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初テスト 中国で生産される電動SUV BMW iX3に試乗 その評価は?

2021年5月19日

I3に搭載されるE-driveはきめ細かく制御されるため、航続距離は(まあ)大丈夫。中国製の純電気自動車であるBMW iX3には、オリジナルに比べて、いくつかの変更点がある。果たしてそれは良いことなのか? 我々はテストしてみた。以下、レポートをお届けする。

BMWは今その遅れを取り戻そうとしている。
2013年に電気自動車の「i3」を発売したときには、BMWはEVメーカーとして先駆者的役割を果たしていた。
しかし、その後、いつの間にか、ライバルメーカーの後塵を拝するに至る。
アウディは2018年から電気自動車のSUV「e-tron」を発売しており、ジャガーも「I-Pace」を発売している。
メルセデスは2019年から「EQC」を供給しており、VWは近々「ID.4」を市場投入する。

そしてBMWは?
やっと「iX3」を出してきた。
ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドの各バージョンに加えて「X3」の電動バージョンとしてのEVである。
つまり、BMW製SUVの購入を考慮している客には選択肢があるのだ。

「BMW X3」は、初めて中国の生産ラインから出荷される。
電気自動車のアーキテクチャを採用した「iX3」は、2021年末に発売される予定だ。
少なくとも「iX3」には、電動モーター、パワーエレクトロニクス、充電技術など、最新世代のeテクノロジーがすでに搭載されている。
「iX3」は中国の寒い北東部にある瀋陽市で製造されているが、これは主にヨーロッパへの輸出のためで、BMWにとって初めての試みとなる。
ちなみに、内燃機関の「X3」は米サウスカロライナ州スパータンバーグで生産されている。
このモデルは、外観的には、電気自動車への変身はあまり目立たない。
グリルが閉じられ、エアロが洗練され、ブルーのアクセントが加えられているくらいだ。
車内は、他の「X3」と同じように見えるし、スペース的にも変わっていない。
フロントもリアも広々としているがバッテリーを積むトランクだけは負けていて、内燃機関モデルの550~1600リットルから、510~1560リットルにやや減少している。

走行性能についても、E-SUVは内燃機関と同等の性能を持っている。
リアアクスルに搭載された電動モーターは、最高出力286馬力、最大トルク400Nmを発揮する。
テストでは、「iX3」は6.8秒で、ゼロから100km/hにまで到達した。
これに対し、2.0リッターガソリンエンジンを搭載した252馬力の「X3 xDrive 30i」は6.5秒だった。
電動モーターは力強く、「iX3」を勢いよく加速させるが、派手さはない。

力強い加速。iX3は、0から100km/hまでを6.8秒で駆け抜けることができる。

高速道路では航続距離が大幅に短くなる
高速道路では、春の日差しに照らされた残雪のように航続距離が溶けていく。
「iX3」は約160km/hまでは軽快に走るが、それ以上になると緊張感が増してくる。いずれにしても、速度は180km/hに制限されている。
車内は驚くほど静かだ。
BMWは、エンジンサウンドが楽しめる、「IconicSounds Electric」(Impressiveでは標準装備)を提供し、ドライバーが飽きないような構成にしている。
ハリウッドサウンドアートの大御所、ハンス ジマー氏の手によるものだ。
加速時や制動時には、リクエストに応じて、暗くて深い、力強い音を聞くことができるようになっている。
トンネルの中でアルプホルン?
ベルクハインのポール ヴァン ダイク?
東京の地下鉄?
おそらく、そのすべてがミックスされているような音だ。
珍しい音だが、正直あまり魅力的ではない。
BMWは、80kWhのバッテリーの航続距離を458kmとしている。

最適な条件下で、iX3は458kmの走行が可能とされている。テストでは306kmしか走れなかった。

我々のテストでは、「iX3」は24.1kWh/100kmの消費で306kmという航続距離だった。
充電は最大11kWのACと最大150kWのDCで可能となっている。
我々の試乗した贅沢な装備の「iX3」は、補助金7,975ユーロ(約106万円)を差し引いて、7万1800ユーロ(約954万円)からとなっている。
新時代のドライビングツールにはそれなりの価格が伴うのである。

結論:
「BMW X3」のモデルラインナップに、今、電動モデルという新しく大きな選択肢が加わった。
そしてこのEバージョンはかなりうまく機能している。
「iX3」は、広さ、快適さを備えている上に、気持ちよく走ることができる。
Eドライブはきめ細かく調整されており、航続距離も(まあ)問題ないレベルと言える。
AUTO BILDテストスコア: 2

Text: Dirk Branke, Berend Sanders
Photo: Christoph Börries / AUTO BILD