ロールス・ロイス、ブラック・バッジ・ゴーストを発表

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最高にピュアなブラック・バッジ

ロールス・ロイスは、2016年にブラック・バッジ・モデルとして「レイス」と「ゴースト」をデビューさせ、続く2017年には「ドーン」を、さらに2019年には「カリナン」を発表。そして、2021年新しいポスト・オピュレントの表現としての、最も進化したブラック・バッジ・モデル、「ブラック・バッジ・ゴースト」が誕生した。

「私たちは『ブラック・バッジ』を象徴する新製品を発表します。それは、ゴーストの伝説を覆し、ミニマリストの心をとらえたポスト・オピュレンス(脱贅沢)のデザインをブラックで表現することで伝説の再構築を力強く訴えながらも全く新しい方向性のクルマです。これまでで最も先進的なこのクルマは、ロールス・ロイスの分身として、『自己表現』、『活力』、『影響力』を表現するために再構築されました。このクルマはロールス・ロイスの歴史上、最高にピュアなブラック・バッジ・モデルです。ご紹介しましょう、『ブラック・バッジ・ゴースト』です。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者、
トルステン・ミュラー・エトヴェシュ

ポスト・オピュレンスのダーク・サイド

「ポスト・オピュレンス」(脱贅沢)を表現したクルマが新型ゴーストだが、それに反するように、純粋なブラックでゴーストを永遠に覆い隠すことで、ゴーストの破壊的な側面を引き出そうとしたのがブラック・バッジ・ゴーストだ。このクルマはポスト・オピュレンスのダーク・サイドに立つ、極限状態のミニマリズムを表現している。

言わば、これまでの伝統的なロールス・ロイスを好まない人に向けて作られた「ブラック・バッジ・モデル」だが、世界のロールス・ロイスの受注に占める割合は27パーセントを超える。

【ブラック・バッジ・ゴーストの特徴】
• 6.75リッター V12エンジンの出力を600PS、トルクを900Nmに増大
• より効率的なパフォーマンスのためにドライブトレインとシャシーを調整
• トゥルケーゼ・レザーとテクニカル・カーボン・ベニアが印象的なキュレーテッド・コレクションを発表
• カーボン・ファイバー製バレルを備えたブラック・バッジ・ハウス・スタイルのビスポーク・アロイ・ホイールを装備
• 他のブラック・バッジ・モデルと同様にロールス・ロイスのノワールの表現を象徴する「インフィニティ・レムニスケート・シンボル」を採用

44,000色のカラー・パターンの中から自由に色を選ぶことができる

ボディーカラーはオリジナルの色を作ることもできるが、圧倒的多数は、シグネチャー・カラーのブラックを選択するようだ。ロールス・ロイスは自動車業界で最もダークなブラックを作るため、45キログラムもの塗料を霧状にしてホワイト・ボディに電着塗装し、オーブン内で乾燥させた後、2層のクリア・コートを施し、4名の職人たちによって手作業で磨き上げられる。
さらに、磨き上げられたスピリット・オブ・エクスタシーやパンテオングリルなど、ロールス・ロイスの特徴的な部分でさえも覆すことができるようになった。これらのパーツは単に塗装を重ねるのではなく、もともとのクロームメッキ工程に特殊なクローム電解液を導入し、ステンレス・スチール製の下地に共析させてダーク仕上げとする。表面の最終的な厚さは髪の毛の100分の1の太さに相当する1マイクロメートル。この製法で作られたパーツを手作業で精密に研磨し、ミラー・ブラック・クローム・フィニッシュとしてブラック・バッジ・モデルに搭載する。

ビスポーク21インチ・コンポジット・ホイール・セット

ブラック・バッジ・ゴースト専用にブラック・バッジ・ハウス・スタイルのデザインが施されたホイールは、そのバレル部分には22層のカーボン・ファイバーを3方向に交差させて配置したものを使用、リムの外周で折り返すことにより合計44層のカーボン・ファイバーとなって強度を高めている。3D鍛造アルミニウム製ハブは、航空宇宙産業で使用するグレードのチタン製ファスナーでリムに固定され、ダブルRのモノグラムが常に直立するロールス・ロイスの特徴的なフローティング・ハブ・キャップを取り付けて完成される。素材の特性と表面効果を生かすため、薄く着色したラッカーで表面を保護しながらこのホイール独自のカーボン・ファイバー構造が見えるようにして、技術的な複雑さを表現している。

スイートと呼ぶにふさわしい雰囲気のインテリア

その素材は、ゴーストのポスト・オピュレンスの精神に基づき、カーボン・ファイバーとメタリック・ファイバーを使った深みのあるダイヤモンド・パターンの複雑かつ繊細な生地によるテクニカル・ファイバー・ベニアで、リヤ・シートのテクニカル・ファイバー製「ウォーターフォール」部分には、ブラック・バッジ・ファミリーのモチーフである無限の可能性をあらわす数学記号「レムニスケート」があしらわれる。ブラック・バッジ・ゴーストのシャン
パン・クーラーのリッドには航空宇宙グレードのアルミニウムを使用しており、ここに描かれるシンボルは淡く着色されたラッカーを6層重ねたうちの3層目と4層目の間に挟み込まれており、テクニカル・ファイバー・ベニアの上で記号が浮かんでいるような錯覚を招く。

ブラック・バッジ・ゴーストでは金属光沢の部品を減らす選択がなされ、ダッシュボードや後部座席のエア吹き出し口のサラウンドは、経年劣化や反復使用によって部品が変色したり変質したりしない数少ない金属着色法のひとつである物理蒸着法(PVD)を使って暗色化される。ポスト・オピュレンスの原則であるシンプルさは、ブラック・バッジ・ゴーストの時計のデザインにも生かされている。車載時計の指針の先端と12時、3時、6時、9時のアワー・マークだけが落ち着いたクローム仕上げになっており、驚くほどミニマルな時計に仕上がっている。

この時計の脇には、「ゴースト」と共にデビューを果たした世界初のビスポーク・イノベーションである「イルミネーテッド・フェイシア」があります。このフェイシアには850個を超える星に囲まれたレムニスケートが幽玄に輝いています。ダッシュボードの助手席側に配置されたこの星座とモチーフは、ルームライトが点灯していないときは見えないようになっている。「ゴースト」と同じく、このレムニスケート・モチーフのイルミネーションはフェイシアの上部と下部に取り付けられた152個のLEDからなり、それぞれが発する色はキャ
ビンの時計や計器盤の照明に合わせて念入りに調整され、レムニスケートを均等に照らすため、厚さ2ミリメートルのライトガイドを使用しており、その表面には9万個を超えるドットがレーザー・エッチング加工されています。これにより光が均等に分散されるだけではなく、フェイシアに沿って視線を動かしたときに、光がきらめいて見える効果があり、シューティングスター・スターライト・ヘッドライナーの繊細な輝きが反映されている。

アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー

ゴーストに四輪駆動システムや四輪操舵システム、また受賞歴のある「プラナー・サスペンション・システム」を搭載するオールアルミ製スペースフレームを全面的に見直し、より容量の大きなエア・サスペンションを組み合わせることで、激しいコーナリングの際にもボディのロールを抑える。
ツイン・ターボ付き6.75リッターV12エンジンは29PSを上乗せし、最高出力 600PSを実現、加えてトルクも50Nm上乗せして900Nmとなった。トランスミッションとスロットルの特性にも手を加え、ZF製8速ギヤ・ボックスと、フロントおよびリヤ共に操舵システムを備えたアクスルが協調して動作することで、スロットル操作やステアリング操作に応じたドライバーへのフィードバックのレベルを調整する。
さらに、他のブラック・バッジ・モデルと同様に、ギヤ・セレクト・レバーにある「 Low(ロー)」ボタンを押すと、ブラック・バッジ・ゴーストの一連のテクノロジーが全面解除され、走行中にアクセルを90パーセントまで踏み込むと、変速の速さが50パーセント増しとなり、ブラック・バッジ・ゴーストの豊かなパワーを瞬時に引き出すことができるようになる。ブレーキにも手が入りハードブレーキングにも十分応えるものとなっている。

Text&Photo:ロールス・ロイス・モーター・カーズ