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フェラーリからV6ニューモデル登場 新型フェラーリ296 GTBに関するすべての情報!

2021年7月3日

純粋に電気のみで走ることができる新型フェラーリ登場。

フェラーリ296 GTBは、純粋な電動モードで25キロ走行可能だ。新型296 GTBは、完全新開発のV6ハイブリッドを搭載し、システム出力は830馬力となる。

フェラーリが慣習を覆す

新型「フェラーリ296 GTB」は、純粋な電気駆動が可能なプラグインハイブリッドであるだけでなく、V6ツインターボエンジンを搭載した、初の市販車のフェラーリでもある。
しかし、830馬力のシステム出力と1,470kgの車重が組み合わされば、印象的なドライビングパフォーマンスがプログラムされているので、性能的には心配はない。
我々は、マラネロの新しいスーパースポーツカーの情報をお伝えする。

➤ エンジン
➤ 外観とデザイン
➤ エアロダイナミクス(空力特性)
➤ インテリア
➤ 価格と市場ローンチ時期

システム出力830馬力の新開発V6。
「296 GTB」は、2020年に発表された、1,000馬力の「SF90ストラダーレ」に続く、ブランド2番目のプラグインハイブリッド車であり、「ラ フェラーリ」とともに、すべての電動パワーによる駆動が可能な3番目のモデルとなる。
「296 GTB」に搭載された、7.45kWhのバッテリーは、最高速度135km/hで25kmの純粋な電動走行が可能なエネルギーを供給する。
しかし、本当のハイライトは、V6ツインターボエンジンだ。
そして、このエンジンは、アルファが「QV」モデルに搭載している2.9リッターでも、「マセラティMC20」のパワープラントでもない。
フェラーリは「296 GTB」のためにまったく新しいパワーユニットを開発し、V8ターボや自然吸気のV12エンジンと並ぶポートフォリオを拡充したのである。
厳密に言えば、この2992ccのV6は、公道走行可能なフェラーリ初の6気筒ということになる。
なぜなら、現在流通している「206GT」や「246GTディーノ」は、かつて公式にはフェラーリのロゴを付けていなかったからだ。

296 GTBのフロントビューは、兄貴分のSF90ストラダーレに似ている。

「SF90ストラダーレ」の下に位置する「296 GTB」が、早々にエントリーモデルのレッテルを貼られないように、フェラーリのエンジニアはあらゆる手を尽くした。
例えば、V6のバンク角は120度で、2つのターボチャージャーをいわゆる「ホットV」としてシリンダーバンク内に配置するための十分なスペースを確保している。
最高出力663馬力、1リッターあたり出力221馬力のV6は、720馬力を後輪に送り込む兄貴分の「F8トリブート」の3.9リッターV8に比べても、この状態でもほとんど弱くなっていない。
しかし、「296 GTB(最初の2桁が排気量、最後の1桁が気筒数)」は、リアに122kW(167馬力)の電動モーターも搭載しているため、システム出力830馬力で、「F8」を明らかに凌駕している。
しかし、全輪駆動の「SF90」とは異なり、「296 GTB」の動力は後輪にのみ供給される。
トランスミッションには、おなじみの8速デュアルクラッチ(DCT)を採用している。

フェラーリ296GTBの最も重要な情報一覧:
● 7.45kWhのバッテリーを搭載したプラグインハイブリッド車
● 25kmの純電動航続距離
● 新開発のV型6気筒ツインターボ、最高出力663馬力
● 122kW(167馬力)の電動モーター
● システム出力830馬力
● 後輪駆動
● 8速デュアルクラッチトランスミッション
● 0-100加速2.9秒/0-200km/h加速7.3秒
● 最高速度330km/h以上
● アクティブ エアロダイナミクス
● 「アセットゥ フィオラノ パッケージ」をオプション設定
● 2022年春からデリバリー開始
● イタリアでのベース価格は約270,000ユーロ(約3,600万円)より

0-200km/h加速7.3秒

「F8トリブート」と「296 GTB」は、0から100km/hまでのスプリントタイムが、2.9秒と同程度だ。
しかし、200km/hまでは、全長4.57m、全幅1.96mの「296 GTB」が兄貴分よりも0.5秒速い。
静止状態からの200km/h到達は、7.3秒という驚異的な速さで、イタリア人は、最高速度を330km/h以上と表現している。
特にフェラーリでは、エモーショナルな部分を軽視してはならないため、新しいV6のサウンドにも多くの注意が払われた。
マラネロでの最終結果に満足した彼らは、1-6-3-4-2-5の6気筒エンジンに「ピッコロV12」というニックネームを付けた。

新型296 GTBのビジュアルモデル: 1000馬力のSF90ストラダーレ(写真)。

296 GTBはSF90ストラダーレに似ている

「296 GTB」のビジュアルは、明らかに「SF90ストラダーレ」をベースにしている。
この類似性は、特にフロントに顕著に表れていて、両モデルともに、ウインドシールドはヘルメットのバイザーのように、サイドウィンドウにシームレスに溶け込むようにデザインされている。
このデザインは、「J50」や「P80/C」などの少量生産シリーズモデルやワンオフモデルでもお馴染みの手法だ。
プロフィールを見ると、「296 GTB」は4.57mと、「SF90」の4.70mに比べてはるかに短いことが見て取れる。
そして、ホイールベースも、「296 GTB」のほうが5cm短い。
新型フェラーリの外観上のハイライトは、強く強調された曲線のリアフェンダーだ。
これは、適切な冷却風を供給するためだけでなく、伝説的な「フェラーリ250LM」へのオマージュでもある。

250LMを彷彿とさせる、大きく強調されたリアサイドパネルが目立つ。

「296 GTB」のリアは、独立した形をしている。
小さなテールライトは、「ローマ」のものに似ているが、長方形のセンターエグゾーストは、ストリートリーガルのフェラーリがこの形で着用したことのないディテールとなっている。
立体的な特殊ガラスを用いたエンジンカバーも、「296 GTB」のために開発されたものだ。
標準装備のホイールは20インチで、こちらも新設計だ。
「SF90」や「488ピスタ」と同様に、8kgの軽量化を実現するための高価なカーボンホイールも用意されている。

リアで最も印象的なのは、他のフェラーリにはない、中央の長方形のエキゾーストだ。

アセットフィオラノパッケージの追加料金

フェラーリでは、少なくとも「458スペチアーレ」以来、アクティブエアロダイナミクスが重要な役割を果たしている。
「296 GTB」には、「ラ フェラーリ」と同様のアクティブリアスポイラーが装備されており、ディフューザーや、オプションのアセットフィオラノパッケージ(Assetto Fiorano Package)との組み合わせにより、250km/hで最大360kgのダウンフォースを発生させることができるようになっている。
アクティブエアロダイナミクスの利点は、フェラーリが他の現行モデルと同様に、固定式のリアウィングを廃止できるということでもあり、その結果、ルックスは、クリーンでエレガントなものとなっている。
「SF90」と同様に、フェラーリは「296 GTB」にも「アセットフィオラノパッケージ」と呼ばれるパッケージを追加料金で提供している。
この軽量パッケージには、アジャスタブルショックアブソーバー、ミシュラン製スポーツカップ2Rタイヤ、それだけで15kgの軽量化を実現するとされるレキサン製ボンネット、内外装のカーボン、そして「250LM」を彷彿とさせるパッケージ専用の特別なカラーリングが含まれている。

eマネッティーノを搭載したフェラーリ296GTB

新型「296 GTB」のコックピットには、2世代目マネッティーノ(車両統合制御装置)が搭載されている。
ご存知の通り、マネッティーノは、F1で戦うために開発され使われ、F430を始めとして、何世代にもわたって、フェラーリの市販モデルにフィードバックされた、ステアリングに組み込まれた、直接的な「ドライビングモードスイッチ」のことだ。
「296 GTB」にももちろん搭載されているが、それに加えて、電動モードと燃焼モードを切り替えるための第2のスイッチが追加されている。
いわゆる「eマネッティーノ(eManettino)」には、「eドライブ」、「ハイブリッド」、「パフォーマンス」、そして「クオリファイ」という4つのモードが備わっている。
もっとも、厳密に言えば、「eマネッティーノ」は、2020年に「SF90」がすでに導入しているので、目新しさはあまりないとはいえる。
そのほかにも、「296 GTB」にはSSC(サイドスリップコントロール)や、専用のABSモジュールなど、技術的な改良が施されている。
また、フルデジタルメーターを採用したインテリアや、「SF90」や「ローマ」からの新しいレイアウトもすでに判明していて、フェラーリはこのスタイルを「ピュア&ミニマリスト」と表現している。

新しいフェラーリのコスト

フェラーリはすでに「296 GTB」を公式に発表しているが、最初のカスタマーカーが納車されるのはおそらく2022年春以降になるだろう。
ドイツでの正式な価格についての情報はまだないものの、イタリアではすでに「296 GTB」が約27万ユーロ(約3,600万円)からとなることが明らかになっている。

Text: Jan Götze
Photo: Ferrari