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【インプレッション】アウディコンパクトSUV最強モデル RS Q3スポーツバック

2020年5月6日

アウディRS Q3スポーツバック: 初試乗テスト 評価は?

RS Q3スポーツバックでロックンロールしよう! 最新のキュートなロックのヒットソングは、アウディRS Q3スポーツバックと呼ばれている。地獄のような高性能を発揮し、天国のようなドライビングが楽しめる。われわれの初試乗テストが示すように。

アウディの新しいRS Q3スポーツバックは、400馬力の超パワフルでスポーティなコンパクトSUVだ。もちろん4つのホイールを駆動し、5つのシリンダーで400馬力という出力。新型アウディRS Q3スポーツバックは間違いなく、簡単には忘れることのできない感動的なドライビングを楽しめるマシンだ。

5気筒400馬力がRS Q3スポーツバックをロケットに

RS Q3のエンジンは、本質的には我々が今までに体験してきたRS3やTT RSと同じパワーユニットだ。それは単にそのユニットが作るパワーの量だけではなく、そのパワーを作る方法を意味する。
つまりRS Q3には、退屈なターボ4気筒の代わりに、鼓膜と触感を通してニヤリとさせる2.5リッター直列5気筒エンジンが搭載されているのだ。特殊なフィルターが追加されたことで、実際には以前のバージョンよりも若干伸びやかなサウンドではないものの、それでも備わったキャラクターが、鳥肌が立つほどに炸裂する。
パワーは旧モデルから60馬力以上アップしており、480Nmのトルクピークは1950rpmから7000rpmという広いレンジで得られ、回転数が何回転であっても、猛烈な加速が可能となる。
そして、400馬力によって4輪すべてを躍動させるときには、思わず喜びの声をあげたくなる。
0~100km/hは4.5秒で加速。通常は250km/hで自主規制されている最高速度も1500ユーロ(約18万円)を払えば、280km/hにまでアップさせることができる
(ちょっとなんだかずるい気もするが、ドイツに住んでいれば、1500ユーロ払うかもしれない)。

応答性の高いDSGは常に迅速にダウンシフトするため、ダイナミックモードで手動に切り替えた場合、2000回転未満ではターボラグが発生する。しかしそこから7000回転まで480Nmという最大トルクが長く活用できるようになっている。

コーナリングの素晴らしさ

RS Q3のコーナリングは教科書的なアウディ(R8を除く)そのものだ。グリップの塊、迅速だがわずかにデッドなステアリング、素晴らしいブレーキ。曲がりくねった道を高速で下るのは文句なく楽しい。しかし残念ながら、ステアリングと乗り心地がはるかに上回るポルシェ マカンほどには、いずれも洗練されていない。

RS3ホットハッチブラザーと非常によく似たサウンド

RS Q3は優れたホットハッチのように感じられ、素敵なインテリアとともにとても魅力的だ。BMWやメルセデスも同様のキャラクターを備えたモデルを作っているが、どちらもRSの5気筒のようなカリスマ的なエンジンは持っていないからだ。

ハードなスポーツセッティングに加えて、調整可能なシャシー(980ユーロ=12万円弱)は、ソフトな快適性をも提供する。

他に知っておくべきことは?

後部座席はかなりタイトだ。背の高い大人が後ろで長い旅に耐えることは困難だ。
一方で、シートを上げた状態でのトランクの容量は530リットルと余裕がある。さらにリアシートを倒せば、1400リットルもの巨大なラゲッジスペースが生じる。
燃費は8.5km/ℓ。高性能を考えれば納得いく数値であろう。
価格は65,000ユーロ(約780万円)からで、VIPラウンジを備えた(内装、外装、オプションてんこ盛りの)最高級バージョンは90,000ユーロ(約1080万円)もする。

結論
RS Q3は、間違いなく巨大なドライビングプレジャーを提供してくれる。
しかし、このマルチタレントパワーSUVには、タイアやブレーキ、そしてオイルをはじめとする消耗パーツなどに、それなりのコストがかかることだけは覚悟しておいたほうがいい。そもそも高性能な自動車というのはそういうものなのだから。
AUTO BILDテストスコア: 2

フロントでは、体型に合わせて調整できるRSスポーツシート(実はオプション 1500ユーロ=約18万円である)に座り、精巧に作られた機能的なコックピットを堪能できる。
同色グリルと黒いホイールが21世紀のアウディの高性能モデルの証拠。いつの間にか、高性能モデルの証だったアルミのドアミラーカバーは廃止になったらしい。

Text: Gerald Czajka, Dennis Heinemann
Photo: Toni Bader / AUTO BILD