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【やっぱりキャンパーは素晴らしい】 モーターホーム耐久テスト シャウソン627GA

2021年11月13日

さようなら。シャウソン627GAが、耐久テストを終える。

フォード トランジットをベースにしたAUTO BILDの最初の耐久テスト車が、ついにその役割を終えた。そして、その特別な1年を振り返る時が来た。

2020年のような年は、もう二度と起こらないでほしい。
そう期待しよう。
耐久テスト用のモーターホームの最後の旅に、我々は、このテスト車に南フランスの故郷を見せてあげたいと思った(生産ラインはリヨンの南80kmに位置するトゥルノン シュル ローヌで稼働している)。
また、コート デュ ローヌのワインを積んで、その輸送能力も試してみた。
最後に、ピレネーの細い道でフランスを後にして、ひたすら太陽を追いかけていく。

フォード トランジットはベース車両としての実力を証明した

この耐久テストの期間、他の皆さんと同じように、我々も最善を尽くして、許可された時には、このモーターホームを運転して、可能な限り、多くの場所に出かけた。
シャウソンのボディがいかに広々としていて快適であるか、明るい色と豪華な内装がいかに心地よいか、そして、「フォード トランジット」がベース車両としていかに優れているかということを確認するために。
我々のシャウソンには、170馬力のパワフルなエンジンと6速オートマチックコンバーターが搭載されており、その快適性が高く評価された。
柔らかにチューニングされたシャシーによって、荒れた路面の凹凸も主権的に減衰させてくれる。
常に安全でコントロールしやすかったのは、光速のESPや、安定したブレーキのおかげでもある。
一方で、パノラミックルーフウィンドウからの強い風切り音と、増大するパチパチ音が運転中に気になった。
また、70リットル入るガソリンタンクを満タンにしても、その航続距離は500km程度にとどまっていた。つまりリッターあたり7~8km程度である。
回転式のシートでは縦方向の調整が難しく、高さ調整をしても、隣のベンチシートの高さには届かなかった。
実用的だったのは、セルフリセット機能付きのハンドブレーキレバーだ。

非の打ち所のないハンドリングと快適なセットアップにより、ロングツーリングも楽しかった。

テクニカルデータ:
エンジン: 2.0リッター「TDCi EcoBlue」
出力: 170PS@3500rpm
排気量: 1995cc
トルク: 405Nm@1750 rpm
最高速度: 140km/h
トランスミッション/駆動方式: 6速オートマチック/前輪駆動
燃料タンク容量: 70リットル/ディーゼル
全長×全幅×全高: 6990×2350×2920mm
ホイールベース: 4490mm
車両重量/積載量(テスト車両): 3097kg/403kg
牽引能力: 2800kg
ガスコンロ: 3口
真水/廃水タンク: 105/100リットル
テスト車価格: 60,079ユーロ(約万円)より
テスト車平均燃費: 8.3km/ℓ

使い勝手のよいキッチン

居心地のよいL字型のシートグループの特徴は、オプションのサードシート(440ユーロ=約5万8千円)で、挿入可能なバックレストによって、進行方向に対して、助手席の後ろに設置することができるようになっている。
頑丈な折りたたみ式テーブルは、高さ調整と回転が可能。
その上には、電動で収納可能な折りたたみ式ベッド(800ユーロ=約10万円)が吊り下げられていた。
両側に落下防止装置があり、頑丈な吊り下げ式のハシゴが付いているので、子供にも適している。
しかし、下ろすと、上部構造のドアを部分的に塞いでしまうのが残念だった。
中央のロック機構は魅力的だが、統合されたゴミ箱の蓋は、90度まで完全には開かないため、いっぱいになったゴミ袋を取り出すのに苦労した。
一方、キッチンは、3つの広々とした引き出し、ベースとオーバーヘッドの食器棚、大きなシンク、ピエゾ点火式の3口コンロなど、納得のいくものだった。
また、折り畳み式のワークトップエクステンションも見逃せない。
AESの冷凍冷蔵庫は、傾きに敏感に反応し、ビープ音が鳴り、水準器やスロープの使用を促す。
そして、その上にはテレビを設置することができ、ソーラーシステムのような接続部もあらかじめ設置されている。

大きな折りたたみ式のテーブルでは、どんな食事も、より美味しく感じられる。

シャワーを浴びた後は、必ず雑巾が必要だった

反対側にはバスルームがある。
広々としたスペース、広々としたスライドドアのミラーキャビネット、ダイヤフラムポンプによるシャワーの強力な水圧など、納得のいくものだった。
しかし、水しぶきを浴びた後は、必ず布を手に取る必要があった。
ドアが床と同じ高さで、閉まらないので、床が水浸しになるのだった。
後部のシングルベッドは非常に快適だった。
フットエンドの下には、2つのクローゼットがあり、ステップ付きのプルアウトを使えば、素敵な日光浴スペースを作ることもできるようになっている。
最後の特徴は、標準で2つの外部フラップを介して積み込むことができる、広々としたリアストレッジコンパートメントだ。
ここでの大きな特徴は、フラッシュフィットのロックハンドルだ。

広々とした掃除のしやすいバスルーム、ミラーキャビネットには豊富な収納スペースがある。

長所:
・明るく、モダンなインテリア
・2つの収納スペースフラップなどを標準装備
・快適な乗り心地と良好な視界
・快適なシートとマルチアジャスタブルテーブル
・感覚的に配置された操作系
・大容量のリアストレージスペース、豊富な荷物の収納スペース
・ダイヤフラムポンプによる高い水圧
・心地よいサスペンションの快適性、良好なシート
・走行中でも作動するリアビューカメラ

短所:
・短い航続距離(燃費の悪さ)
・パノラミックルーフからの風切り音が110km/hから聞こえる
・バスルームとリアベッドの前に2つのステップがあり、そのうち1つは狭い
・回転式シートの高さは調整可能だが、シートグループの高さに合わない
・シンクのガラスカバーが衝突時に固定されていない
・チルトセンサー付きの冷蔵庫
・バスルームのドアが平らに閉まらない
・上部構造からのパチパチという音
・シンプルな品質のエクステリアソケット

説明書には、シャウソンのボディがいかに広々としていて快適であるか、明るい色や豪華なシートがいかに心地よいか、そして、フォード トランジットの、ベース車両としての完成度の高さが強調されていた。
パノラマルーフウィンドウからの強い風切り音が走行中に気になったり、パチパチという音が大きくなったりした。また、満タン後の航続距離も500km程度に留まっていた。
シャウソン627GAは、人間工学的に優れたシートポジション、多くの収納スペース、コックピット中央の格納式携帯電話ホルダーなどを備えている。
居心地の良いL字型の座席群の中で特別な存在だったのが、オプションのサードシート(440ユーロ=約5万8千円)で、挿入可能な背もたれによって進行方向に対して助手席の後ろに設置することができた。頑丈な折り畳み式テーブルは、高さ調整と回転が可能だ。伸縮可能な金属フレームが折り畳み式テーブル部分を支えている。
このシートは走行中も快適に座ることができる。
その上には、電動で昇降するリフトベッド(800ユーロ)が吊り下げられている。下げると残念ながらボディドアを一部塞いでしまう。
入口のすぐ近くには、オーバーヘッドキャビネットのコントロールパネルが吊り下げられている。
3つの広々とした引き出し、ベースキャビネットとオーバーヘッドキャビネット、大きなシンク、ピエゾ点火式3口コンロを備えたキッチンは、一方で納得のいくものだ。また、折り畳み式の作業面の拡張も欠かせない。
AESの冷凍冷蔵庫。傾きに敏感に反応し、ピッと音が鳴って水準器やスロープの使用を促す。その上にはテレビを設置することができ、ソーラーシステムのような接続部分はあらかじめ設置されている。
反対側にはバスルームがある。広々としたスペース、広々とした引き戸式のミラーキャビネット、ダイヤフラムポンプによるシャワーの強力な水圧など、納得のいくものだ。しかし、水しぶきを浴びた後、いつも雑巾を手に取る必要があった。ドアが床と同じ高さで閉まらないのだ。
後部の2つのシングルベッドは、フォームマットレスと簀の子フレームを備えており、非常に快適だった。
足元には2つのクローゼットがあり、ステップ付きの引き出しを利用して、素敵な日光浴スペースを作ることができる。
スリーピングエリアはプリーツブラインドで仕切ることができ、見た目にも美しい。
最後の特徴は、標準で2つの外部フラップを介して積み込むことができる、広いリアストレッジコンパートメントで、ここでの大きな特徴は、フラッシュフィット式のロックハンドルだ。
水とガスの接続は屋外にある。トイレには換気口があり、ガスボンベも簡単に取り出せる。
運転席ドアに隣接する実用的なサービスセンター。
片側には屋外シャワー、もう片側にはガスコンセントが備わっている。
エンジンルーム内のすべてのメンテナンスエリアに簡単にアクセスできるようになっている。ボンネットはキーを回すと開く。
これだけのクオリティがありながら、フロントシート間のステップカバーの固定が不十分だったり、ボディドアのフレームのシーリング材が不完全だったりして、全体の印象を悪くしてしまうのは意外だった。また、ディストリビューションレールのケーブル接続が緩んでいたために、ワークショップに行く必要があった。本来ならその必要もないはずなのだが・・・。そういう意味ではメンテナンスをしながら楽しむことが必要な車であるといえよう。

小さなことが全体を左右する

前席のステップカバーの固定が不十分であったり、ボディドアのフレームのシーリング材が不完全であったりすることが、全体の印象を悪くしてしまうことは意外と知られていない。
また、ディストリビューションレールのケーブル接続が緩んでいたために、修理工場に行く必要があったが、これも本来なら不要なこと。
一方で、その他に、設計者のレベルの高さを示す特別な装備がいくつかあった。
走行中にも操作可能な4kWのディーゼルヒーター、GRP製の厚肉構造、電装品と水タンクを別々に収納した実用的なサービスボックスなど、設計者のレベルの高さがうかがえた。

価格:
ベース価格: 56.990ユーロ(約758万円)
テストカー価格: 60.079ユーロ(約800万円)

結論:
「フォード トランジット」は、快適で操作しやすいベース車両として納得のいくものだった。
エンジンパワーに比して、消費量もまずまずで、ダッシュボードには、豊富な収納スペースがあり、大きな窓とミラーのおかげで完璧な視界が得られる。
前述した細部の弱点を除けば、ボディは、特にレイアウト、収納スペース、動きの自由度の面で、十分な快適性を備えている。
AUTO BILDテストスコア: 5点満点中3.5点

こういうモーターホームを、じっくり使って書かれたレポートというのは滅多に目にしないが、今回はかなり細部に至るまで検証して記されているところが大変良い。やはりさらっとその辺を一周しただけでは、こういう種類のクルマの価値など、わかろうはずもなく、数日間、できれば遠いところまで遠征してレポートをしなければ、なかなか親身になっての検証などできないはずである。
今回の「シャウソン627GA」では、細部のトラブルが発生し、修理が必要になったと書かれているが、こういう部分こそ、ユーザーにとっては一番知りたい部分だし、室内の使い勝手なども実際に「それなりの」使用方法をしてみなければ、どういうものなのか、良い、悪いなど判断しようもない。
やはり実際に自らが楽しみながら、実際の体験をもとに書いたからこそ、今回のレポートは面白く読み応えがある。クルマそのものもなかなか魅了的だし、「フォード トランジット」ベースの実用キャンパーとしてなかなかいいなぁ、と感じた次第である。

Text: Alexander Failing
加筆: 大林晃平
Photo: AUTO BILD