【イベントレポート】チューンドR35GT-Rがタイムアタック「TOYO TIRES presents CLUB RH9 鈴鹿サーキット走行会」
2024年12月14日

今回が2回目となる「PROXES R888R D」ワンメイクタイヤによるタイムアタック。TOYO TIRES プロクセス担当マネージャーである城島氏に話を伺うと、品名の”D”はDriftに由来しているが、いわゆる”Sタイヤ”ではなく、競技用の特性に沿ったスペシャルコンパウンドを採用したラジアルタイヤに位置づけられていると語る。
サーキットまで自走し、スポーツ走行を楽しんだあとにそのまま帰宅可能であり、その後も街乗りとして使用可能とのことだ。また、D1GPをはじめとするドリフト競技で鍛えられたタイヤでありながら、R35GT-Rに求められる縦方向のグリップにも性能を発揮するそうだ。

トレッドパターンにもこだわり、特徴的な左右非対称パターンを採用。アウト側の大ブロックエリアがコーナリング性の向上と横方向のグリップに寄与する。また、タイヤセンターのワイドリブが安定したステアリングレスポンスを実現。さらにイン側のハイグリップコンパウンドが優れたコーナリング特性や、サーキット走行時の優れたグリップに寄与しているという。見た目のカッコ良さから、JDMがブームの北米ではドレスアップアイテムとしても人気が高いそうだ。

サイズも255/40ZR17から今回R35GT-Rが装着する285/35ZR20まで用意されているので、GT-Rオーナーはもちろんのこと、トヨタ GR86やホンダ シビック タイプR(FL5)オーナー、そして若い世代のクルマ好きの方たちにもこのタイヤの魅力を知っていただきたいとのことだ。
まとめ:ワンメイクタイヤによるタイムアタックで得られたノウハウは、ユーザーへ確実にフィードバックされる

CLUB RH9デモカー・R35クラスの総合結果、トップ3は以下のとおり。
・1位:2’05.246:フェニックスパワー(1)/堤 優威選手

・2位:2’06.903:ウイングタケオ/藤波清斗選手

・3位:2’07.096:ウエストスポーツ/山田英二選手

CLUB RH9のメンバーであるチューナー/ショップがラップタイムを競い合うことで、最速タイムが更新していくメリットはおおいにある。しかし、ラップタイムの結果に注力するあまり、多くのユーザーが求めるチューニングとかけ離れた仕様になってしまっては本末転倒だ。

CLUB RH9が有するR35GT-Rのデモカーのタイヤを「PROXES R888R D」に統一して今回がまだ2レース目だ。しかも、鈴鹿サーキットのようなハイスピードコースは今回が初となる。しかもタイムアタックは午前と午後1周ずつ。各チューナー/ショップはもちろん、プロドライバーもまだまだ手探りの状態だ。

今後、このタイヤの特性を活かした開発やセッティングが熟成は進むにつれて、現時点よりさらにラップタイムを縮めることは比較的容易だろう。そしてそのノウハウはユーザーにも確実にフィードバックされ、R35GT-Rのチューニングにおけるひとつの指針となるはずだ。

CLUB RH9の各チューナー/ショップとTOYO TIRESがタッグを組み、ユーザーの立場に配慮した取り組みはまだはじまったばかり。今回のラップタイムも、チューンドR35GT-Rと「PROXES R888R D」のポテンシャルがまだ存分に発揮されておらず、今後の伸びしろに期待が高まる。2025年も、両者の活動と動向に注目していきたい。

Photo/Text:Toru Matsumura(Kizunanote)