【名車シリーズ】スターズ&ストライプス アメリカ製レジェンドスポーツカー シェルビー コブラとフォードGT40物語
2021年10月4日
名車は色あせない。
魅惑の伝説: フォードGT40&シェルビー コブラ。Stars & Stripes: アメリカが生んだ最もワイルドな車であり、50年前に南部アメリカ人と北部イタリア人が激しく争ったために生まれた伝説のモデルの物語。
ガソリン&レーシングオタクの憧れは?
レーシングギア、エンジンの排気量、ライトウェイトボディ、それとも女性のコ・ドライバー・・・?
ヘビへの敬意
「シェルビー コブラ427S/C」
コブラ。
「427」で、スーパーチャージャー付きのもので、世界でも数少ない一台。
800ニュートンメーター、1,100kg、厄介だ、特にウェットでは!
それなのに明日は大雨の予報が出ている。
我々は覚えている。
シェルビーは、毒のあるコブラで、宿敵フェラーリの鼻を明かしたことを。
「フォードGT40」もまた、希少な車であり、素晴らしい性能データをとんでもない車重で割っているが、それだけに、びしょ濡れになって、アルプスの峠道を通過するには最適なマシンではない。
あるいは、クラシックリバイバルで楽しい時間を過ごすのが好きな、英国のジェントルマンドライバーの言葉を借りれば、「GT40は誰にも捕まらない」。
ゆるやかに翻訳するなら、この車はあなたを殺そうとしている。
しかし、この2台のマシンに共通しているのは、控えめに言っても、パイロットへの要求が高いことだけではない。
それらは、キャロル シェルビーによるル マン24時間耐久レースでの戦いの物語であり、時が経つにつれて、戦争の話にまで発展していったのである。
GT40は一心同体
「GT40」は、当初2人の男によって作られた。
キャロル シェルビーとエンツォ フェラーリである。
一人は、テキサスの元養鶏場で、レースで頭角を現した人物。
スマートで背が高く、ハンサムで、ステットソンハットやカウボーイブーツなどのお決まりのトレードマーク。
もう一人は、コメンダトーレ。
ハンサムで、スムーズで、世界自動車協会に最高のコネを持つエゴイストで、世界スポーツカー選手権を意のままに操るレーシングチームのマスターオブセレモニーである。
50年代半ば、彼はシェルビーに、「自分のためにドライブしてみないか」と持ちかけた。
シェルビーは、中指を立てて、「いつかフェラーリの背中を蹴ってやる」と、テキトーな返事をしたという。
フェラーリが「250GTO」を走らせていた時代、シェルビーは「コブラ」で対抗していた。しかし、この独創的なV12サラブレッドの前では、海外からの挑戦者はストリートドッグにしか見えない。大胆で、原始的で、サラブレッドとは思えない。
古いラダーフレームのシャシーとアルミのスキンは、もともとイギリスのACエースのものだし、MGやフォルクスワーゲンがステアリングパーツを提供しているし、フォードのV8は、実はピックアップトラック用に設計されたものだ。つまり、シェルビーが、この2シーターに競争力を持たせることができたのは奇跡としか言いようがない。少なくともアメリカではコルベットの性能を圧倒している。しかし海外では、「デイトナ」と呼ばれるクーペバージョンのみが、それなりの成功を収めた。
しかし、コブラがロードスターとして最高の性能を発揮したのは、1965年にビッグブロックを大きく広がったボディに搭載されたときだった。413台が生産され、そのうち31台が「S/C」となった。予想に反して、この「S/C」とは、ヴォルシュタイナー スーパーチャージャーの略ではなく、ロードカーと競技用ホモロゲーションの中間的な性能仕様である、「セミ コンペティション」の略である。お粗末な空力にもかかわらず、自然吸気バージョンでも265km/h以上の最高速と性能を発揮すると言われていたが、実際には、ほとんど常識の範囲内であったと思われる。技術的に成熟した「S/C」バージョンは、オリジナルモデルよりも優れているが、ハンドリングは相変わらず致命的に厄介である。4つのギアのうち最も高いギアにしても、巨大なパンチが地面を切り裂き、厳しいステアリングと鈍いブレーキで精一杯蛇を召喚しようとする。つまり、乗ることは子供の頃の夢をかなえること、降りることは生まれ変わることなのだ。ウィングナットには安全ワイヤーが付いているが、それでも恐怖は消えない。コンプレッサーの推進力と同様に、サウンドスケープも心を揺さぶる。
角度のついたシフトレバーや、木製のステアリングホイールは筋力を要求し、フルスロットルや高速コーナーは耐久力を要求する。しかし、「コブラ」は、思ったほど鈍重なコーナリングをしない。それどころか、恐怖心が次第に健康的な畏敬の念に変わってくると、カーブに対する親近感さえ感じられるようになる。少なくとも、ビッグブロックが頂点に達し、シートバックの上端で背骨が曲がり、サイドパイプの耳障りなハンマリングで運動神経の良し悪しが決まるまでは・・・。「GT40」とは対照的だ。腹の底で感じるだけでなく、指先にまで伝わってくるのだ。作品というよりも、ひとつの金型から生み出されたレースカーであり、キャロル シェルビーがエンツォ フェラーリに言い返したことを実現した車なのだ。
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