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【新着ニュース】原点回帰 新型メルセデスAMG SL 再び真のスポーツカーへ 全詳細!

2021年7月17日

新しいメルセデスSLは、AMGモデルとして、昔の強さを取り戻す。

新型メルセデスAMG SLは、これにより真のスポーツカーとなるだろう。そして、完全可変の4MATIC+全輪駆動システムが搭載される。レポートとともに、ロードスターの写真を初公開!

➤ インテリア(アップデート情報)
➤ デザイン
➤ エンジンラインナップ
➤ 価格

新型メルセデスSLは本物のAMGになる!

8代目となる、新しいロードスターは、2+2シーターモデルとなり、クラシカルなファブリックルーフを備え、先代よりも大幅にスポーティになる。
既報の通り、現在、SL(社内呼称: R232)は、最終的なテスト段階にある。
我々は、これまでの情報をまとめ、インテリアの写真を初公開する。

● メルセデスAMGの開発した新型SL
● より軽く、よりスポーティなR232
● ファブリックルーフに回帰
● SLモデル初となる全輪駆動システムを装着
● 800馬力トップモデルとしてのSL 73 e 4MATIC+
● 2022年初期に市場投入

インテリア: SLのコックピットには大型ディスプレイを採用(最新情報!)

「メルセデスSL」の仕事場はかつてないほどデジタル化されている!
AMGは、ロードスターのインテリアの画像を初めて公開したが、それはこれまでの推測を裏付けるものとなった。
「SL」にはインストルメントクラスターとインフォテイメント用の大型ディスプレイが搭載されている。
しかし、メルセデスのCクラスやSクラスとは異なり、12.3インチのインストルメントクラスターは、ステアリングホイールの後ろに独立しているのではなく、カバーの下に隠れている。
これは、「2+2」で、オープン走行しているときに、上からの日光を防ぐためだ。
そのため、センターコンソールにある、11.9インチのタッチスクリーンも電動で傾けることができるようになっている。
主なシステムは、おなじみのMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)インフォテイメントシステムに、AMG専用のコンテンツが追加されている。
また、新型「SL」は他の車両の様々なインテリアデザイン要素を、スリーポインテッドスターと組み合わせている。

SLのインストルメントクラスターは、今回もカバーの下に深く配置されていて、高貴な印象を与えている。

センターコンソールは「AMG GT 4ドア」を、ダッシュボードはCクラスを彷彿とさせる。
エアベントは丸型で、エアガイドにはカーブしたタービンブレードを採用している。
シートは、スポーティなものと、コンフォートなものの2種類が用意されている。
それらは明らかにデザイン上の要素と考えられる。
写真のような精巧なキルティングは、おそらくベンチレーション付きのモデルのみに採用されると考えられる。
また、メルセデス特有のヘッドレストのエアベント(エアカーテン)は、秋の気温になっても乗員の首を温めてくれるため、「SL」の素敵な装備の一部となっているのは言うまでもない。

新世代の「SL」では、1989年以来、初めて運転席と助手席の後ろにシートを設けている。
メルセデスによれば、2列目には、身長1.5mまでの人しか乗れないとのことだが、緊急時の解決策として、少なくとも日常的な実用性は確保されている。
後部座席に子供がいなくても、得られたスペースは確かに実用的であり、トランクに行かなくても小物を素早く収納することができる。

外観: 小さくなった新型メルセデスAMG SL

メルセデスはこれに先立ち、北極圏でテスト中の次期「SL」のプロトタイプ2台を写した公式画像を公開していた。
この写真は、新型「SL」が「R231」よりも、かなり小型化されることを明確に示している。
新型「SL」のプラットフォームは「AMG GT」で、これは、SLがそのルーツに戻り、再びスポーティなロードスターになることを意味している。

新型SLは、すでに先行テストが行われている。

「SL」という略称は、実は「超軽量(super light)」を意味する。
しかし、最近の「SL」は、軽量化には逆行していたと言わざるを得ない。
8代目「SL」のスリム化のために、メルセデスは「R231」の精巧なバリオルーフに代えて、クラシックなファブリックルーフを採用している。
写真を見ると、新型「SL」のボンネットはかなり引き下げられており、ヘッドライトの幅も狭くなっている。
もちろん、パナメリカーナグリルも採用されている。
興味深いのは、リアデザインだ。
そこには何種類かのエキゾーストシステムが見られる。
ブラックファブリックルーフのロードスターには、丸いテールパイプが4本、レッドルーフの「SL」には四角いエキゾーストチップが4本備わっているのが見える。
この差は、エンジンバージョンのヒントになるかもしれない。

エンジン: メルセデスSL 73 eが800馬力のトップモデルに?

すでに明らかになっていることは、新型「SL」は、AMGバージョンとして独占的に販売されるということだ。
AMGでは、4本のラウンドテールパイプが、「43/53」モデルの特徴となっている。
したがって、「SL 43」がベースモデルとなる可能性がある。
角型テールパイプを備えたバージョンは、通常「63」モデルのために用意されている。
しかし、メルセデスAMGが今後も4リッターV8ツインターボを採用し続けるかどうかは、まだ完全には決まっていない。
次期「C 63」が、4気筒のプラグインハイブリッドになる一方で、V8を搭載しない「SL」のプレステージ性の低下はあまりにも大きいと言えるかもしれない。
また、トップモデルの「SL 73 e」については、最大800馬力のV8ツインターボの電動化バージョンに頼る可能性が高いと、すでにさまざまな憶測が飛び交っている。

メルセデスAMG SLに完全可変式の全輪駆動を搭載

このモデルは、メルセデスの「73」という名称を、20年ぶりに復活させるものだが、残念ながら、V12エンジンは搭載されない。
というのも、「SL 600」や「SL 65」に搭載されていたような、12気筒エンジンは、もはや「R232」には搭載されないからだ。
我々は、新しい「SL」には、「SL 43(367馬力)」から「SL 73 e(800馬力)」までのエンジンが搭載されると想定している。
558馬力の新型「C 63」のパワートレインを搭載した、プラグインハイブリッドも十分に考えられる。
また、新型「SL」には絶対的な初の試みがある。
ロードスターには初めて、完全可変式の4MATIC+全輪駆動システムが採用されることだ。

価格: 新型メルセデスAMG SLの価格は、おそらく10万ユーロ(約1,000万円)からスタート

新型「メルセデスAMG SL」のワールドプレミアは2021年の秋、市場投入は2022年初頭になると思われる。
新型「SL」の価格についてはまだ情報はないが、参考までに、先代モデルは、367馬力の「SL 400」が約10万ユーロ(約1,330万円)から、530馬力の「AMG GTロードスター」が最低でも13万6178ユーロ(約1,800万円)からとなっていた。
我々は、「R232」の価格は、最低でも、10万ユーロ(約1,330万円)前後からになるのではないかと推測している。
これは、メルセデスが最終的にどのエントリーレベルのエンジンを採用するかによる。

新しい「SL」がAMGブランドになると聞いた時、個人的に危惧したことは、「メルセデス・ベンツの「SL」がパツパツの、走りを強調したスポーツカーになってしまったら嫌だなぁ」という点であった。「メルセデス・ベンツSL」は、高性能であることも必要かもしれないが、本来はビバリーヒルズのロデオドライブに買い物に行ったり、カンヌのはずれのレストランに行ったりする時にものんびり使えるような、大人(もっといえば、おじいさん)も安心して使えるようなエレガントなオープンカーであるべきだ、と思っている。
目を吊り上げて走るようなスポーツカーなど、すでにAMGブランドには多数あるわけだし、「SL」はちょっと違う道を歩くべきじゃないのだろうか、なんならマイバッハブランドで出しても良かったのでは、そんなことも思いながら見たスクープ写真ではあるが、内装を見るかぎり、なかなか豪華でエレガントな雰囲気も感じさせるもので、ちょっと安心している。
今回のスクープでの見どころは3か所あって、日光を受けても見えるように配慮されたメーターバイザーの処理、メルセデス・ベンツとしては思い切り遊んだ内装のカラー、そして座れないスペースではあるが、一応4座であること。
この4座であることと、ソフトトップであることの2か所で、かなり「SL」の雰囲気は大きく変わり、走り一辺倒のスポーツカーではないということを醸し出しているといえよう。
あとは乗ってみても、ハード過ぎない、エレガントな乗り心地を持っているかどうかだが、こればかりは実際に触れてみなければなんともいえない。できれば年配向けの、ゆるゆるバージョンも欲しいものである。

Text: Jan Götze and Andreas Huber
加筆: 大林晃平
Photo: Daimler AG