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初テスト テスラの自律運転技術を試す テスラ モデルYによる自律運転をアメリカの高速道路でテスト その結果は?

2021年7月19日

テスラ モデルY(2021モデル)。アメリカにおけるその自律運転システムの初テスト。高速道路でテスラ モデルYを試してみた。テスラ モデルYは、今秋、欧州にやってくる。その前に我々は、このテスラ製eクロスオーバーをアメリカで試乗してみた。そして、高速道路上で、時速80kmでステアリングホイールから手を離してみた! 以下にレポート。

今、事態は急速に進んでいる。
テスラは「モデルY」のスケジュールを修正し、その結果、早ければ2021年8月には、最初の顧客車両がドイツに到着することになる。
これらの車両は、全輪駆動の「モデルYロングレンジ」で、航続距離は505kmとされている。
ただし、よく知られているように、ベルリンにあるギガファクトリーの最終承認がまだ得られていないため、この車はまだドイツで生産されたものではなく、「モデルY」は当面、上海から輸入されることになる。
ドイツでは、エコボーナスのメーカー負担分を含むベース価格は、57,970ユーロ(約771万円、政府のエコボーナスを差し引いて55,470ユーロ=約737万円)だ。
「モデルY」をいち早く体験してみるために、我々は、アメリカで、実際に、「モデルYデュアルモード」に乗ってみた!

我々は神を信じている。そしてイーロン マスクのことも。
一部のテスラ信者にとっては、この2つは同一人物である。
私は今、ニューヨーク近郊のジャージーシティにある、「ハイウェイ78号線」を、時速80kmほどで走っている。
そこは5車線で交通量も多い。
そして、ステアリングホイールの右レバーを2回叩くと、信号音が鳴り、ディスプレイに緑色のマークが表示され、オートパイロットが作動し始める。
最初は慎重に、しかし次第に決断力を持って、私はステアリングホイールから手を放し、ペダルから足を離し、カメラ、レーダー、ソフトウェアに自分の命を託した。
高速道路がかなりの急カーブを曲がるとき、私は胸の前で腕組みをして考えた。
テストの前に、妻と子供にもう一度愛していると言うべきだったのか?

モデルYにも本物の自動操縦(オートパイロット)装置はない

勇気の要る行動。テスラ モデルYは、自律走行が可能だが、その技術にも限界がある。

しかし、私の「テスラ モデルY」は、カーブに入るのが少し遅かったり、外側に出過ぎたりするように感じても、曲がりくねった道にきちんと付いて来てくれた。
それでも私は、ステアリングホイールから10cm以上、手を離さなかった。
車は隙間を縫って、自動的に自力でトラックを追い抜く。
そして、ナビの通りの、出口を見つける。
私は安心して、後部座席のサンドイッチを取ろうと、後ろを振り向いた。
すると突然、警報が鳴った。
「モデルY」が、私に速やかに運転を代わってくれと言う。
車線の表示が消えているのだ。
必死になってハンドルを握る。
車は右に小さくジャンプし、私はそれを何とか制御した。
そしてその後は、混雑した高速道路を、自律運転で、時速80kmで走ることに慣れることは最後まで、できなかった。
そう、テスラの「オートパイロット」(これは正確には「オートパイロット」ではない!)には、落とし穴があるのだ。
ここ、アメリカでは、無謀なドライバーが、自分自身をトラブルに巻き込むことが多いため、様々なアクシデントやインシデントが再び話題になっている。

テスラは今や後部座席にも余裕がある

モデル3よりも高く、長い。モデルYは、後部座席にも余裕があり、3列目のシートも可能となっている。

「モデル3」には、何度か乗ったことがあるので、「モデルY」に驚くことはない。
技術があまりにも似ているからだ。
しかし、全長4.75メートルのこのクロスオーバーは、「モデル3」よりも、6センチ長く、7センチ広く、そして何よりも18センチも高いのだ。
これは、「VW ID.4」などとの比較でも明らかだ。
その差は、後部の巨大な収納スペース(3列目の2人掛けシートも可能)にも表れているが、特に後部座席は広い。
私(1.92メートル)の頭上には、巨大なパノラマルーフまでの実際の空間が広がっていた。

また、ステアリングホイールに2つのボタン、中央に1つのスクリーンのみという、「モデルY」のミニマルなデザインにも感心した。
しかし、もちろん誰もがそれを好むわけではない。
また、エクステリアミラーを調整したり、グローブボックスを開けたりするのに、タブレットのサブメニューを押さなければならないのも理解できない。

価格: モデルYの価格は最低でも58,620ユーロ(約780万円)

高価な喜び。テスラのモデルYは、ベースモデルでも6万ユーロ(約800万円)の大台に乗る。

運転は、これ以上ないほど簡単だ。
注意深く運転していれば、カメラやセンサーが追加で見守ってくれるので、車を衝突させることは不可能だと思われる。
「パフォーマンスパッケージ」を装着していない場合は、それほど露骨ではないが、加速はおなじみの強烈なものだ。
一方で、米国の悪路でのシャシーの荒々しさには驚かされる。
ソフトウェアの新バージョンにより、テスラはさらに効率が上がっているが、約束された500kmの航続距離は、実際には達成できそうにない。
それと、素材や仕上がりに関する不満は常に付いてくるだろう。
しかし、我々のレンタカー(プレスカー=広報車ではない)は、ギャップが完璧で、18,000km走っていても、大きな摩耗の兆候は見られなかった。

テクニカルデータ: テスラ モデルYデュアルモーター
● パワーユニット: 電動モーター2基 ● 最高出力: 258kW(351PS) ● 最大トルク: 527Nm ● 駆動方式: 全輪駆動、1速AT ● バッテリー: 75kWh ● 航続距離: 最大505km ● バッテリー消費量: 17.1kWh/100km ● 0-100 km/h加速: 5.1秒 ● 最高速度: 217km/h 全長×全幅×全高: 4751×1921×1624mm • 乾燥重量: 2003kg ● トランク容量: 最大1,900リットル ● 価格: 57,970ユーロ(約780万円)より

結論:
「モデル3」の方がきれいだと思うが、「モデルY」の方が実用的だ。
しかし自律運転システムはちょっと怖い。
交通量の多い高速道路を時速80マイルで走るときに、テクノロジーを完全に信頼することは、我々にはまだできないことだ。
アメリカでは、膨大な数のテスラが販売されているが、他のドライバーも同じように感じてくれることを願っている。
でも、そのオートパイロットシステムを全面的に信頼するのは、やめたほうがいいとアドバイスしておこう。
AUTO BILDテストスコア: 2

高速で走行中の自動車の自動運転システムにすべてをまかせて、あなたは手を離せるか?
そしてそれがテスラだったら??
渋滞時に、ストップアンドゴーを支援してくれるアダプティブクルーズコントロールシステムでも、いつでも対応できるように、と思って使っている私にとっては、今の段階で高速道路を車に全面的に主導権を握らせて、両手離しで、よそ見をしながら乗るような豪胆さは残念ながら持ち合わせていない。
車線が消えていたり(合流分岐していたり)、他の車の急な割り込みだってあるだろうし、そもそも今の自動運転技術は、まだまだ、未完成の部分も多く、それがテスラならなおのこと、すべてを自動運転に任せるなどということはとてもできない話である。
もちろん、これからの進化を否定しないし、個人的にはもっともっと完成度があがることを期待している。しかし私たちがその過程で、モルモットになることなど、あってはならないことであることも事実なのである。

Text: Hauke Schrieber and Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: D. Byrne / AUTO BILD