SUPER GT 2026 第7戦オートポリス STANLEYが大会連覇! PRELUDE-GTは4連勝、GT300はベテランコンビが7年ぶりの勝利!
2026年11月2日
2026 AUTOBACS SUPER GT Round 7「AUTOPOLIS GT 3Hours RACE」が10月17日、18日の両日、大分県のオートポリスで開催された。
秋晴れに恵まれた決勝は、今季2度目となる3時間レース。2度のセーフティカー導入によって各チームの戦略が交錯し、スピードに加えてピットインのタイミングが勝敗を分ける一戦となった。
GT500クラスではNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GTの山本尚貴/牧野任祐組が今季2勝目を挙げ、オートポリス大会連覇を達成。Honda HRC PRELUDE-GTは第4戦富士から4連勝を飾った。
GT300クラスでは、No.96 K-tunes RC F GT3の新田守男/高木真一組が優勝。ベテランコンビが巧みなレース運びで、チームに2019年以来となる勝利をもたらした。
予選はNo.64 Moduloが2戦連続ポール
10月17日のGT500クラス公式予選では、前戦SUGOに続いてHonda HRC PRELUDE-GT勢が速さを見せた。
Q1ではNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GTのイゴール オオムラ フラガが1分32秒550を記録してトップ通過。No.100 STANLEY HRC PRELUDE-GTの山本尚貴が2番手に続いた。
Q2ではNo.64の大草りきが1分32秒414をマーク。SUGOに続く2戦連続のポールポジションを獲得した。2番手にはNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GTの野村勇斗が入り、Honda勢がフロントロウを独占。前戦優勝のNo.17は90kgのサクセスウェイトを搭載しながら、再び上位につけた。
3番手はNo.19 WedsSport BANDOH GR Supra、4番手はNo.100 STANLEY。日産Z勢の最上位は5番手のNo.12 TRS IMPUL with SDG Zだった。
GT300はNo.61 SUBARU BRZがポールポジション
GT300クラスでは、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人/山内英輝組が予選を制した。Q2を担当した山内は今季2度目のポールポジションを獲得。自身が持つGT300クラスの最多ポールポジション記録を18回に更新した。
決勝ではNo.52 Green Brave GR Supra GT、No.2 HYPER WATER INGING GR86 GTらがNo.61を追う展開となる。
秋晴れのもと3時間の戦いがスタート
18日の決勝は、気温25度、路面温度33度のドライコンディションで始まった。舞台となるオートポリスは、アップダウンに富んだ全長4.674kmのコース。コーナーが連続する区間では、GT500とGT300の混走のなかで、いかにスムーズに前のマシンをかわすかも重要になる。
今回のレースでは給油を伴う2回のピットストップが義務づけられた。3時間という長丁場で、各チームはタイヤの状態や燃料、周囲の状況を見ながら戦略を組み立てていく。
大会は「がんばろう熊本!~熊本地震復興支援大会~」として開催され、予選と決勝の2日間で延べ3万人が来場した。
GT500はNo.17 Astemoが先頭へ
スタート直後のGT500クラスは、ポールポジションのNo.64 Moduloがトップをキープ。しかし7周目、GT300車両に行く手を阻まれたNo.64の隙を突き、2番手のNo.17 Astemoが先頭に立った。
前戦SUGOの優勝車はそのままリードを広げ、15周目に早くも1回目のピットイン。再びトップに立ったNo.64には、5番手スタートから順位を上げてきたNo.12 TRS IMPUL with SDG Zが迫った。

No.12は23周目の第2ヘアピンで、タイヤをロックさせてラインを外したNo.64をかわし、トップへ浮上。PRELUDE-GT勢に日産Zが割って入る、見応えのある序盤戦となった。
その直後、GT300車両のアクシデントにより、この日最初のセーフティカーが導入された。各車の間隔が縮まり、ピット戦略もレース展開を大きく左右することになる。
No.100 STANLEY、2度のピットを巧みに使う
4番手からスタートしたNo.100 STANLEYは、山本尚貴が最初のスティントを45周目まで延ばしてピットイン。後半を担当する牧野任祐へマシンを託した。
その後、別のGT300車両のコースアウトによって2度目のセーフティカーが導入される。レース再開に合わせ、上位陣は相次いで給油へ向かった。

No.100も58周目に2度目のピットインを実施。最初の給油から13周後というタイミングだったため、給油に必要な時間を短く抑えることができた。全車が2回目の給油を終えると、No.100が実質トップに浮上。長く走った最初のスティントと、2回目のピットのタイミングが、ここで生きた。
No.100 PRELUDEとNo.12 Z、No.38 GR Supra3台の激しいトップ争い
首位に立ったNo.100だったが、簡単には逃げられない。70周目にはNo.12 TRS IMPUL with SDG Zが第2ヘアピンでイン側へ飛び込んだ。
しかし、No.100の牧野はコーナーの立ち上がりで抜き返し、トップを死守。その背後ではNo.38 KeePer CERUMO GR SupraもNo.12に迫り、3台による緊迫した争いとなった。

No.38は72周目にNo.12をかわして2番手へ浮上。さらにNo.23 MOTUL Niterra ZもNo.12を抜いて3番手に上がった。
一時はNo.38がトップのNo.100に1秒以内まで迫ったが、牧野は再びペースを上げて後続を引き離す。終盤にはNo.38の大湯都史樹がもう一度追い上げを見せたものの、No.100は首位を守り切った。
STANLEYが今季2勝目、PRELUDE-GTは4連勝
3時間を戦い抜き、98周でチェッカーフラッグを受けたのはNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT。山本尚貴/牧野任祐組は第4戦富士に続く今季2勝目を挙げた。

同コンビは昨年のオートポリスでもCIVIC TYPE R-GTで優勝しており、マシンがPRELUDE-GTに変わった今年も大会連覇を達成。Honda HRC PRELUDE-GTにとっては富士、鈴鹿、SUGOに続く4連勝となった。

2位にはNo.38 KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史樹/小林利徠斗組が入り、優勝車との差はわずか1.363秒。3位はNo.23 MOTUL Niterra Zの千代勝正/高星明誠組となり、Honda、トヨタ、日産の3メーカーが表彰台に並んだ。
一方、前戦優勝のNo.17 Astemoはレース序盤にトップを走りながら、ゴール目前でストップ。厳しい結末となった。

GT500クラス決勝結果(5位まで)
| 順位 | No. | マシン | ドライバー | ラップ | ベストラップ | 差 | タイヤ | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 100 | STANLEY HRC PRELUDE-GT | 山本 尚貴牧野 任祐 | 98 | 1’37.763 | 76 | ||
| 2 | 38 | KeePer CERUMO GR Supra | 大湯 都史樹 小林 利徠斗 | 98 | 1’38.058 | 1.363 | 56 | |
| 3 | 23 | MOTUL Niterra Z | 千代 勝正高星 明誠 | 98 | 1’38.194 | 7.972 | 50 | |
| 4 | 37 | Deloitte TOM’S GR Supra | 笹原 右京ジュリアーノ・アレジ | 98 | 1’38.620 | 8.501 | 36 | |
| 5 | 12 | TRS IMPUL with SDG Z | 平峰 一貴ベルトラン・バゲット | 98 | 1’37.494 | 10.065 | 40 |
GT300はBRZ、GR Supra、GR86が接近戦
GT300クラスでは、ポールポジションのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTがトップを守ってスタート。No.52 Green Brave GR Supra GT、No.2 HYPER WATER INGING GR86 GTが続き、序盤から3台が接近戦を繰り広げた。
No.2 GR86は13周目にNo.52をかわして2番手へ浮上。さらに17周目の第2ヘアピンではNo.61 BRZも抜き、トップに立った。

その後は2度のセーフティカー導入に加え、各車のピットインのタイミングが異なることで、順位が目まぐるしく入れ替わる。3時間レースならではの戦略が、後半の勝負を形作っていった。
No.96 K-tunes RC F GT3、7番手から逆転優勝
GT300クラスで最後にトップへ立ったのは、予選7番手からスタートしたNo.96 K-tunes RC F GT3だった。
前半を担当した新田守男は、1回目のピットを40周目まで引っ張り、高木真一に交代。タイヤも交換して後半へ備えた。2回目のピットではタイヤを交換せず、作業時間を短縮する。

この戦略によって実質2番手へ浮上したNo.96は、後半を担当する高木が好ペースで走行。先行するNo.360 RUNUP × SOL GT-Rに追いついてかわし、実質トップを奪った。
その後は後続を引き離し、今季初優勝。K-tunes Racingと新田にとっては2019年第3戦鈴鹿以来の勝利となった。新田はGT300クラスの通算最多勝記録を23勝に更新。高木も通算22勝目を挙げた。長年GT300で戦ってきたふたりが、経験と速さを発揮した一戦だった。

GT300は正式結果を改定、No.360とNo.65が表彰台へ
GT300クラスの2位にはNo.360 RUNUP × SOL GT-Rの荒川麟/金丸ユウ/田中篤組、3位にはNo.65 LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹組が入った。
なお、上位でチェッカーを受けたNo.666 seven x seven PORSCHE GT3R EVOとNo.88 VENTENY Lamborghini GT3は、レース後にペナルティを受けた。さらに10月23日、両車は義務づけられたピット回数を満たしていなかったとして失格となり、GT300の正式結果が改定されている。

GT300クラス決勝結果(5位まで)
| 順位 | No. | チーム / マシン | ドライバー | ラップ | ベストラップ | 差 | タイヤ | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田 守男高木 真一 | 93 | 1’47.911 | 32 | ||
| 2 | 360 | RUNUP × SOL GT-R | 荒川 麟 金丸 ユウ田中 篤 | 93 | 1’48.698 | 25.828 | 18 | |
| 3 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生 尚弥菅波 冬悟黒澤 治樹 | 93 | 1’47.328 | 39.934 | 74 | |
| 4 | 2 | HYPER WATER INGING GR86 GT | 堤 優威 卜部 和久 | 93 | 1’46.390 | 40.331 | 80 | |
| 5 | 18 | UPGARAGE AMG GT3 | 小林 崇志新原 光太郎 | 93 | 1’48.669 | 1:01.494 | 62 |
タイトル争いはもてぎでの2連戦へ
GT500のドライバーランキングでは、今回8位に入ったNo.36 au TOM’S GR Supraの坪井翔/山下健太組が61ポイントで首位を維持。優勝したNo.100 STANLEYの山本/牧野組は58ポイントで2位に浮上し、その差をわずか3ポイントに縮めた。

GT500クラス チームランキング(5位まで)
| 順位 | No. | チーム | Rd1 | Rd2 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd3 | Rd8 | Total | 差 | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 36 | TGR TEAM au TOM’S | 23 | 23 | 11 | 5 | 11 | 6 | 79 | 61 | |||
| 2 | 100 | STANLEY TEAM KUNIMITSU | 7 | 6 | 23 | 3 | 14 | 23 | 76 | -3 | 58 | ||
| 3 | 17 | Astemo REAL RACING | 3 | 4 | 9 | 18 | 23 | 1 | 58 | -21 | 45 | ||
| 4 | 38 | TGR TEAM KeePer CERUMO | 18 | 1 | 8 | 9 | 4 | 18 | 58 | -21 | 43 | ||
| 5 | 39 | TGR TEAM SARD | 9 | 11 | 6 | 18 | 7 | 51 | -28 | 36 |
GT500クラス ドライバーランキング(5位まで)
| 順位 | No. | ドライバー | Rd1 | Rd2 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd3 | Rd8 | Total | 差 | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 36 | 坪井 翔 山下 健太 | 20 | 20 | 8 | 2 | 8 | 3 | 61 | 61 | |||
| 2 | 100 | 山本 尚貴牧野 任祐 | 4 | 3 | 20 | 11 | 20 | 58 | -3 | 58 | |||
| 3 | 17 | 塚越 広大野村 勇斗 | 1 | 2 | 6 | 16 | 20 | 45 | -16 | 45 | |||
| 4 | 38 | 大湯 都史樹 小林 利徠斗 | 16 | 5 | 6 | 1 | 15 | 43 | -18 | 43 | |||
| 5 | 39 | 関口 雄飛サッシャ・フェネストラズ | 6 | 8 | 3 | 15 | 4 | 36 | -25 | 36 |

GT300クラス チームランキング(5位まで)
| 順位 | No. | チーム | Rd1 | Rd2 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd3 | Rd8 | Total | 差 | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 56 | KONDO RACING | 5 | 28 | 14 | 14 | 23 | 7 | 91 | 73 | |||
| 2 | 7 | CARGUY MKS RACING | 6 | 7 | 19 | 23 | 6 | 12 | 73 | -18 | 56 | ||
| 3 | 65 | K2 R&D LEON RACING | 14 | 23 | 9 | 3 | 3 | 19 | 71 | -20 | 53 | ||
| 4 | 2 | HYPER WATER Racing INGING | 23 | 14 | 12 | 3 | 3 | 16 | 71 | -20 | 53 | ||
| 5 | 777 | D’station Racing | 28 | 12 | 3 | 16 | 3 | 2 | 64 | -27 | 48 |
GT300クラス ドライバーランキング(5位まで)
| 順位 | No. | ドライバー | Rd1 | Rd2 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd3 | Rd8 | Total | 差 | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 56 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 木村 偉織 | 2 | 25 | 11 | 11 | 20 | 4 | 73 | 73 | |||
| 2 | 7 | ザック・オサリバン | 3 | 5 | 16 | 20 | 3 | 9 | 56 | -17 | 56 | ||
| 3 | 65 | 蒲生 尚弥菅波 冬悟 | 11 | 20 | 6 | 16 | 53 | -20 | 53 | ||||
| 4 | 7 | 梅垣 清 | 5 | 16 | 20 | 3 | 9 | 53 | -20 | 56 | |||
| 5 | 2 | 堤 優威卜部 和久 | 20 | 11 | 9 | 13 | 53 | -20 | 53 |
シーズン最後の大会となるモビリティリゾートもてぎでは、第3戦マレーシアの代替レースと第8戦が同じ週末に行われる。まだ逆転の可能性を残すチームも多く、チャンピオン争いは最後まで目が離せない。


勢いに乗るPRELUDE-GTがタイトルをつかむのか。それとも、王者No.36 au TOM’S GR Supraが迎え撃つのか。2026年シーズンの決着は、もてぎの2連戦に持ち越された。
GTカーが激しいバトルを繰り広げるSUPER GT。是非ともサーキットに足を運んで、直にレースの迫力を感じてほしい。
Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:Hisao Sakakibara

