永遠のライバル一騎打ち ビーエムかベンツか メルセデスC300 4MATIC対BMW 330i xDrive

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拮抗するミッドサイズセダン×二台。BMW 3シリーズとメルセデスCクラスが出会うとき、それは伝統的に接戦となる。今回は、新型メルセデスが勝利を収めるのか? 最初の比較テストで、その疑問に答える。

サリエリとモーツァルト?
トムとジェリー?
永遠に喧嘩をする2人。
例えば、BMWとメルセデスの2台のミッドサイズセダン。
Cクラスと3シリーズは、そのように分類できるだろうか。
しかしどちらも同じような人気を誇っているので、相手のことを嫉妬する理由はない。
あるいは、アニメの主人公のように遊び心があるのか?
そうではなくて、賢いテクノロジーがたくさん詰まっているのだ。

2つのテスト候補が同じ出力で競う

現行の「BMW 3シリーズ(2019年からはG20)」は、モデル熟成期にあり、「メルセデスCクラス(W206シリーズ)」は、デビューほやほやの若きモデルだ。
それでも疑問は残る。
2台のベストセラーモデルのうち、どちらが優れているのか?
我々の最初の比較テストで、それが明らかになる。
リングに上がっているのは、258馬力の4気筒エンジンを搭載した「C300 4MATIC」と、同じく2.0リッターの4気筒エンジンから258馬力を得ている、「330i xDrive」だ。

どちらとも、最高速度は250km/h、0から100km/hまでの加速タイムは約6秒だ。
また、ターボチャージャー付きの直列エンジンはどちらも、クランクシャフトに400Nmのトルクを与える。
とはいえ、理論上ではメルセデスが優位に立っている。
なぜなら、「C300 4MATIC」では、マイルドハイブリッドシステムからの48ボルトのモーターが、テコ入れをするからだ。
具体的には、オーバーブースト機能の一環として、電気経路が200Nmのトルクを追加することになっている。

2リッター4気筒エンジンは、どちらも258馬力、400Nmで、C300 4MATICにはオーバーブーストが搭載されている。

Cクラスは、そのエクストラパワーを使いこなせない

非常にゆったりとした走りからの加速(つまり5速、50km/h、1500rpm)では、それほどのパワーアップは感じられない。
誤解しないでもらいたいのは、どちらのセダンも、低回転域でのちょっとしたもたつきもなく、実に生き生きとした速さを発揮できる。
完璧なオートマチックトランスミッションがそれを可能にしてくれる。
スムーズな変速、素早いリアクション、そしてアダプティブロジック、これらが彼らの簡潔な特徴だ。
「BMW 3シリーズ」の8速オートマチックは、スポーツプログラムのドライブステップを、トルクブーストの小気味よい揺れとともに取り込むことさえ可能だ。
一方、メルセデスは「スタートストップシステム」を完成させている。
より静かに、よりスムーズに、より速くエンジンが始動する。
称賛に値する。

C300 4MATICは、短時間ではあるが、エクストラトルクの200Nmを自由に使えるようになっている。

加えて、「Cクラス」はエンジン始動後、印象的なほど急激に動き出す。
しかし、私たちの測定では明らかになったのは、走りと引きの強さでは、最小限のリードではあるものの、総合的には「330i」のほうに軍配が上がった。
車重は3シリーズの方がはるかに軽いのだ。
2台のセダンには、100kgの差がある。
その車重の差は、コーナリングでも感じ取ることができる。

また、「BMW 3シリーズ」は、ブランドの永遠のマントラを忠実に守っている。
ターンインの最初の瞬間、“スリー”はより俊敏に感じられる。
ステアリングが鋭く食い込み、その後の角張ったターン操作は、典型的な生き生きとしたドライビングの印象を与える。
ブレーキングも同様に安定している。
しかし、BMWとメルセデスでは、トランクの長さが約半分しか変わらず、100km/hから停止するまでの減速も非常にきれいだ。
一方、「Cクラス」は、どの速度でもすっきりとしたハンドリングが印象的だ。
ここでは、1249.50ユーロ(約16万円)という高価な新開発の「リアアクスルステアリング」がその性能を発揮する。
反対方向に回転するホイールロックにより、「Cクラス」は小さな半径をしっかりとトレースして操縦できる。
さらに、同じ方向にステアリングを切る後輪の助けを借りて、「C300」は、コーナリングや旋回を非常に簡単にこなすことができるようになっている。
その挙動は感覚的に繊細で、目立たない。
特に、この車は素晴らしい快適性を追求している。
3シリーズが時折、震えながらスプリングし、より脆くロールするのに対し、揺れるメルセデスは、アスファルトとタイヤの間に吸水性のある綿を敷き詰めて地面を平らにする。
少しもスポンジのような、もたつきを感じさせない。

ドライビング・プレジャー: BMW 3シリーズは、より生き生きとしたドライビングの喜びを与えてくれる。

また、メルセデスのドライバーはより快適なシートに座ることができる。
加えて、メルセデスは「Cクラス」のステアリング特性を見事につかんでいる。
さりげなく軽いセンターポジション、適度な力強さ、適度に張りのあるリターン、ステアリングの切れ角の感覚などにより、凛としたさりげなさと繊細な正確さを、見事に両立させている。

第2位 800満点中560点: BMW 330i xDrive
ファーストクラスの車だ。しかし、いくつかの分野では、メルセデスのように洗練されていない。だが、ランニングコストの面でははるかに安い。
価格: 49,500ユーロ(約648万円)より

第1位 800満点中562点: メルセデス C300 4MATIC
新型「Cクラス」は、優れたパフォーマンスを発揮し、最高のテクノロジーを提供している。とはいえ、僅差での勝利だ。
価格: 50,272ユーロ(約658万円)より

結論:
ここでは、より新しく、よりモダンなメルセデスが、永遠の敵であるBMWに僅差で勝利した。
「Cクラス」は、より繊細で丸みを帯びた車であり、素晴らしいステアリングと非常に高い快適性を備えている。
しかし、コストの高さはベンツの典型であり、よく熟成された「3シリーズ」がそれに迫る。

昔からこの武蔵と小次郎の対決は定番の比較テストであり、お互いニューモデルが出た時に、必ず引き合いに出されて乗り比べられる、そういう関係にある2台だ。
本来はここに、「アウディA4」も加わり、プレミアムセダン3台そろいでの比較テストになるのかもしれないが、やはり好敵手はこの2台である。
出る時期が数年ずれているので、片方が進化して優れ、数年後にまた一方が進化して追いつき、また他方がモデルチェンジして首位を取り戻し……と、そんなことの繰り返しである。自動車評論家の故川上 完さんが「新しいクルマなんだから、良くなくっちゃ困る」と言っておられたが、まったくその通りで、新しく出たほうが(しかも、相手を見てからモデルチェンジできるのだから)、後出しじゃんけんで、勝って当たり前ではある。
そういう見方をした場合、今回勝者になった「メルセデスCクラス」は、勝つべくして勝った一台だが、若干気になるのは、今度の「メルセデスCクラス」の価格で、今回「Cクラス」は一気に価格を上昇させてきたことである。
もはや今度の「Cクラス」は、少し前の「Eクラス」とほぼ同額で、これでは良くて当たり前なのではないか、という気さえしてくる価格帯だ。「BMW 3シリーズ」も高価にはなったが、それでも「Cクラス」ほどは、高くない。次期モデルで「3シリーズ」がどういう価格上昇になるのか気がかりだが、現段階では、「Cクラス」は高いからよくて当たり前、という感じがしてしまうのである。

Text: Jan Horn, Dennis Heinemann
加筆: 大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD

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