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【初テスト】トヨタの新型電動SUV トヨタbZ4Xのプロトタイプに初試乗 ドライビングレポート!

2022年3月31日

エキサイティングなe-car、かさばる名前: 新型トヨタbZ4Xのプロトタイプを路上でテスト。ハイブリッドシステムの先駆者であるトヨタが純バッテリー電気自動車を発表: bZ4Xは電気自動車の全モデルファミリーの先駆けとなる記念すべき1台だ。ドライビングレポート!

トヨタが、初代プリウス ハイブリッドからオール電化仕様モデルを発売するまで、約25年を要した。「ミライ」のような水素自動車への関心が残念ながら低い中、バッテリー式電気自動車への高い需要が、いよいよ「bZ4X」を発表させたのだった。

メルセデスのEQBと同等の大きさのbZ4X

2022年6月、トヨタ初の電気自動車が販売店に並ぶ。4メートル70クラスの電動SUVだ。7人乗りはないが、スライドしないリアベンチには十分なニースペースが確保されている。

コンパクトSUV「bZ4X」で、トヨタは電気自動車の未来へ踏み出す

トランクルームの広さでは、「bZ4X」は他車に追いつけないが、正式な最大値はまだ発表されていない。フロントでは、やや短めのシートにゆったりと座ることができる。一方、型破りなコックピットデザインは、決して万人受けするものではない。フラットなダッシュボードの上部に突き出たスピードメーターとレンジインジケーターのデジタルディスプレイは、高い位置に座ってステアリングを大きく下げれば、ステアリングに被らない程度だ。ダイナミックに低い位置に座るのが好きな人は、満足できないだろう。

室内はとてもリラックスしている。トヨタのステアリングはフィードバックが少なく、人工的な感じがするが、シャーシはハーシュネスを回避して弾力性のあるものとなっている。

ステアリングのフィードバックが少ない

しかし、「bZ4X」は、2基の電動モーターが現代の電気自動車に期待されるようなスムーズかつ力強いパワーを持つにもかかわらず、スポーツドライビングにはあまり向いていない。ステアリングは軽く、人工的な感じがして、路面からのリアルなフィードバックに欠ける。シャーシはベルベットのように滑らかなロールを目指し、なハーシュネスをうまく回避している。

車両データ: トヨタbZ4X AWD
パワーユニット: 同期電動モーター×2基
最高出力: 160kW(218PS)
最大トルク: 336Nm
バッテリー(容量): リチウムイオン電池(71.4kWh)
駆動方式: 全輪駆動、1速ギアボックス
長さ/幅/高さ: 4690/1860/1650mm
ラゲッジコンパートメント容量: 452リットル
0-100km/h加速: 6.9秒
最高時速: 160km/h
航続距離: 約410km
価格: 50,790ユーロ(約670万円)

「bZ4X」という面倒で覚えにくい名前は、トヨタの新しいサブブランドにちなんだもので、トヨタはバッテリー電気自動車の「bZ」という名前は「beyond zero」の略である。未来型モデルファミリーの最初の子供である「bZ4X」では、新しい「e-TNGA」プラットフォームは前輪駆動と全輪駆動を選択でき、AWDモデルには2基の小さな電動モーター、2WDバージョンには1基の大きな電動モーターを搭載し、ほぼ同じ性能になっている。

トヨタはオフロードでも説得力がある

搭載された電動モーターは前輪を駆動し、他の多くのフル電気自動車と同様に床下バッテリーで大きな負荷がかかる後輪は駆動しない。トヨタが実現したいのは、前輪駆動のようなハンドリングだ。最初の試乗では、全輪駆動の「bZ4X」が目を引くカモフラージュカラーリングで登場した。これはプリプロダクションモデルのプロトタイプであることを示すもので、でこぼこ道では、まだあちこちでギシギシと音がするのはそのせいでもあるのだろう。

丘や谷を越えて: bZ4Xは、オフロードでも納得のいく走りをみせる。兄弟車となる「ソルテラ」と呼ばれるモデルを投入するスバルがチューニングに協力した。

全輪駆動のスペシャリストであるスバル(スバル製SUVの名称は「ソルテラ」)の協力のもと、「bZ4X」は泥の中で他のe-SUVを凌駕するようなチューニングを施された。「X-Mode」では、20インチのロードタイヤを装着しているにもかかわらず、「bZ4X」はオフロードでも実力を発揮する。

新型トヨタbZ4Xに関するすべての情報は、こちらをどうぞ。

ドライビングレポート: トヨタbZ4X

ハイブリッドのパイオニア、トヨタがピュアバッテリー電気自動車を発表: bZ4Xは電気自動車の全モデルファミリーの先駆けとなる1台だ。
4メートル70クラスのSUVということは、つまり、VW ID.4よりかなり大きく、むしろ、よりメルセデスEQBに近い。
スライド式ではない、リアベンチシートではあるが十分なニースペースがある。
トランクルームに関しては、bZ4Xは競合車に追いつけていない感じだ。公式の最大値はまだ発表されていないが、トヨタは最小値として452リットルを示している。
フロントでは、やや短めのシートにゆったりと座ることができます。一方、型破りなコックピットデザインは、決して万人受けするものではない。
フラットなダッシュボードの上部に突き出たスピードメーターとレンジインジケーターのデジタルディスプレイは、高い位置に座ってステアリングを大きく下げれば、ステアリングに被らない程度だ。ダイナミックに低い位置に座るのが好きな人には不満足だ。
bZ4Xは、2基の電動モーターが、現代の電気自動車に期待されるようなパワフルでスムーズかつパワフルな走りをしたとしても、スポーツドライバーにはあまり向いていない。停止状態から100km/hに到達するまでに6.9秒、最高時速は160km/hだ。
ステアリングはフィードバックが少なく、人工的な感じがするが、シャーシはハーシュネスが少なくソフトなものとなっている。
全輪駆動のスペシャリストであるスバル(スバル製電動SUVの名称は「ソルテラ」)との協力によって「bZ4X」は泥の中でも他のe-SUVを凌駕するようなチューニングが施されている。X-Modeでは、20インチのロードタイヤを装着しながらも、オフロードでは十分な走りをみせる。
bZ4Xでは、前輪駆動と全輪駆動を選択できる。AWDモデルは2基の小型電動モーターを搭載し、2WDモデルはほぼ同じパワーで、1基の大型電動モーターが前輪を駆動し、他の多くの全電気自動車と同様に床下バッテリーで十分に負荷のかかる後輪は駆動しない。トヨタが目指すのは、前輪駆動のようなハンドリングだ。
ベーシックモデルのモーターには、72kWh弱のバッテリーが搭載されている。これで450kmは余裕で走れるはずだ。充電スタンドで直流電流を利用すれば、最良の場合、30分で80%の充電が完了する。
注意: 初代bZ4XはAC用オンボードチャージャーを搭載していないので、CCS急速充電器または外部整流器での充電のみとなる。11kWの車載充電器も計画中だ。

結論:
トヨタの新型電動SUV、「bZ4X」は、もはや今では他のメーカーも良いBEVを出しているので、決して新しい時代の幕開けというわけではない。しかし、トヨタ初の電動SUVは、まとまりがあり、気持ちよくリラックスして運転できるという印象を受けた。
AUTO BILDテストスコア: 2

【ABJのコメント】
トヨタの350万台BEV化計画の先陣を切って発表された「bZ4X」。満を持して発表されたからにはいかに革命的なBEVか!と思って、今回のレポートを読むと、意外と普通の車であった。個人的にはもっと何かものすごく特別な性能や際立った特徴を持っているかと期待したが、第一弾は全体的に、まんべんなく優等生としてのBEVという性格らしい。

今回のモデルとは違うが、「bZ4X」には飛行機の操縦桿のようなステアリングホイールを持ったものもある(と発表されている)ので、あちらのバージョンが本命なのかな、とも思ってしまうが、最初のプロトタイプのファーストインプレッションは意外と普通のものであった。これまた個人的に「bZ4X」の最大のライバルは、ヒュンダイの「IONIQ5」あたりで、あちらの方がぱっと見などは明らかに未来的で斬新なイメージである。トヨタとしては、これからレクサスも含めれば、20台以上のBEVを発表するわけで、そういう意味では「いろいろなのありますぜ」ということのなのかもしれないが、最初の一台が初代「プリウス」のような革命的なものであったならば、もっとインパクトがあったのになぁ、とちょっと歯がゆい気もするのである。(KO)

Text: Thomas Rönnberg
加筆: 大林晃平
Photo: Toyota