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【偽物?】オークションに出品されたカルトTVシリーズ『私立探偵マグナム』のフェラーリ308 GTSが偽物ではないのかという噂が飛び交っている

2026年4月29日

オークションハウス「バレット ジャクソン」が、テレビのカルトシリーズ、『私立探偵マグナム(Magnum, P.I.)』に登場したとされる、このフェラーリ308 GTSを出品した – 本物の「私立探偵マグナム」カーなのか、それとも偽物なのか?

オープニングシーンだけでも圧巻だ。フロント、リア、発進時の轟く排気音、すべてが次々と繰り広げられる。そしてマグナムがニヤリと笑いながらアクセルを踏み込むと、フェラーリはタイヤを空転させながら中央分離帯を突き抜け、ドリフトしながら道路へと飛び出す。マグナムがシフトアップし、タコメーターの針が6,000回転に近づき、クロモドラのアルミホイールが回転し、フェラーリが丘を越えてこちらに向かってくる・・・

オープニングシーンが撮影された当時、マグナムのフェラーリにはまだハワイのナンバープレート「56E-478」が付けられていた。
Photo: Glen A. Larson Productions / Universal Television

ちょっと待って!1980年から1988年にかけて放送された名作ドラマ『私立探偵マグナム』は素晴らしい作品だったが、今まさに所有者が変わるという噂の「マグナム フェラーリ」については、我々も疑念を抱かざるを得ない。誰かが情報を隠そうとしているのだろうか?オークションに出品されているこの「308 GTS」は、本当にトム セレック(別名トーマス マグナム)がドラマで運転していた本物の「マグナム フェラーリ」なのだろうか?結局のところ、同じシャシー番号を持つ車両が2台存在することになるのだろうか?

トム セレック主演で、さまざまなフェラーリ308が登場するテレビシリーズ『私立探偵マグナム』は、1980年から1988年まで米国のCBSで放送された。
Photo: Picture-Alliance / Photoshot

かつてのトム セレックのように、探偵ごっこをしてみようではないか。これだけは明かしておこう:これはミステリーになる。

フェラーリ308 GTSがフロリダでオークションに出品

オークションハウス、「バレット ジャクソン(Barrett-Jackson)」は、この写真にある赤いキャブレター仕様の「308」を、2026年4月18日にパームビーチ(米国フロリダ州)で開催されたオークションに出品した。

バレット ジャクソンは広告の見出しにこのテレビシリーズの名前を記載している。走行距離、整備状態、所有歴および整備履歴についてオンライン広告、オークション誌でも公表しておらず、『AUTO BILD』誌からの問い合わせに対しても返答していない。
Photo: Barrett-Jackson

「バレット ジャクソン」は出品説明文で次のように記している。「フェラーリの歴史家マルセル マッシーニやF-レジスターからの書簡を含む資料により、この車は『マグナムP.I.』のパイロットエピソード、『Don’t Eat the Snow in Hawaii』およびCBSシリーズ第1シーズンの初期撮影で使用された初期の車両の一つであることが確認されている。」

以上が「バレット ジャクソン」の主張である。

このフェラーリ308 GTSは、本物の『私立探偵マグナム』の車なのだろうか?

米国仕様モデルは、とりわけマフラーのエンドパイプを囲むカバーから判別できる。シリーズに登場するフェラーリ 308 GTSは通常「ROBIN 1」というナンバープレートを装着していた。これは邸宅とフェラーリの所有者が作家のRobin Mastersであるためだ。
Photo: Barrett-Jackson

我々はバレット ジャクソン社にメールで、これらの書類を閲覧させてほしいと問い合わせた。というのも、いわゆる「テレビ出演車」の真正性を裏付ける証拠を確認したいからだ。

広報担当副社長からは、我々が求めていた写真へのリンクが送られてきたが、その車に関するテレビ出演歴の資料は含まれていなかった。広報担当者は、我々の問い合わせのこの部分を無視したのだ。

2度目の問い合わせに対しても、彼からは何の返答もなかった。彼が提供できるのは、出品ページへのリンクだけだとのことだ。

F-Registerのフェラーリ専門家は何を言っているのか?

我々は、フェラーリのシャシー番号の専門家であるマティアス アーバン氏(ゾーリンゲン在住、『フェラーリ シリアルナンバーハンドブック』の著者、ウェブサイトf-register.comの運営者)に取材した。

彼によれば、広告に掲載されている車のシャシー番号は「28251」で終わっているという。これは、制作会社が『マグナム』で使用したと思われる9台の「フェラーリ308」のうちの1台と同じ番号だ。

問い合わせたところ、「バレット ジャクソン」は、彼らが車番「28251」の車両を出品していることを確認した。

では、これは『マグナム』のオリジナル フェラーリなのだろうか?我々は依然として疑念を抱き、入手可能な「フェラーリ28251」の写真と、「バレット ジャクソン」の広告掲載写真を照合してみた。

2007年の写真には、金色のクロススポークホイールとカリフォルニア州のナンバープレートを付けた「フェラーリ308 GTS」が写っている。また、2013年の写真には、銀色のクロススポークホイールとバージニア州のナンバープレートを付けた「フェラーリ308 GTS」が写っている。さらに、2016年の写真には、ここにあるような純正ホイールが装着されている。

さらに興味深いことに、ノースカロライナ州グリーンズボロのGAA Classic Cars社は、2026年2月に、シャシー番号「28251」の「フェラーリ308 GTS」をオークションにかけようとしていたのだ。

GAA Classic Carsによる出品情報。当時のフェラーリの走行距離は5桁の数字で、93,108マイル(149,900km)だった。最高入札額は12万米ドル(約1,968万円)だったが、どうやら最低落札価格に達しなかったため、落札には至らなかったようだ。
Photo: GAA Classic Cars

「バレット ジャクソン」が広告に使用している写真は、GAAの広告のものと同様だ。ここだけでも82枚の低解像度写真があるが、その中にはシャシー番号を読み取れるものは1枚もない。

同じフェラーリ?コックピットが異なる?

おそらく決定的な発見となるのが、「bringatrailer.com」の広告だ。そこでは、このフェラーリが2025年3月3日に競売にかけられていた。この広告には212枚の写真が掲載されており、そのうちのいくつかはシャシー番号「28251」を写している。

最も重要な写真はコックピットの写真だ: 「bringatrailer.com」で競売にかけられたフェラーリでは、ダッシュボードの通気口下部の中央に、短く幅の広いひび割れがある。「バレット ジャクソン」が競売にかけるフェラーリでも、この部分の表面は同様に異常が見られるが、「bringatrailer.com」の車両とは異なり、広範囲に膨れ上がっている。また、幅の広いひび割れは確認できない。

オークションサイト「bringatrailer.com」に掲載されたフェラーリのコックピット:ダッシュボードにひび割れ(丸で囲んだ箇所)。
Photo: mcqueens auf bringatrailer.com
バレット ジャクソン競売会場に展示されたフェラーリのコックピット:膨らんだダッシュボード(丸で囲んだ部分)。
Photo: Barrett-Jackson

ここでは、2台の異なる車が同一の車として出品されているのだろうか?

我々はこの相違点について「バレット ジャクソン」に質問した。広報担当副社長は次のように回答している。「これは以前『Bring a Trailer』で出品されていたのと同じ車両です。ただし、所有者がその後、インテリアを正しいベージュ色に戻しました。」

所有者は、ある粗悪なダッシュボードを別の粗悪なダッシュボードと交換したのだろうか?それはあまり説得力がないように思える。

我々はオークションハウスGAAにメールで問い合わせた。これで改造されたオリジナル車という説が裏付けられるのだろうか?2026年4月15日の編集締め切り時点まで、GAAからは回答がなかった。

そして、スイスのフォルケッツヴィル在住のフェラーリ専門家、マルセル マッシーニ氏の名前が記載された文書の一部の写真を見つけた。そこには英語で次のように書かれている。「ナンバー28251の別の308 GTSが、eBayを通じて米国のフランク レンド氏に売却された。」 もう1台?つまり2台あるということか?これについてマルセル マッシーニに問い合わせたところ、彼は次のように説明した。「その『注記』は、当時の2022年のリストには記載されていなかった別の車両も使用されていたことを意味しています。つまり28251番の車両です。同じ28251番の車両が2台存在したという意味ではありません!」

出所不明のこの文書には、次のように記されている。「ナンバー28251の別の308 GTSが、eBayを通じて米国のフランク レンド氏に売却された。」
Photo: GAA Classic Cars