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初テスト ルノーのスタイリッシュな新型5ドアSUVクーペ ルノー アルカナに初試乗 その性能と実力を評価

2021年6月5日

新しいルノー アルカナは、SUVクーペを手頃なものにしている。

キャプチャーベースのシャシーに、庶民的な価格とスタイル。ルノー アルカナは、クーペラインを持つ最も手頃なSUVだ。廉価版のSUVクーペは何がいいのかをチェックしてみた。

「アルカナ」はハッチバックSUVというニッチな存在の典型だ。
ある人にとっては、SUVに乗るための最も実用的でない方法であり、ある人にとっては、車に乗るための最もおしゃれな方法となる。
どちらにしても、普通のSUVよりもお金のかかる方法だ。
初代「BMW X6」以来、いくつかの模倣車が市場に登場したが、掘り出し物はなかったともいえる。
しかし、「ルノー アルカナ」は、今までとは違う方法を採用して仕立て上げられている。

技術的なベースはキャプチャーから

「ルノー キャプチャー」をベースにしたこのマルチクロスオーバーは、4.57メートルという長さを誇る。
34cmのプラス分は、そのほとんどがリアエンドに消えてしまい、長くて平らなフロントガラスと高いテールゲートに支配されている。
テールゲートを開けると、80年代や90年代のクラシックなハッチバックの記憶が蘇る。
トランクには513リットルの容量があり、大きな買い物や夏休みの旅行には十分な容量だ。
しかし、2分割されたベンチを倒すと、傾斜したルーフが災いして、最大1,296リットルとなり、このクラスでは平均的な容量しかない。
後席のヘッドルームも狭く、ドアの切り込みも深いため、乗り降りの際に頭を打つ危険性がある。
また、ランバーサポートは有料で提供されるが、身長1.8m以上の後席乗員の膝が前席に食い込むため、腰への負担が大きくなる。
一方で、「アルカナ」は空間的にはコンパクトであることに変わりはないものの、前席のスペースは問題ないし、スイッチやディスプレイの配置も理にかなっており、すぐに覚えられる。

「アルカナ」のボンネット内には旧知のユニットが座っている。
メルセデスとの共同開発による1.33リッター4気筒エンジンは、両社の数多くのモデルにさまざまな出力レベルでおり、搭載されている。
「アルカナ」用の140馬力のユニットは滑らかに回転し、260Nmの最大トルクが早い段階で得られ、パワーデリバリーは心地よく安定していて、「アルカナ」ではかなり納得のいく、十分なものになっている。
加速テストでは、100km/hまで9.4秒と、ルノーが約束した時間よりも0.4秒も速く、工場出荷時のスペックを上回っていた。

綺麗に伸びている。アルカナは、その技術的基盤にとどであるキャプチャーと比較して、34cmほど大きくなっている。

燃費の差は、予想以上のものだった。
テスト時の燃費性能は、メーカーの主張する16.9km/ℓに届かず、13.3km/ℓだった。
これは27%の誤差だが、背の高いSUVとしてはまあ妥当な値といえるだろう。
一方で、標準装備の7速デュアルクラッチトランスミッションはマイナスの要素と言える。
特に操舵時には、目的のギアが用意されるまでに時間がかかりすぎる。
強引な発進では不自然なホップでしか成功しないことが多く、5回目の加速ではクラッチが熱くなってフロント全体が振動してしまう。

ややタイトなチューニングにより、快適性は維持されているが、「アルカナ」はスポーティでもなく、実用的なクルマだといえる。
安全性を重視したESPは、早い段階で厳密に作動し、遅れて再び作動するだけだ。
しかし、ハッチバックであっても、このようなコンパクトSUVは、どちらかというとゆったりとしたクルージングに向いている。
そして、AppleやAndroidとの接続が可能な気の利いた「Easy-Link」オペレーティングシステムを楽しむこともできる。
使われている素材がややシンプルであることは、試乗した「インテンス」の29,850ユーロ(約400万円)という適正価格を考えれば許せる。

リーズナブルな価格。ルノーはアルカナ(インテンスバージョン)の価格を29,850ユーロ(約400万円)としている。

結論:
シックなシェルの下で、「アルカナ」は長所と短所を兼ね備えたお行儀の良いコンパクトSUVだ。
一部のシンプルなデザインを補うように、説得力のあるエンジンと、もちろん適正な価格を実現している。
AUTO BILDテストスコア: 3+

このモデルが日本市場へ導入されるかどうかは微妙なところだ。

Text: Malte Büttner, Berend Sanders
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD