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【次期ゲレンデヴァーゲンはこうなる】来年夏にフェイスリフトする「メルセデス Gクラス」をテストドライブ

2023年11月14日

伝説はつづく: Gクラスのフェイスリフトモデルに独占試乗。メルセデス・ベンツはクラシックGクラスを見捨てたのか?そんなことはない!2024年夏にフェイスリフトが実施されるGクラスをちょっぴりメタボなトーマス ガイガーがテストする。メルセデスAMGの開発ドライバーのオフロードフルスロットル動画は必見!進化したシャシーの動きも撮影に成功!

恐ろしくなるほどの怒号。それがカラフルなカモフラージュフィルムに覆われた「メルセデスGクラス」から発せられるという事実は、むしろ安心感を与えてくれる。少なくとも、グラーツの永遠の広場のファンにとっては・・・。

「EQG」、「ベビーG」の発表に続いて「Gクラス」の早すぎる終焉のお告げがあるのではないか?しかし、それらの心配はすべてこの轟音で解消される。なぜなら、この大音量のプロトタイプは、メルセデスが決して古典的な「Gクラス」を切り捨てるわけではなく、逆に、40年以上にわたって製造され、現在までに100万台以上製造されている古典的な「Gクラス」をさらに発展させたことを証明しているからだ。

メルセデスGクラスの顔だけが、2024年から少し柔らかくなる

だからこそ、我々はじっくりと観察する: プロトタイプのカモフラージュの下でさえ、「Gクラス」はその多くの荒削りなエッジのいくつかを失い、その結果、電気自動車モデルの効率化対策が採用されていることが目立つ。もちろん、そのエッジには8気筒エンジンの典型的なサウンドも含まれている。

そう、「G 500」では、V8は間もなくマイルドハイブリッド化された直列6気筒に道を譲らなければならないのだ。

鏡よ、鏡・・・。Gモデルが美しいか不格好かは、好みによるが、確かなことは「Gクラス」の伝説は世界中の誰もが一般的に認識しているということである。

AMGの「63シリーズ」の略称がどんどん4気筒や6気筒のプラグインハイブリッドに置き換えられている一方で、「G63」は依然として4リッターV8であり、その任務のために最適化さえされている。585馬力と850Nmというパワーに大きな不足があったわけではない。しかし現在では、48ボルトのジェネレーターを組み合わせて、この巨大なエンジンがスロットルでよりよくハングアップすることを保証している。

エンジンを改良すれば、もう少しパワーを引き出すことができるだろう。みんな、45馬力プラスでどうだ?63つながりで630馬力にするというのはいいアイデアだろう。ついでにトルクも4桁になるはずだ。

メルセデスAMG G 63は、燃えるようなAMGサウンドを轟かす

しかし、パワートレインの変更は、メルセデスが当面の間、「G 63」のアクスルだけに施そうとしていることに比べれば、ほんの小さなものに過ぎない。5年前にフロントのリジッドアクスルを取り払い、アジャスタブルダンパーを備えた独立懸架式サスペンションに交換したメルセデスは、次のステップに進んでいる。スタビライザーの代わりに、セントラル油圧システムが採用され、2つの独立したバルブで伸側と圧側を、ホイールごとに制御できる。

メルセデスGクラスのよく知られた人気のあるボクシーなフォルムは、W463になってカドが丸くなったところがあるが、オリジナルのシルエットは2024年半ばのフェイスリフトでも変わらない。

ステアリング、全輪駆動制御、スタビリティコントロール、ドライビングダイナミクスコントロールがこれまで以上に連動しているため、集中制御のエレクトロニクスがコンマ何秒という単位でそれぞれの状況に合わせてシステムを調整する。つまり、トラクションを最適化できるだけでなく、ボディロールもほぼ正確に調整できる。このシステムにより、更なる快適な乗り心地を提供するというわけだ。

Gクラスのオフロード性能はフェイスリフトでも健在

もちろん、舗装路での寛容さと平静さをもう少し高めても、「G 63」に支障はない。だから、石畳の上を走るのが気が引けるなんてことはない。少なくとも「コンフォート」モードでは。その逆に、「スポーツプラス」モードで、遠心力に果敢に抵抗しながらカーブを直立姿勢で駆け抜けていくのが快感になる。突然、ハイシートに座っているような感覚はなくなり、路面との距離が異常に近くなり、クルマとアスファルトの結びつきがますます強くなる。

水を得た魚。これがGクラス本来の姿だ!

大通りからモーグルトラックに乗り換えると、その体験はまったく新しいものになる。というのも、これまではラダーフレームにリジッドアクスルのサスペンションシステムが「G」のコーナリングを司っていたが、キネティックサスペンションはここでも役立っている。トーションバーがなくなったため、各ホイールの接地力とトラクションを個別に制御、調整、最適化することができる、と開発者は説明する。

それを証明するために、AMGの開発ドライバーは、助手席に座る私の頭がクラクラするほどフルスロットルで露天掘り鉱山のラフロードを走らせた。そう、垂直方向の加振はゼロに近く、ホイールローダーによって削られた軌道上の「G」は、まるでアスファルトを敷き詰めたばかりのところを走ってようだ。しかし、横方向の力は私をシートベルトに投げつける。

Gクラスでのオフロードは、常にユニークな体験だ

その一方で、開発ドライバーの目元には、笑いジワが刻まれている。明らかに「G」とのタイトなダンスを楽しんでいるのがわかる。「サンド」モードでは、ロール角とドリフト角を個別に微調整することが可能だ。

確かに、「G 63」は、電動モデルで人気のGターンには及ばない。Gターンは、逆回転するモーターで戦車のようにその場で旋回し、砂塵の中に消えるまで走り続けることができる。ちょっとしたショーとしては悪くないが、吹き飛ぶ泥や砂利、8気筒の雄叫びにはかなわない。

滑らかになったボディ、パワーアップしつつ効率化されたエンジン、雰囲気や装備のための少しばかり華やかで魅力的なものでアップデートされる。そして何よりも、もはや一切の妥協を許さないシャシー。一見しただけではほとんどわからないとしても、それは過去50年以上にわたってたびたびそうであったように、メルセデスは多くのアップデートを施した。社内では、新型「G」をまったく新しいクルマとみなしているほどだ。「W463」シリーズは「W465」になる。

カモフラージュフィルムに覆われているが、左右2本出しのマフラーが「G63」の証だ!

結論:
そうだ、「G」だ!もうすぐ50歳になるが、少しもおとなしくはない。この物語にはいくつかのメッセージが込められている。そして、新しいシャシーは印象的かもしれないが、それは最も重要なものではない。本当に重要なのは、メルセデスがまだ「Gクラス」の開発に取り組んでいるという事実であり、「EQG」と、「ベビーG」として、その周りを這い回ることになるおもちゃが出ようとも、伝説を完全に犠牲にしていないという事実なのだ。

Text: Thomas Geiger
Photo: Mercedes-Benz