりげなく、そして颯爽と、決して煽られることなく走る。
大林晃平: こちらはハイパフォーマンスで、なんでもありの高性能BMWオープンカー。もちろんこれはこれで大いにありだし、高品質な魅力も高性能の魅力も麻薬のように強い。こういう速い自動車をあえてゆるゆると乗る余裕こそ贅沢、そんな人にはぜひ「今のうちに内燃機関の直6BMW、買っときなはれ」と薦めたい。高価なことは仕方ないけれど、そもそもそういう面を気にする人は買わないだろう。
純粋な直列6気筒のBMWオープンモデル、これがきっと最終形であろう。

ポルシェ911カレラ カブリオ(122,417ユーロ=約1,600万円~)
世代を超えた夢の車。確かに、ちょっとぽっちゃりしてきたことは否めない。でも、エンジンは空冷ではない。911ドライバーは、もちろん空冷で全身を冷やすことはできる。

1965年に初代タルガが登場して以来、ドイツのスポーツカーのアイコンは、太陽の光を浴びることもできるようになった。カブリオ(1982)もまた、シンプルにフィットする。
計器類がデジタル化されても、タコメーターは相変わらずアナログのままセンターに鎮座している。

911は、「Made in Germany」の最良の部分を反映している。きちんと閉じられたボンネットに至るまでの完璧な操作性、端正な仕上げ、そしてドライビングスタイルによっては、リッターあたり10km以内で済むこともあるというガソリンポンプでの驚異的な経済性。そして、これらすべてを、繊細なスロットルレスポンス、ダイレクトなステアリング、完璧なロードホールディングといった、ほとんどイタリア的な運転のしやすさと組み合わせているため、その神話は驚きというよりも、論理的な帰結となっている。
もちろん、911を所有する必要はない。しかし、一度は乗ってみたいものだ。
大林晃平: 911を買うときに、どのモデルにするかは永遠の課題であると言えよう。一番硬派な人は、クーペで、マニュアルミッションで、サンルーフ無しのモデルなどを選ぶのかもしれないが、911の形とか、乗って楽しいかなどを、尺度とした時には、オープンにするかクローズドボディにするかは悩みどころなのである。しかも911の場合、どちらも格好いいし、どちらもウィークポイントが少ないというところも悩みどころとなろう。頭の中に理想の911像を明確に描き切れている人なら、悩みなど無用なのだろうが、私などはいつまでも悩んだ挙句、どちらも買えないまま終わりそうだ。しかも中間(?)モデルのタルガなどもあって、これがまた格好いいから困る。911は常に買うときに(買った後も)、永遠に煩悩を描き続けるような自動車なのかもしれない。

VW T-Rocカブリオ(32,855ユーロ=約430万円~)
四角くて、実用的で、良い。VWは、ビートルとゴルフ カブリオをあっけなく引退させた。そして、よりによってコンパクトSUVであるT-Rocの屋根を切り開いた。これで、伝説のビートル カブリオの後継車となった。

その言葉に胸を打たれる方もいらっしゃるかもしれないが、T-Rocカブリオは驚くほど、いや、本当によく走り、実用性もあってちゃんと仕事をする。ルーフは10秒弱で開くが、これは速い。そしてシートポジションは、比較的高い位置にあり、同時に屋外にもあるという変わったものになっている。しかし、不快ではなく、比較的保護された状態で座ることができる。時速80マイル(128km/h)までは、風はコンパートメントに優しく吹き込むが、時速100マイル(161km/h)からは、より強く吹き付ける。T-Rocには4人分のスペースがあり、リアには大人2人が快適に座ることができ、きちんとしたトランクもあるので、ちゃんと喜びを分かち合うことができるようにもなっている。

硬いプラスチックの大きな面積は殺風景だが、もはやそれほど気になるものではない。ただ、頑丈そうに見えるし、コンバーチブルでは何となく洗えそうな気がする。

150馬力の1.5リッターTSIを搭載したT-Rocは、きちんとした動力性能を備えている。DSGは少しうるさいが、迅速かつ丁寧にシフトチェンジする。T-Rocは足取りが軽く、運転しやすいし、速い。調和のとれたシャシーを作るというフォルクスワーゲンのノウハウが生かされている。そして実際、このコンバーチブルもかなりよく出来ている。
大林晃平: この車を見て思い出すのは、「レンジローバー イヴォーク」のコンバーチブルである。あの今はなくなってしまった、SUVの4座オープンモデル。あれが出た時には、ランドローバーも変わったなぁ、と思うと同時に、もう自動車の世界はなんでもありなんだな、とも感じた。この「フォルクスワーゲンT-Roc」も、SUVでオープンモデル4座という世の中では希少なモデルであり、「フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオレ」なき今では、その後継ポジションを担う一台なのであろう。残念なことは、内装がなんとも地味なことと、全体的にそのスタイリングに、軽快さも、うきうきするような部分も、あまり感じられないことだが、そういう質実さこそがフォルクスワーゲンなのだから仕方ないのかもしれない。

モーガン プラス シックス(105,900ユーロ=約1,390万円~)
恐竜だけど、とても生き生きしている。1909年に創業したモーガンは、1936年からこのプラス シックスのような車を作り続けている。最初のネジから最後のネジまで、ただただ独創的なデザインは、何も変えることができない。最後の、美しい、魅惑的な。申し訳ありませんが、我々はここで少し夢中になっている。そして気をつけてほしいのは、このニューモデルは翼の下にたくさんのものを秘めているということだ。

そこには、BMWの3.0リッター直列6気筒が潜んでいる。そして、この素晴らしいパワープラントには、ZF製の素晴らしい8速オートマチックトランスミッションが組み合わされている。
アッシュウッドのフレームは、もちろんモーガンでも健在だ。しかし、プラス シックスはまったく新しいアルミニウム製のプラットフォームの上に成り立っており、これまでよりも剛性と安定性が向上し、さらに重要なことに、足元のスペースが20センチ拡大している。背の高いヨーロッパ大陸の人々でさえ、きちんとしたスペースを確保できるようになったのだから、我々は感謝の言葉を述べるしかない。

リアアクスルのほぼ真上、アスファルトのすぐ上に座ることができるのだから、肘には気をつけてほしい。風が容赦なくコンパートメントに吹き込み、スピードの感じ方がまったく違うものになり、直列6気筒がモーガンを力強く撃ち抜くのだ。そして、その運転体験は特別なものだ。これほどまでにダイレクトで媒介のない、純粋でクリアなものは他にはないだろう。
大林晃平: モーガンの最新モデルがこれ!である。一見昔のと、変わりないように見えるが、内容的には最新モデルで最新テクノロジー満載。この昔のモデルと変わりないように見える部分こそ、モーガンの持ち味であり魅力なので、この方向で進化したことは大正解である(そういえば、以前にラインナップの中にあった、より目で、殴られたアンパンマンのようなモーガンのモデルはどうなってしまったのだろう??)。
そんなモーガンもおそらくいつかはEVになってしまうのだろう。内燃機関だからこそモーガン、そんな思いを抱く人は今のうちにバックオーダーリストに名前を連ねておくべきだろう。普通でも長いバックオーダーリストが、いつ締め切りになってしまうかわからないのだから・・・。

Text: Dirk Branke, Malte Büttner
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD