全地形対応型Cクラス 新型メルセデスCクラスTモデル オールテレイン登場
2021年8月28日
新型メルセデスCクラスオールテレイ(All-Terrain)の全情報。
新型Cクラスには、オールテレインモデルが初めて用意される。このステーションワゴンは、全輪駆動、より高い地上高、独自のドライビングモードを備えている。すべての情報はこちら。
➤ 価格と市場ローンチ時期
➤ 外観とサイズ
➤ インテリア
➤ 装備
➤ エンジンラインナップ
➤ テクニカルデータ
メルセデスCクラス オールテレインの価格と市場投入について
新型「メルセデスCクラス」に、初めて車高の高い、「オールテレイン」モデルが設定された。
しかし、この新しい悪路装備が搭載されるのは、エステートモデルのみだ。
このステーションワゴンには、四輪駆動、より高い地上高、特別なオフロード走行プログラムが標準装備され、より大きなホイールが採用されている。
メルセデスは、すでに、「Cクラス」の全地形型モデルを発表したが、正式なワールドプレミアは、ミュンヘンで開催されるIAA(2021年9月7日~12日)で行われる予定だ。
従って、その時まで、「Cクラス エステート オールテレイン」の価格は明らかにはされない。
「Cクラス」の現在の価格から推測するに、価格は5万ユーロ(約650万円)以上からになると想定している。
このクルマは、おそらく、12月にはディーラーショールームに並び始めるだろう。
外観: 独自のグリルとスカートを持つCクラス オールテレイン
「オールテレイン」は、外観でも標準的なステーションワゴンとは一線を画している。
グリルに備わった、典型的なクロームのクロスストラットは、やや幅広で途切れている。
グリルには、通常の「Cクラス」とは異なり、黒い縦の支柱が配されている。
エプロンも特徴的で、特にフロントとリアに表示された、アンダーライドプロテクションエレメントが目を引く。
リアでは、ダークグレーのエプロンが、ローディングシルまで伸びており、クロームガードが装着されていることで、エステートは、再び頑丈なクルマであることをアピールしている。
もちろん、このような車にはなくてはならないものがある。
それは、ホイールアーチにたっぷりとした、オーバーフェンダーが施されていることだ。
サイズ: 通常のTモデルよりも背が高く、幅が広い
標準の「Tモデル」と比較して、「オールテレイン」はより長く、より広く、より高くなっている。
グランドクリアランスを、40mm拡大したことで、車高が向上し、車幅が21mm拡大、スカートの形状を変更したことでステーションワゴンの全長は4mm拡大している。
サイズ一覧:
● 全長: 4755mm
● 全幅: 1841mm
● 全高: 1494mm
● ホイールベース: 2865mm
● トランク容量: 490~1510リットル
● 牽引能力: 1,800kg
インテリア: コンパス付きオフロードディスプレイ
インテリアにはほとんど変化はない。
もちろん「オールテレイン」にも、新しい「Cクラスプラス」のデジタルコックピットのアップライトディスプレイも搭載されている。
これは標準では10.25インチのサイズだが、追加料金で12.3インチに交換できる。
バックグラウンドでは、現行の「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)」システムが作動する。
そして、その他に、オフロード用のディスプレイが別に用意されている。
これは、勾配や傾斜、ステアリングアングルなどの情報を提供し、地理座標やコンパスを表示する。
フロントシートには、オプションでマッサージ機能があり、リアベンチにはシートヒーターが装備されている。
1,510リットルの容量を持つラゲッジルームへは、電動テールゲートから簡単にアクセスできるようになっている。
装備: トレーラー使用時に必要に応じて可動するESP(横滑り防止装置)
「Cクラス エステート」のSUV仕様を求める人は、牽引車としての関心が高いと思われ、メルセデスもそれを承知している。
そのため、オプションのトレーラーヒッチには、トレーラー走行時のESP(横滑り防止装置)が搭載されている。
このシステムは、トレーラーが揺れ始めると、65km/hから作動するようになっている。
車輪に交互にブレーキをかけることで影響を軽減し、必要に応じて牽引車全体にブレーキをかける。
また、トレーラーアシスタント(有償)も用意されている。
トレーラーアシスタントは、ステアリングの角度を維持することで操縦をサポートする。
インフォテイメントを介して、ドライバーは希望する操作と、トレーラーが後退する角度を選択できるようになっている。
最大90度まで自由に調整できる。
また、カメラで様々な角度から撮影された映像は、操舵時のコントロールに役立つようになっている。
オフロードでの2つの走行プログラムを追加
「Cクラス オールテレイン」には、オフロード走行に適した大径ホイールを採用している。
その17〜19インチのホイールには、専用のデザインが施されている。
また、路面に合わせて調整するパッシブダンパーシステムを採用した、コンフォートサスペンションを標準装備している。
さらに、2つのドライビングモードが追加されている。
未舗装路や砂利、砂地を走る際の、「オフロード」と、やや重く険しい道を走る際の、「オフロード+」だ。
オプションの「デジタルライト」を搭載している場合は、2つの走行プログラムに合わせてライトも変化し、オフロードプログラムのいずれかが選択されている場合は、より広範囲に地形を照らし出す。
さらに、このライティング技術には、プロジェクション機能を追加することができるようにもなっている。
工事現場では、ヘッドライトが地面にガイドラインを描いたり、一方通行の道を逆走してしまった時には、警告マークを表示したりするようになっている。
エンジンラインナップ: ディーゼルエンジン1基&ガソリンエンジン1基
エンジンの種類は、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンが1基ずつあり、それぞれがマイルドハイブリッドドライブとして設定されている(どちらも通常のCクラスですでに発表されているエンジンバリエーションである)。
ガソリンエンジンは、スタータージェネレーターを内蔵した1.5リッター4気筒で、最高出力204馬力、最大トルク300Nmを発揮する。
2リッターのディーゼルは、スペックシート上では200馬力、440Nmで、スタータージェネレーターや48Vの補助電源も搭載している。
テクニカルデータ: メルセデスC 200 4MATICオールテレイン
● エンジン: 4気筒ガソリン ● 排気量: 1496cc ● 最高出力: 204PS@5800~6100rpm ● 追加出力(ブースト): 20PS ● 最大トルク: 300Nm@1800~4000rpm ● 追加トルク(ブースト): 200Nm
テクニカルデータ: メルセデスC 220d 4MATICオールテレイン
● エンジン: 4気筒ディーゼル ● 排気量: 1993cc ● 最高出力: 200PS@4200rpm ● 追加出力(ブースト): 20PS ● 最大トルク: 440Nm@1800~2800rpm ● 追加トルク(ブースト): 200Nm
今までなかったことのほうが不思議ではあったが、今回の「Cクラス」で、初めて登場した「オールテレイン」モデル。もちろん我が国にも導入されるだろう。
普通のワゴンでは物足りないが、SUVほどの車高の高さは必要ないという層にとっては、かっこうな一台となるはずである。しかし日本では爆発的人気になるかどうかは、ちょっとわからない。
というのも、今まで「Eクラスワゴン」には、「オールテレイン」モデルがあったが、実際には、それほどの台数が売れたわけではなく、普通の「ステーションワゴン」モデルのほうが圧倒的に大多数であったからだ。とはいっても、「Eクラス」より、カジュアルで、よりアクティブなユーザーが選ぶことが多いと思われる、「Cクラス」のほうが、「オールテレイン」モデルも受入れられやすいと思うし、価格によってはスマッシュヒットになるかもしれない。
普通の「ステーションワゴン」と「オールテレイン」で駆動方法と車高の違いが、いったいどれぐらい異なるのか、実際に乗り比べてみたいものである。
Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: Daimler AG