アプリ売りのオジさん彷徨記 Vol.49「東京モーターサイクルショー編」
2025年4月16日

輸入車ブランドはちょっと減ったけど…
3月末の週末、クライアントは年度末で忙しいこともあってお邪魔もできず、モーターサイクルショーの情報を目にした時にプレスとして訪問を決定。さっそく事務局に申請をしたら、いまどきはオンラインで済むからわりと簡単に通って、無事モーターサイクルショーの偵察です。もちろん、現場に知った方でもいれば、仕事にもなりますしね。

入場して近場から攻めると、まず目に留まったのがこちら、BMW Motorrad。前から気になっていたR-12 nineT、珍しく真っ赤ないでたちのボディが目立ちます。ワタシはネイキッドタイプが好物なので、小さいカウリング付きR12Sもイイけど、どちらか選択肢があるならこちらに軍配が上がるかも。Sのシングルシートスタイルも良いから、どちらも捨てがたいけどね。とにかくボクサーエンジンは、一度ツーリングで乗ってみたい1台に間違いなし。試乗車を借りれないかどうか、聞いてみようかなあ。

続いて、いつも大きなブースを出しているハーレーダビッドソン。ゆったり乗れるツーリングタイプがメインだけど、こいつ“SPORTSTER S”は、街中で見かけた時から気になっていた存在。なにせぶっといタイヤが主張していて、ドラッグレーサーみたいな太さ。直線番長かもしれないけど、一度は転がしてみたい1台ですなぁ。ただし、自分のバイクで経験済みだけど、右足の火傷リスクが高そうだ。エンジンは液冷式とあるけど、空冷エンジンと熱量の差が気になります。それは跨らないとね。


次のブースはトライアンフ。以前トライアンフに勤務していた先輩が二人いた関係で、一度3気筒660ccの中型DAYTONAを1日乗せてもらったが、やっぱりバーチカルツインのこいつ“SPEED TWIN 1200RS”がワタシの選択かなあ。以前はスラスクトンという同じ2気筒1,200CCエンジンを積んだスポーティーモデルがあり好みだったけど、残念ながら廃版になってしまったから中古車しか残っていない。次のツーリングの時、もしこのエンジンのバイクだったら、ちょびっと跨らせてもらおうっと。

数年前から輸入が始まったMUTT(マット)。中型免許で乗れる排気量がメインなこともあるからか、わりと若めのお客さんが見入っていたのが印象的。シングルの250㏄は、大昔、ホンダRSZを乗っていたけど、街中を乗り回すのにはうってつけで、車検も必要ないからお手軽な一台。もちろん高速も乗れるし、速度も十分早いから、ビギナーのみでなく、ベテランも跨る人は多いクラス。その辺りを攻めるのも、マーケティング的にはアリなのだろう。積極的にいじれるバイクとして、人気が上がっている1台。


今回のショーで一番かわいいと思ったのがこいつ、ロイヤルエンフィールドNew GOAN CLASSIC 350 (ゴアンクラシック)。リリースを見ると限定車ではなく、昨年インドで発表されたけど日本未発売なだけ。カラーリングといいスタイルといい、アパレル系の人達とか、好んで乗りそうだ。中型免許で乗れるし、ちょっとした所までなら気軽に乗っていけそうだから、街中から郊外までオシャレに乗りたい人向けか。クラシカルなデザインが売りのメーカーだけに、これを入れたら売れそうだなあ、と思える1台。しかもディーラーネットワークが拡大中だから、殆どのエリアをカバーしているのも強みでしょ。

これはインディアンが展示していた、本物のクラシックバイク。 1800年代末の創業だし、アメリカで初めてモーターサイクルを製造し始めたメーカーであることは、意外と一般には知られていないのかも。ハーレー同様にV型2気筒のエンジンのみで、クルーザータイプ中心だけど、前から気になるのはFTRという、フラットトラッカータイプ。アメリカ特有の、オーバルサーキットをドリフトしながら競い合うレースに使うバイクをモチーフにしているから、けっこうネイキッドタイプのデザイン。一昨年Vol15の記事で名古屋郊外の「オートプラネット」を取材した際も、FTRには見入ってしまいましたね。

続いてホンダのブースに飾ってあったのが、V型3気筒エンジンのバイク。直列なら奇数気筒エンジンは経験あるけど、V型で振動対策はどうしているのだろう。エンジン音はどんな音になるか、気になる1台。大昔、楕円形のピストンを使ったエンジンを作り、レースも出たし市販車も出したりしていたけど、やはりホンダは革新的なエンジンを作ってこそと思うのは、十二分にオッさんのワタシだけだろうか?


オジさんには懐かしい、2サイクルのRZ350(250)を彷彿させる1台がこれ、XSR900。カウリングはかなり似ていて、タンクの形状もクリソツと思える。エンジンは4ストロークで3気筒900CCだから、2サイクル2気筒のRZとは比較にならないけど、シャシーも最新のデザインだし、性能は十二分なのだろう。この3気筒のネイキッドタイプも、一度は跨りたい1台です。

希少なモデルを世に出していたビモータも、今はカワサキの1ブランド。カワサキブースに展示されていたこれは、当然だけどカワサキのエンジンを積んだKB998。マフラーもカッケーなあ。
ビモータの車名は、ご存じの方も多いだろうけど、KはKawasakiのKで、BがBimota、つまりカワサキ製エンジンを積んだビモータということです。昔はHもYもDさえもあったけど、今後はKのみなのだろうか。


オーリンズは今や、スポーツ系の定番アイテム。ていうか2輪も4輪も、競技用車両の大半が使っているのではないだろうか。バイクのサスをチューンナップする場合も、オーリンズ指名が多そうな感じは、中古車サイトの車両概要説明からも窺える。ワタシも、お尻で違いを感じたい。

バイク業界のレジェンド、ネモケンこと根本さん。
高齢になってもバイク愛は変わらず、新しいメディアとYouTubeでも情報発信されている。熱心な信奉者を前に座り込み、車座になって、なにやらお話しされているところをパチリ。
ちょうどコロナが始まった当初、更新を忘れて失効した二輪免許を取り直したが、ワタシと同世代の受講生が多かった記憶がある。しかも、女性ライダーが結構いたのは印象的な記憶。リターンライダーとしてでも、老若男女が楽しめるバイクは良い趣味だろうし、一時はユーズドバイクのマーケットプライスが上がりましたね。旧車が人気なのは4輪だけでなく2輪もで、40代後半以降の好きな人たちが、むかし憧れたバイクに乗りたいのは容易に想像できる。4輪の限られた一部の値段高騰は、どちらかと言うと投資の意味合いが強そうで、特定のスポーツカーは買ってもあまり乗らず、数年で手放したらお釣りが来るそうだ。それはそれで、乗り物を手に入れたら乗る派としては、なんだかなぁ、と思うのはワタシだけ?
Text&Photo:ナカタ ヒロユキ
【筆者の紹介】
ナカタ ヒロユキ
少年の頃から乗りモノ好きで、輸入車のセールスとしてキャリアをスタートし、インポーターでは法人営業や中古車を含め、様々な営業関係のマーケティングを経験。その後ドイツ系の会社で、業務支援アプリを全国の自動車ディーラーを中心に営業中。ほぼ毎週どこかへ出没するが、時には愛機Buellに跨ったり、料理を楽しんでいる。