新型トヨタ アイゴ プロトタイプ テスト中のスクープ写真 最新情報!
2021年8月6日
まもなくトヨタ アイゴは第3ラウンドに突入する。新型はハイブリッド?
「Xプロローグコンセプト」で、トヨタは、次期アイゴのプレビューを行った。そして、今回は、カモフラージュされたプロトタイプが目撃された。ここでは、新型アイゴについて現時点でわかっていることを紹介する。
➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ 外観
➤ プラットフォーム
➤ エンジンラインナップ
➤ アイゴ クロス
第3世代のアイゴはおそらく2022年初頭に登場
現在、サブコンパクトカーは苦戦している。
少なくともSUVの気配を漂わせていないものは、中程度の人気しかないようだ。
また、進行中の電動化も、高価なものになるため、この価格に敏感なセグメントでは、実現化に苦戦しているのが現状だ。
だからこそ、トヨタが、実際に第3世代の「アイゴ」を発売することには、より一層の驚きがある。
今回、我々のプロトタイプハンターが、厳重なカモフラージュを施したプロトタイプを、初めて、撮影した。
生産バージョンは、おそらく2022年初頭に登場し、価格は約12,000ユーロ(約158万円)からとなると想定される。
フロントの「X」はおそらく歴史となる
厚いカモフラージュの化粧のため、デザインについてはまだ多くを語ることができない。
しかし、先に発表された、「Xプロローグコンセプト(X Prologue Concept)」に比べて、「アイゴ」はクロスオーバーらしさが大幅に減少しているように見える。
一番外側の角にあるホイールが印象的で、それが小さな一台を、よりずんぐりしたものに見せているからだ。
フロントの印象的な「X」デザインの時代はもう終わったのだろう。
代わりに、フロントはC型のヘッドライトが特徴的で、おそらくスタディモデルの連続したLEDストリップも、まだカモフラージュで正確にはほとんど見えていない。
また、台形の2分割されたラジエターグリルが、プロトタイプには見られる。
ドアハンドルはフラッシュではなくブラケット
リアには、水平方向のライトが残っているが、より強調されたものになっている。
現時点では、フロントと同様に、連続したライトストリップが採用されるかどうかは明らかではない。
また、リアエプロンには、水平方向のリフレクターではなく、垂直方向のリフレクターが採用されている。
試作車のドアには、従来のU(弓形)ハンドルが採用されている。
「Xプロローグコンセプト」のような、開閉式のものはコストがかかりすぎるためだろう。
また、先代モデルでは、すでに採用されていた、ヘッドルームを確保するためのいわば「波状」のルーフもはっきりと確認できる。その部分も新型ではさらに強調されているようだ。
ヤリスとヤリス クロスのプラットフォーム
「プジョー108」と「シトロエンC1」という、かつてのフランスの双子コンパクトカーが市場から撤退し、生産中止となる可能性が高いため、3代目「アイゴ」は、「TNGA-B」プラットフォームをベースに開発されている。
このプラットフォームは、「ヤリス」や「ヤリス クロス」にも採用されており、トヨタのチェコ工場でも生産される。
新しいプラットフォームの採用により、サイズが若干大きくなり、乗員と荷物のスペースがより広くなる。
その他、新しいインフォテイメントや、より洗練された素材を使用したインテリアなどが期待できる。
アイゴに初めてハイブリッドを搭載したモデルも登場する
エンジン面では、おそらく70馬力前後の3気筒ガソリンエンジンが残り、トランスミッションは、マニュアルかオートマチックが選択できるようになるだろう。
しかし、「TNGA-B」プラットフォームであれば、新しいハイブリッドシステム搭載も可能だ。
1.5リッターの3気筒エンジンと、116馬力の電動モーターを組み合わせた、「ヤリス」同様のモデルも可能だろう。
しかし、トヨタは、「アイゴ」の電動化のために、1リッター3気筒エンジン(72馬力)に頼ることも考えられる。
現時点では、トヨタが実際にこのクラスにハイブリッド技術を持ち込むかどうかは未知数である。
一方で、純粋な電気自動車の可能性は低いと思われる。
価格は1万2,000ユーロ弱の見込み
トヨタが、「ヤリス」に似た、「アイゴ」のクロスバージョンを発売する可能性も十分にあり、その場合は、「Xプロローグコンセプト」に近いものになるだろう。
その際には、アンダーライドプロテクター、独立したドライビングモード、その他の装備の詳細が予想される。
通常の「アイゴ」は、2021年末に発表され、2022年初頭に市場投入される可能性がある。
新世代の価格は多少上昇すると思われる。
現行モデルは11,190ユーロ(約147万円)からだったが、「アイゴ 3」は12,000ユーロ(約158万円)からとなる可能性が高い。
結論:
コンパクトカーの需要が低い中、トヨタが新型「アイゴ」を出すというのは、かなり勇気がいることだ。
この最小サイズのクルマに、ハイブリッドドライブを搭載するのは、価格が高唸ることが想定され、さらに勇気のいることだ。
これが実際に実現するかどうかはまだわからない。
しかし、この小型車に、スタイリッシュなクロスバージョンが登場すれば、販売台数に貢献することは間違いないだろう。
シトロエンともプジョーとも兄弟だった「アイゴ」ではあるが、やはりこういう小さな自動車は利幅も小さく、特に最近のデジタルデバイスやハイブリッドシステムを持つことが必須となった時代には、なかなか美味しいビジネスにはならないのだろう。
昔のように、こういう小さな自動車が一番売れるという時代でもないし、日々変化していく世の中の流れに追いつくということだけでも精一杯なのに、なかなか開発にも手が回らないというのも正直なところなのかもしれない。開発中のプロトタイプは、おそらく、トヨタが主体になって開発を手がけているものと推測されるが、そうであるならば、ダイハツのノウハウなども動員されているのかもしれない。
そう、この分野では、軽自動車が圧倒的にリードしているともいえるし、日本のお家芸としての軽自動車は世界的にも優れた商品なのだと思う。そういう意味でも、この分野を世界的にリードしていくためにも、ダイハツ、スズキ、ミツビシ、ホンダが、「日本チーム」として、手を組んで行くこともこれからは必要なのではないだろうか。ぜひ頑張ってほしい。
Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: AUTOBILD