【クラッシックカーイベント見学記】「ブリティッシュ クラッシックカー ミーティング 2026(鶴舞公園)」
2026年10月9日
「ロッカー カバー カー レース」スタート!
レースを行うスロープが出来上がると、2台1組のトーナメント方式の「ロッカー カバー カーレース」が始まった。スロープと地面の傾斜角は見た感じ30度位か。
見ていると、2台1組で、スタート前にオーナーがそれぞれ自分のクルマをスロープのレーンの上にセット。1人が審判で、スタートフラッグを振ってスタートの合図。もう1人が、スタートの合図で、クルマの前で支えているストッパー(ベニア板のスロープの下から生えていて、レバーと連動)を外す。その瞬間、クルマが2台同時に、自重でスロープを加速しながら下って行く。その後、スロープから地面に移る瞬間「ガタン」となり、今度は地面を惰性のまま進んで行き、5mくらい先の小さな2本のパイロンで決められたゴール(幅で決められている)まで、どちらが速く真っ直ぐに辿り着けるか、を競っているのが理解できた。
なるほど、クルマには動力やブレーキ、ステアするものは何もなく、ただスロープの途中からの位置エネルギーをその後、運動エネルギーに変えて走らせている様だ。見ていて、重量やタイヤサイズ、タイヤの転がり抵抗力、左右のタイヤを繋いでいるシャフトの摺動抵抗力、タイヤのアライメント、スロープから地面に変わる場所でのバウンドの仕方・衝撃の受け方、などが大きく影響している様に思えた。
また、真っ直ぐ走らないとゴールにたどり着けないのと、真っ直ぐ走っても、クルマの惰性が弱いとゴールラインに届かない、など、手作りだが、物理的に原理原則的に考える必要があり、なかなか奥が深いレースである。何よりもMGオーナーの「いいお歳?」の大人達が子供の様に、真剣に遊んでいる姿を見て、「この様な良い世界が有るんだ」といい意味で驚いた。
通常のクラッシックカーのイベントは、実車が主役であるが、今回の様な「手作りのクルマの競争」を初めて見たので、今回「私が一番記事に残したい」、と思った理由がこれである。正に文化だと。とにかく、皆さんが笑顔と真剣な表情で「子供の様に」楽しんでいる様子が、とても印象的であった。そしてMGカークラブなので、やはりスタートフラッグは「ユニオンジャック」。ちなみに各車の「ロッカー カバー カー」のゼッケン番号は、他と重ならない様に、オーナー毎に付与されているそうだ。








「ロッカー カバー カー レース」の歴史
「ロッカー カバー カー レース」のルーツについて、後日Oさんに伺い、「神戸MGカークラブ」のWEB内の「ロッカー カバー カー レース」に歴史やレギュレーションが掲載されていたので、その内容を一部紹介したい。(以下は「神戸MGカークラブ」のWEB内の「ロッカー カバー カー レース」を参照)
日本での「ロッカー カバー カー レース」は、「神戸MGカークラブ」のMG TDのオーナーのNさんが、1998年からレース開催を提唱され、2000年の「Meet the MG」のイベントで、日本で最初に開催された。
名前の由来の「ロッカー カバー」とは、MG大国のイギリスでは「Rocker Cover」、アメリカでは「Valve Cover」といわれている、エンジン上部のタペット カバー(ロッカー カバー)のことである。これを利用して、 ロッカー カバー自体をクルマのボディに見立てて、レーシングカー風に仕上げ、傾斜で作ったスロープを利用して競われるレースである。
当時のレースのレギュレーションは「ルール等、車の仕様等は、全く不明で、ただ米国の「New England MG T Register(ニューイングランドMG Tシリーズ登録協会)」が発表している、ホイールベース 14インチ(35.5cm)以内、ホイール6インチ(15.3cm)以内とされているのが手がかりで、それ以外は不明である」、とある。
どうやら、日本よりも先に、米国のMGクラブがレギュレーションを作り、レースを楽しんでいた様である。

