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【比較テスト】トップ3ジャーマンディーゼルワゴン対決 メルセデスCクラスT対アウディA4アバント対BMW 3シリーズ ツーリング 勝者は?

2021年11月1日

ステーションワゴンの空に浮かぶ三つ星。

新型CクラスTモデルと3シリーズツーリング、A4アバントの比較テスト。265馬力のディーゼルを搭載した新型Cクラス エステートは、最初の比較テストで、A4アバント50TDIと330dツーリングと闘った。

私たちはこの3台の最強のライバルのことをよく知っている。
「アウディA4」、「BMW 3シリーズ」、そして今回のテストの標的である新型「Cクラス」の3台だ。
今回の比較テストには、新型「Cクラス」のステーションワゴンが登場した。
メルセデスはこの「Cクラス」で、これまでの競争に一石を投じたいと考えている。
ガソリンエンジンを搭載したセダンであるベンツは、最初のテストですでに「BMW 3シリーズ」を引き離すことができた。

今回の比較テストでは、ディーゼルエンジンを搭載したエステート「Cクラス」が「A4アバント」と「3シリーズ ツーリング」に対抗する。

4気筒エンジンで勝負するのはCクラスだけ

300馬力を超えるパワフルなパワートレインを搭載したステーションワゴンは、中流階級の臭いを払拭し、我々の目には本物のドリームカーとして映る。
全輪駆動の「A4」に搭載されている286馬力の3.0リッター6気筒エンジンのワゴンは、リッターあたり14kmという平均燃費だった。
同じく3.0リッター6気筒エンジン、286馬力、全輪駆動の「BMW 330d」の平均燃費は、リッターあたり15.1kmだった。
そして「C300d」は、4気筒エンジン、後輪駆動(4MATICは未設定)、265馬力を持つ唯一の車で、公称数値では少し弱いが、テストでは見事にリッターあたり18.8kmという好燃費を発揮した。
これは駆動システムと環境のためには本当にありがたいことだ。
ガソリン満タンでの航続距離は1,200kmを超え、このことによっても、ダウンサイジングが本当に効果的であることが認識されつつある。

走りに関しては、BMW 3シリーズ ツーリングには勝てない

しかも、6気筒エンジンは単純に言ってセクシーだ。
目で見ても、耳で聴いても。
アウディの「モノターボV6」でさえ、ロングギアを力強く駆け抜けるときには、口角が上がってしまう。
「3シリーズ」は、気配りの行き届いた8速オートマチックと、ベルトスタータージェネレーター(RSG)を搭載した、滑らかな音の直列6気筒で構成された、(ほぼ)完璧なチューニングユニットとして楽しませてくれる。
「Cクラス」では、ISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)が、15kWを発揮する。
そして、ツインターボは、古いキャブの4気筒の憂鬱さを吹き飛ばしてくれる。
何と言っても、優れた減衰性、バターのように滑らかなマウント、そして全体的に非常に洗練されている。
性能の面では、「Cクラス」は6気筒のライバルたちにわずかに及ばない。
快適さという点では、「Cクラス」は18インチホイール(655ユーロ=約9万円)を装着し、現在は販売されていない先代のエアサスペンションを、ソフトスプリングでまかなっている点が際立っている。

素晴らしい: 3シリーズの直6とオートマチックは、今回のテストで最高のドライブデュオを形成していた。

印象的なサスペンションの快適さの小さな欠点。
舗装されていない道路では、やや強めの車体の動きが敏感な人の船酔いの原因になることがある。
おすすめはアダプティブサスペンション(1,071ユーロ=約14万円)で、それには、2つのハードな設定があり、その都度替えることができる。

アウディA4アバントのサスペンションは、時々頑固になる

19インチのタイヤ(730ユーロ=約9万7千円)やMシャーシ(600ユーロ=約8万円)を装着しているにもかかわらず、試乗した「3シリーズ」のバランスのとれたシャシー設定に驚かされた。
基本的には硬いのだが、「Mシャシー」を装着した初期のモデルのように、極端に硬くない。
また、ボディワークの仕上げも素晴らしく、「A4」や「Cクラス」とは異なり、石畳でもギシギシと音を立てることはほとんどない。
アウディの19インチホイール(1,850ユーロ=約24万7千円)と、調整可能なSサスペンション(1,030ユーロ=約13万4千円)も快適な乗り心地を実現しているが、エッジの上で最も激しくぶつかるのはアウディの方だ。
「A4」と「3シリーズ」は、リアアクスルロック(アウディ1,350ユーロ=約18万円、BMW1,400ユーロ=約18万7千円)のおかげで、カーブをよりダイナミックに曲がることができる。
しかし、リアアクスルステアリング(1,250ユーロ=約16万7千円)を採用した「Cクラス」は、圧倒的に便利なドライビングフィールを提供している。
そして、極めて小さい回転半径とともに。

光と影: Sサスペンションを装着したA4は、心地よい反発力を持っているが、他の2台と比較するとエッジが少し揺らいでしまう。

今回のテスト車の価格は、「メルセデスC300d T-Model」が63,263ユーロ(約847万円)、アウディの「A4アバント50 TDI」が63,920ユーロ(約856万円)、BMWの「330d xDriveツーリング」が66,630ユーロ(約892万円)だった。
夢のような車の価格に、大きな差はない。
しかし、全体的に見ると、「Cクラス」は、BMWとアウディをはっきりと引き離している。
ステーションワゴンの空に浮かぶ、新たなスターだ。

カバーを外してもシリンダーヘッドは見えない。
ラゲッジルーム: 495~1495リットル。

第3位 800満点中542点: アウディA4アバント50 TDIクワトロ
6気筒エンジンを搭載した、大人っぽくてとても素敵なステーションワゴン。
しかし、年式的にやや遅れ気味なのは否めない。
価格: 54,350ユーロ(約728万円)より

直列6気筒だが、かつての美しい光景は見られない。
ラゲッジルーム: 510~1510リットル。

第2位 800満点中565点: BMW 330d xDriveツーリング
その才能は、培われた駆動力と良好なハンドリングにある。
他のモデルに比べてやや高価。
価格: 55,500ユーロ(約743万円)より

直列4気筒ゆえにコンパクトに見える。
ラゲッジルーム: 490~1510リットル。

第1位 800満点中573点: メルセデスC300d T-Model
T-Modelは、効率性、高い快適性、そして本当の弱点がないことで勝っている。
実際にこのクルマはとても便利だ。
価格: 53,967ユーロ(約723万円)より

結論:
このクラスには、より大きなステーションワゴンはあるが、よりスマートなものはほとんどない。
エステートの親しみやすさと、高い実用性という点では何も変わっていない。
しかし、「Sクラス」から採用された新しいオペレーティングシステム、質素な4気筒エンジン、便利なリアアクスルステアリングを備えた「Cクラス エステート」は、「A4アバント」や「3シリーズ ツーリング」との比較で勝利を収めている。

うーん、やっぱり「メルセデス・ベンツCクラス ステーションワゴン」の勝ち、でしたか・・・と納得したような、でもなんとなく、本当にどうなのかなぁ、と思うような気持で結論を読んだ。というのも途中まではBMWのエンジンの素晴らしさや、アウディの(主に駆動系の)良さもちゃんと記されていたから、今回は、「メルセデス・ベンツCクラス」は1位じゃないのかな、と思いながら読んでいたのだが、最後の結論はやっぱりメルセデス・ベンツの勝ちになった。
まあ最新のメルセデス・ベンツだし、登場した年月日などを考えてみれば、一番新しいメルセデスが勝つ、という予想もついたが、熟成のすすんでいるはずのBMWやアウディが勝っても、別に何もおかしくない。
おそらくこれはあらゆる方向にまんべんなく優れているメルセデスが評価されてのことだと思うが、個人的には6気筒のエンジンの積まれた自動車に、今のうちに乗ってみたい、という気持ちも強く、そうするとメルセデスは優等生ではあるが4気筒となってしまっている。
気筒数で選ぶなんて時代遅れ、と言われるかもしれないけれど、あえてこういう時代だからこそ6気筒を選びたい・・・。いつの時代も自動車好きというのは、ちょっとへそ曲がりな人種なのである。

Text: Stefan Novitski, Berend Sanders
加筆:大林晃平
Photo: Ronald Sassen / AUTO BILD