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【偽物?】オークションに出品されたカルトTVシリーズ『私立探偵マグナム』のフェラーリ308 GTSが偽物ではないのかという噂が飛び交っている

2026年4月29日

なぜ走行距離が記載された写真が届かないのだろうか?

「バレット ジャクソン」のウェブサイトに掲載されている写真は解像度が非常に低く、オークション会社の透かしが入っている。読者の皆様により高品質な写真をお届けするため、最初のメール(上記参照)にて、透かしのない高解像度の写真も注文した。

すると、さらに不審なことが起こった。広報担当副社長は、我々が注文したすべての写真(およびそれ以上の数)を、要望通り高解像度で送ってくれたが、その中にはウェブサイトに掲載されているものと同じ低解像度のものもあった。その中には:
• 走行距離計とトリップメーターが読み取れるかもしれないコックピットの写真(ダッシュボードも写っている)、
• エンジンルーム内のプレートが写ったエンジンの写真、
• そしてドアを開けた状態のフロントシートの写真(Aピラーにある型式プレートも写っている)が含まれていた。

このバレット ジャクソンの写真には、明るい色のシートだけでなく、Bピラーにある型式プレートも写っている。そこにはシャシー番号が記載されている(丸で囲んだ個所)。解像度が低いため、番号ははっきりとは見えない。
Photo: Barrett-Jackson

メーター類を比較的大きく写した、我々が依頼した画像を、「バレット ジャクソン」の広報担当者は、依頼したにもかかわらず、全く送ってこなかった。

シャシー番号28251のマグナム フェラーリは1台か、それとも2台存在するのか?

シャシー番号「28251」が同じマグナム フェラーリが2台存在するという、我々の調査結果に対し、フェラーリ専門家のマルセル マッシーニ氏は驚きを隠せない。バレット ジャクソン社は2台存在することを否定している(上記参照)。

それが事実なのか、どちらが偽物でどちらが本物の「マグナム フェラーリ」なのか、あるいはそもそもどちらかが本物なのか – 現時点では、『AUTO BILD』としても断言できない。

なぜフェラーリを偽造するのだろうか?

フェラーリ308 GTSは、テレビシリーズ『マグナム』のクールなイメージを大いに盛り上げた。アメリカ版のオリジナルタイトルは『Magnum, P.I.』で、この略称は「private investigator(私立探偵)」を意味している。
Photo: picture alliance / Mary Evans/AF Archive/Universal

テレビ出演歴や著名な前所有者がいない通常の「フェラーリ308 GTS」は、ドイツでは約6万ユーロ(約1,140万円)の価値がある。この相場を挙げているのは、鑑定機関「Classic Data」の代表取締役マリウス ブルーネ氏だ。

オリジナルの「マグナム フェラーリ」は、その価値がはるかに高い。これは「bringatrailer.com」でのオークション結果からも明らかだ。2025年に同サイトでオリジナルのテレビ出演車として競売にかけられた1台は、11万5,000米ドル(約1,900万円)で落札された。

つまり、偽造業者は車体や書類にわずかな手を加えるだけで、「フェラーリ308 GTS」の価値を約4万ユーロ(約760万円)引き上げることができる。必要なのは、書類を偽造し、シャシー番号を交換し、運転席の問題に対処することだけだ。

テレビシリーズの主要キャスト:ジョン ヒラーマン(ジョナサン クエイル ヒギンズ3世役)、トム セレック(トーマス サリバン マグナム4世役)、ラリー マネッティ(リック ライト役)、ロジャー E モズリー(セオドア カルヴィン、通称T.C.役)
Photo: picture alliance / Everett Collection

なぜ『マグナム』のフェラーリはドライバーズシートが改造されていたのか?

『マグナム』の主演俳優トム セレック(Tom Selleck)は、身長約193センチメートルだった。映画で使用された「フェラーリ308 GTS」では、セレックの長い脚が3本スポークのステアリングホイールの下に収まるよう、シートクッションを平らにし、運転席を可能な限り後方に設置した – バレット ジャクソンのオークション誌を含む複数の情報源がそう伝えている。

バレット ジャクソンは、同社の「フェラーリ308」について、運転席は当時と同じ改造が施されたままであるとしている。一方、「bringatrailer.com」でユーザー名「mcqueens」として、別のフェラーリをオークションに出品した販売業者は、シートは工場出荷時の状態に戻されていると述べている。その状態では、シートはベージュではなく黒の張地となっている。

bringatrailer.comの掲載情報にある、黒のシート。
Photo: mcqueens auf bringatrailer.com

改造後も、トム セレックの黒くカールした髪やデトロイト タイガースの野球帽が、たいていは開いたルーフからタルガバーを越えて覗いていた。

そのため、私立探偵トーマス マグナムにとっては、オープンタイプの「GTS」しか選択肢になかった。クローズドタイプのクーペは「グラン ツーリスモ ベルリネッタ(GTB)」と呼ばれ、取り外し可能なタルガルーフを備えたこのモデルは「グラン ツーリスモ スパイダー(GTS)」と呼ばれる。

マグナムのフェラーリ308 GTSは1台だけなのか?

答えはノーである。使用された「フェラーリ308」の正確な台数については諸説あるが、現在のオークションや市場の情報源によると、シリーズを通じて合計約15台が使用されたとされる。F-Registerのマティアス アーバンは、正確に9台を挙げており、それぞれについてシャシー番号を把握している。

これには、この車両のようなキャブレター仕様の初期モデルだけでなく、1981年式の燃料噴射装置を搭載した「フェラーリ308 GTSi」や、1984年式の「308 GTSiクアトロヴァルヴォーレ」も含まれる。

ドラマの中で、トーマス マグナムはなぜ次々と新しい車に乗り換えていたのか?

キャブレター仕様の「308」から「フェラーリ308 GTSi」への切り替えは、ドラマの中で何事もなく行われたわけではない。むしろその逆で、シーズン3の第1話では、「308 GTS」が爆弾で吹き飛ばされた。幸いなことに、本物のフェラーリではなくレプリカだったようだ。

コメント:
少なくともキーンレ スキャンダル以降、この業界のプロであれば誰もが理解しているはずだ。特定の特徴によって通常よりも高値で売れる車は、必ずと言っていいほど偽造業者を引き寄せる。そのため今日では、購入者は当然のことながらより慎重になり、車両の真正性を証明する資料を求めるようになっている。

テレビシリーズ「マグナム(Magnum, P.I.)」でTom Selleckが実際に走らせたFerrari 308 GTSは、単なる「308 GTS」とは比べものにならないほど高い価値を持つ。資料の閲覧を求めても応じない、あるいは走行距離の確認すらしないという対応は、控えめに言っても—失礼ながらバレット ジャクソン(Barrett-Jackson)—プロフェッショナルとは言えない。特にこのような車両においてはなおさらだ。
それとも、意図的なものなのだろうか。引き続き注視していきたい。

Text: Frank B. Meyer