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ガチンコ勝負: McLaren 600LT vs Mercedes-AMG GT R Pro

2020年3月7日

スーパーアスリート対決

マクラーレン600LTとメルセデスAMG GT R Pro。どちらもシリーズのトップモデルだ。LTはロングテールという意味であり、つまり600LTが特にスポーティなことを強調しているネーミングといえる。同様のことが、メルセデスAMG GT RのあとについているProにも言える。AUTO BILD SPORTSCARSはこの2台をユーロスピードウェイ・ラウジッツに持ち込んでテスト、比較してみた。
※ユーロスピードウェイ・ラウジッツ(旧称ラウジッツリンク)は、ドイツのブランデンブルク州南部にあるサーキット。

可能な限り多くのドライビングの喜びを生み出す2台の異なるモデル

とてもクラッシックな装いのAMGの場合、フロントエンジントランスアクスルリアドライブレイアウトに、特徴的なロングノーズ、丸いリアエンド、やや窮屈なパッセンジャーコンパートメントという成り立ちだ。一方マクラーレンは、ミドエンジンレイアウトにウェッジシェイプというネオクラシックな装いだ。
この英国車であるマクラーレンのデザインに対しては人さまざまでみんな異なるリアクションがある。気まぐれなデザインだという人もいれば、遊び心があるという人もいる。あるいは、攻撃的でなく好もしいという人もいれば、まったく反対の意見のひともいるというなんとも悩ましいデザインだ。
もう一方のAMG GT R Proのシートにくるまれて感じるのは不毛な禁欲主義ではなく、純粋な豊かさだ。非常に幅の広いセンターコンソール、マイクロファイバーステアリングホイールは非常に素晴らしいデバイスで、典型的なメルセデスの印象だ。
一方で我々のスポーツ心を刺激する3つの要素が存在する。貝殻のようなかたちのシート、4点式シートベルト、そしてセンターコンソール上部の換気ノズルの下にある人目を引く黄色のノブの3つだ。

ロングノーズにラウンドテールエンドと、クラシックなスタイルを踏襲し続けるメルセデス。

ミニマリスト

マクラーレン600LTは最初から豪華さは放棄し、簡素化に努めている。内装も可能な限り最小限の機能で対応しようとする様が見て取れる。ドライバーの目の前には、薄手のステアリングホイールと、その後ろの左右に備わった2つのレバーならびにロッカースイッチ、そしてドライビングデータ用のTFTディスプレーがある。着座位置は非常にスポーティで低く、ドライビングに適した完璧なポジショニングだ。たくさんのベアカーボンに囲まれ、ステアリングホイールを握れば、地平線の彼方へとスタートを切るのが待ちきれない。

AMG GT R ProのロングストロークツインターボV8(585ps&700Nm)は、低く野太い唸りとともに目覚める。600LTの同じくツインターボV8(600ps&620Nm)はエンジンサウンドもとても素晴らしく、特に5000回転以上で音響的エクスタシーを奏でる。

他のマクラーレンモデル同様、この600LTも素晴らしいスプリンターだ。0-100km/h加速は2.9秒。ちなみにAMG GT R Proは3.5秒を必要とする。さらに600LTの0-200km/h加速は8.2秒で、これはなんとGT R Proより2.2秒も速い!

しかし、レーストラック上ではマクラーレンは少し不利な立場になってしまうこともある。AMG GT R Proには非常に良好に、適切に機能するトラクションコントロールが装着されているのがその理由だが、しかし幸いにもマクラーレンのステアリングはそれを補って余りある優れたものだった。

マクラーレンのエクステリアデザインには多少の遊び心も見受けられるが、インテリアは非常に簡素だ。

またロングテールを略したLTはF1からもたらされたものであり、トップスポーツモデルを意味する。車重に関しては、600LTはマクラーレン570Sクーペよりも100kg軽く、他のLTモデル同様、空力的にも非常に洗練されたボディを備える。グリップ力の非常に優れたピレリPゼロトロフェオRタイヤが標準装備されている。非常に目標指向で、妥協なしの非常にクールなスポーツカーといえよう。

ブレーキング

ハードブレーキング時にも、マクラーレンはステアリング操作によって容易にコントロール可能で、存分にサーキット走行を楽しめる。それに比べるとメルセデスはやや敏捷性に欠けるものの、神経質にならなくてもいいレベルで、無限に可変なトラクションコントロールを活用して、より簡単にフルスピードでコーナリングを楽しめる。加えて、非常にきびきびしたフロントアクスルによって、ヘビーウェイトでありながら、非常に良い感触を得ることができる。
ブレーキはどちらのモデルも称賛すべきレベルである。両モデルともとても良いフィーリングで、コーナーでのブレーキング性能も大変高く、正確だからだ。

テスト終了時の4つの数字

一騎打ちの結果、ベストラップタイムを記録したのはメルセデスAMG GT R Pro
で、1分28秒39だった。マクラーレン600LTはその1秒遅れの1分29秒40だった。
一方、別の数字ではマクラーレンの勝ちだった。600LTの最高速度269.3km/hに対し、AMG GT R Proは253km/hだった。

安定性: 600LTは固定式リアウィングにもコーナリング性能やブレーキ性能などを頼っている。

The conclusion

非常にスペシャルな2台のハイエンドアスリート!AMG GT R Proはシャープなシャシーとハイパフォーマンスエンジンで戦い、マクラーレンはライトウェイトと最高のハンドリングで対抗する。そしてそれは対照的な魅力といえよう。

Text: Ralf Kund
Photos: Ronald Sassen / AUTO BILD