1. ホーム
  2. 動画
  3. 【動画付き】メルセデス・ベンツ 新しい小型MPV「シタン」登場

【動画付き】メルセデス・ベンツ 新しい小型MPV「シタン」登場

2021年9月5日

メルセデスは、新型シタンを発表した。兄弟車の「ルノー カングー」とはフロント部デザインのみが異なる。オプションでMBUX機能を搭載。EVモデルを含む全情報。

➤価格と市場ローンチ時期
➤ デザインとサイズ
➤ インテリア
➤ 装備
➤ エンジンラインナップ
➤ テクニカルデータ

価格: ショートホイールベース仕様は23,800ユーロ(約310万円)から

メルセデスは、新型「シタン」で、新しいアプローチをとっている。
なぜならこれは「ルノー カングー」がベースのクルマ、なのである。いつの間にか、ルノーとメルセデス・ベンツが兄弟車になっている、そんなビックリのニュースでもある。
しかも単なるバッチエンジニアリングではなく、内装もまったくカングーとは異なるものだし、電子デバイスも「ハイ!メルセデス」で起動する。
それ以外は、リアデザインなどはカングーそのままだし、乗ってみるまでは、何とも言えないものの、おそらくサスペンションセッティングなどは、カングーと同じ、ということはメルセデス・ベンツで、一番ソフトな乗り心地のクルマかもしれない。
なんとも面白いような一方、複雑な気持ちのするクルマではあるが、各種アライアンスとか、共同開発というものはこういう自動車も生む、という見本だろう。なお、この「シタン」は、ルノーの工場で作られる。

今後、ハイルーフのステーションワゴンは、国内向けには「Tクラス」、または完全電気駆動の「EQT」、商用車としては、引き続き「シタン」と呼ばれ、電気駆動でも「eシタン」として、市場に投入されるという2つのバージョンが用意されている。
第2世代の商用車バージョンは、ルノーと共同で開発し、発表した。
このモデルは、高い積載量、十分なスペース、低いローディングシル、高い牽引力と積載能力、柔軟な空間利用など、商用車の典型的な特徴を備えている。
そして、これまで同様、大きな荷室を持つパネルバンと、乗客輸送用のツアラーが用意されている。
2021年9月21日の受注開始時には、ショートホイールベースタイプのみが用意されるものの、その後、ロングホイールベースタイプや、バンと乗客輸送タイプをミックスした「ミックトー(Mixto)」も登場する予定だ。
最初のモデルは、2021年内にも、ディーラーに並び始める可能性がある。
メルセデスは現在、23,800ユーロ(約310万円)のベース価格を提示している。
これは、商用顧客向けの価格では、2万ユーロ(約260万円)の大台を下回ることを意味する。
そして、2022年後半には、電気自動車の「eシタン」もラインナップに加わる予定だ。

デザイン: メルセデスがカングーと異なるのはフロント部分のみ

この新しいメルセデスと「ルノー カングー」が違って見えるのは、正面から見たときだけだ。
リデザインされたフロントセクションは、フランス車に比べて、遊び心を抑えた実用的なものになっている。
また、この商用車には、よりフラットなヘッドライトと、新しいライトシグネチャーを備えた現在のメルセデスのブランドフェイスが採用されている。
標準仕様では、LEDデイタイムランニングライトと、同タイプのターンシグナルのみが装備されており、フルLED化には別途費用がかかる。
新しいグリルは、3つのダブルルーバーと、もちろん中央の大きなスリーポインテッドスターが特徴だ。
新しいエプロンは、中央のエアインテークが大きくなり、両サイドのエアインテークも大きくなっている。
一方、リアは、「カングー」との違いはわずかで、テールランプの形状までもが同じだ。

新世代のシタンには、両側にスライドドアを備えたタイプもある。リアからみれば、カングーそのまま。黒塗りバンパーが頼もしい。

サイズ: 新型シタンは最大1.5トンの牽引が可能

「シタン」は、両バージョンともに、全長、全高、ホイールベースが増加している一方、全幅は縮小している。
先代のパネルバンと比較して、カーゴスペースは若干減少している。

シタン パネルバン
● 全長/全幅/全高/ホイールベース: 4498mm/1859mm/1832mm/2716 mm
● 乾燥重量: 最大2250kg(装備による)
● 積載容量: 最大782kg(装備による)
● 乗客数: 2~3名
● 最大牽引能力: 1500kg

シタン トゥアラー
● 全長/全幅/全高/ホイールベース: 4498mm/1859mm/1811mm/2716 mm
● 乾燥重量: 2095~2174kg
● 積載容量: 380~539kg
● 乗客数: 5名
● 最大牽引能力: 1500kg

インテリア: MBUX機能はあるが、デジタル計器はない

我々は今回新型「シタン」のシートに実際に座って試してみた。
先代と比べると、インテリアにはかなりの工夫が凝らされているが、ここでも要素の配置は「ルノー カングー」のインテリアと同じだ。
新型「シタン」にはMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)インフォテイメント機能を搭載することができるが(有料)、ワイドスクリーンのコックピットや、デジタルメーターは用意されていない。
上位のバージョンでも、スピードメーターはアナログのままで、中央にカラー画面が付いている。
センターディスプレイのサイズは7インチだ。
とはいえ、特に商用車として使用する人には、フリートプランニングや、車両モニタリングのためのアプリ、「メルセデスミーコネクト(Mercedes me connect)」によるネットワーク化のメリットが用意されている。つまり「ハイ、メルセデス」で起動する。
このアプリを使って、車両の状態や、ワークショップの間隔を遠隔地から確認したり、スケジュールを立てたりすることができるようになっている。

遮音性の向上により、風切り音が室内に入りにくくなっている。細かい処理などはメルセデス・ベンツ特有のテイストとなっている。

商用車にしては高級感のあるPro装備

上級装備である「Pro」のコックピット(レザーステアリングホイール、クロームトリム、メルセデス特有のタービンルックのエアベントなど)は、商用車とは思えないほど高級感がある。
そのため、「Pro」が、上司のための「シタン」のようであるのに対し、「Base」バージョンには、頑丈なハードプラスチックが装備されている。
運転席には実用的な携帯電話ホルダーが装備され、携帯電話などを充電するためのUSBポートも装備されている点はプラスポイントだ。
特に「ツアラー」のリアシートは、簡単に移動&折り畳むことができ、前方に移動したシートを折り畳むと、ほぼ水平な積載スペースが得られるという点が、大きなプラスポイントだ。

シタンツアラーのリアシートは簡単に移動・折り畳むことができる。

装備: エアコンはProバージョンのみ

新型「シタン」のトリムレベルには、「Base」バージョンと「Pro」バージョンがある。
より高価な「Pro」バージョンの装備には、ボディカラーに塗装されたドアハンドル、室内のLEDライト、高さ調節可能な運転席、エアコン、フロントのパワーウインドウ、そしてパネルバンにのみ搭載されている荷室のプラスチックフロアが装備されている。
運転支援システムでは、ヒルスタートアシスト、クロスウィンドアシスト、居眠り運転防止機能を常時搭載している。
さらに、「ツアラー」では、アクティブブレーキアシスト、アクティブレーンディパーチャーウォーニング、交通標識認識システムなどが標準装備されている。
商用車用には、使用目的に合わせて、10種類の装備パッケージが用意されている。
さらに、グランドクリアランス、アンダーボディプロテクション、マッドフラップなどを装備した「コンストラクションサイト(建設現場)」パッケージも用意されている。

エンジン: 最強のディーゼルエンジンが短時間でパワーを発揮

発売当初、メルセデスは3つの出力レベルのディーゼルエンジンと、2つのバリエーションのガソリンエンジンを用意している。
4気筒のディーゼルは、排気量1.5リットル。
75馬力、95馬力、116馬力の3種類が用意されている。
最もパワフルなバージョンでは、パネルバンに特別な機能、追い越し時などに素早く加速するための、「オーバーパワー」機能が備わっている。
1.3リッターのガソリンエンジンには、102馬力と131馬力が用意されている。
標準では、6速マニュアルが搭載され、よりパワフルな2つのエンジンには7速デュアルクラッチが用意されている。

航続距離が約265kmのeシタン

メルセデスは、2022年の後半には、全電動バージョンも追加する予定だ。
すでに公表されているデータによれば、「eシタン」は、同じく2022年に発売予定の「カングー ラピッドE-Techエレクトリック」からパワートレインを流用している。
102馬力、245Nmの電動モーターと、44kWhのバッテリーを搭載し、約285kmの航続距離を実現する。
このバッテリーは、急速充電ステーションで、10%から80%まで40分で充電できる。

2022年後半に発売されるこのEVバージョンは、内燃機関を搭載したシタンと同等のスペースを確保することが期待されている。

【テクニカルデータ】

メルセデス シタン パネルバン108 CDI
● エンジン: 4気筒ディーゼル ● 排気量: 1461cc ● 最高出力: 75PS@3750rpm ● 最大トルク: 230Nm@1750rpm ● 0-100km/h加速: 18秒 ● 最高速度: 152km/h ● 燃費: 18.5~20km/ℓ ● CO2排出量: 143~131g/km

メルセデス シタン パネルバン110 CDI
● エンジン: 4気筒ディーゼル ● 排気量: 1461cc ● 最高出力: 95PS@3750rpm ● 最大トルク: 260Nm@1750rpm ● 0-100km/h加速: 13.8秒 ● 最高速度: 164km/h ● 燃費: 17.8~20km/ℓ ● CO2排出量: 146~131g/km

メルセデス シタン パネルバン112 CDI
● エンジン: 4気筒ディーゼル ● 排気量: 1461cc ● 最高出力: 116PS@3750rpm ● 最大トルク: 270Nm@1750rpm ● 0-100km/h加速: 11.7秒 ● 最高速度: 175km/h ● 燃費: 17.2~18.8km/ℓ ● CO2排出量: 153~138g/km

メルセデス シタン パネルバン110
● エンジン: 4気筒ガソリン ● 排気量: 1332cc ● 最高出力: 102PS@5000rpm ● 最大トルク: 240Nm@1600rpm ● 0-100km/h加速: 14.3秒 ● 最高速度: 183km/h ● 燃費: 13.8~15.3km/ℓ ● CO2排出量: 162~147g/km

メルセデス シタン パネルバン113
● エンジン: 4気筒ガソリン ● 排気量: 1332cc ● 最高出力: 131PS@5000rpm ● 最大トルク: 240Nm@1600rpm ● 0-100km/h加速: 12秒 ● 最高速度: 183km/h ● 燃費: 14~15.6km/ℓ ● CO2排出量: 161~146g/km

メルセデス シタン トゥアラー110 CDI
● エンジン: 4気筒ディーゼル ● 排気量: 1461cc ● 最高出力: 116PS@3750rpm ● 最大トルク: 260Nm@1750rpm ● 0-100km/h加速: 15.5秒 ● 最高速度: 164km/h ● 燃費: 17.8~19.2km/ℓ ● CO2排出量: 146~136g/km

メルセデス シタン トゥアラー110
● エンジン: 4気筒ガソリン ● 排気量: 1332cc ● 最高出力: 102PS@4500rpm ● 最大トルク: 200Nm@1500rpm ● 0-100km/h加速: 14.7秒 ● 最高速度: 168km/h ● 燃費: 14~15.1km/ℓ ● CO2排出量: 161~151g/km

メルセデス シタン トゥアラー113
● エンジン: 4気筒ガソリン ● 排気量: 1332cc ● 最高出力: 131PS@5000rpm ● 最大トルク: 240Nm@1600rpm ● 0-100km/h加速: 13秒 ● 最高速度: 183km/h ● 燃費: 14~15.1km/ℓ ● CO2排出量: 161~149g/km

結論:
ハイルーフのステーションワゴンは、実用性、柔軟性、機能性を重視している。
新型「シタン」は、充実した安全装備とMBUXでさらにポイントを獲得している。

Text: Helene Schmidt, Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: Daimler AG

自由テキスト おうちヨガ 生産者さんから旬の食材が買える ポケットマルシェ