9台しか作られなかったザガートTZ3ストラダーレ(2010)、その価格は?
2020年3月4日
ダッジ ヴァイパーの遺伝子を持つアルファロメオ
たった9台しか作られなかったザガートTZ3ストラダーレはあらゆる点で極端だ。非常に稀で、非常に高価で、非常に美しい。その9台のうちの1台がカリフォルニアで売り出されている! (Photo: TSG Autohaus)
アルファロメオ ザガートTZ3は、高価で、希少で、手作りのコレクターズカーだ。2010年、アルファロメオの100周年に、9台が製作された。ゴージャスなボディの下には、ダッジ ヴァイパーのテクノロジーが備わっている。今、超希少なスポーツカーの1つが販売されている!
600 hp超の強力な8.4リッターV10
ザガートがデザインしたボディは、すべてカーボン製だ。テールライトはアルファロメオ8Cのもので、60年代のTZ1とTZ2を彷彿させるカットオフテール(コーダ・トロンカ)を採用している。しかし、TZ3のボディの下には、ダッジ ヴァイパーACR-Xのテクノロジーが採用されている。それらはいくつかの場所で輝きを発する。アミスネークのサイドパイプはそのまま活用され、ホイールベースも同じだ。600馬力を超えるパワフルな8.4リッターV10と6速マニュアルトランスミッションも、ヴァイパーからそのまま転用されたものだ。二台のモデルの共通点が最も明白なのは、インテリアだ。ステアリングホイール、インスツールメント、シフト、ハンドブレーキレバーはヴァイパーのものだ。レザーでイタリア風に仕上げられてはいる。しかしそのエクステリアデザインの美しさやセクシーさが、やや安価なインテリアを100倍以上補う。とりわけ、湾曲したフェンダー、回転ディスク、シャープなトランクリッドを備えたテールは、息をのむような美しさだ。採用されている暗褐色が、このTZ3で際立たせている。全体として、TZ3は前身である60年代のTZ1とTZ2のDNAを引き継いでいると言えよう。
インテリアはレザーを使って贅沢に仕上げられているが、ベースであるヴァイパーを覆い隠すことはできていない。 (Photo: TSG Autohaus)
多くの希少性による高価格
カリフォルニアのTSGディーラーが提供するTZ3は、9台中7番目に製造されたものだ。走行距離はわずか525マイル(約840km)で、ほぼ新車状態だ。恐ろしい価格なのではと疑う人、その通りだ。このザガートTZ3を買うには635,000ユーロ(約7,937万円)必要となる。新車時には500,000ユーロ(約6,250万円)だった。TZ3のベースとなるダッジ ヴァイパーは、約40,000ユーロ(約500万円)から購入できる。しかし、もちろんヴァイパーはすでにTZ3の比較対象ではない。TZ3は車というよりも芸術品であり、事実そのように取引されている。このことを考慮するならば、価格としては正当化されないように思えるかもしれないが、少なくとも理解可能ではある。
カットオフテール(コーダ・トロンカ)は、TZ3の前身である60年代のTZ1とTZ2から引用されている。
Text: Moritz Doka