【ニューモデル情報】VWポロ 4年ぶりにフェイスリフト 兄貴分のゴルフとの違いは?
2021年4月26日
今回のフェイスリフトにより、小型車のVWポロは兄貴分であるゴルフに近づいた。
VWポロに包括的なフェイスリフトが行われた。小型車は、視覚的にもゴルフ8の特徴を採用している。そんなVWポロの全情報をお届け!
➤ 外観
➤ インテリア
➤ 装備
➤ アシスタントとセーフティ
➤ コネクティビティ
➤ エンジン
「VWポロ」がフェイスリフト。
人気の小型車の6代目が発売されてから4年弱、ヴォルフスブルクに本拠を置くメーカーはフェイスリフトを実施した。
技術的にもビジュアル的にも、ポロは兄貴分であるゴルフに近づいており、フェイスリフト後はより大人っぽく見える。
フェイスリフト版の「ポロ」は、2021年9月からディーラーショールームに並び始める予定で、価格はわずかに上昇するだけだ。
ポロの最低価格は依然として16,000ユーロ(約210万円)を下回るだろう。
現時点でVWはまだ具体的な数字は公表していない。
我々は「VWポロ」のフェイスリフトに関するすべての最新情報を提供する。
外観: VWポロ のフェイスリフトには、連続したライトストリップとスプリットテールライトが採用されている
まずは、VWポロの新しいフェイスから見てみよう。
フォルクスワーゲンは、フロントに、ベーシックバージョンでもLEDヘッドライトと新しいデイタイムランニングライトを与えている。
一方で、マトリックスLEDライトや、フロントの連続したバンド状のライトはオプションだ。
エプロンはフロントとリアのデザインが変更され、新鮮なデザインになっている。
フォルクスワーゲンは、フェイスリフトのために合計7種類の新しいホイールを提供しており、そのうちの2種類は特に空力的に優れたデザインとなっている。
2つのパーツで構成される新しいテールライトは、常にLEDテクノロジーを採用しているため、もはや追加料金は必要ない。
このテールライトは、ブレーキ時にテールライトの一部がブレーキランプに変わるという、今では典型的なフリップフロップ式の照明デザインを採用している。
インテリア: VWポロのデジタルコックピットは将来的には標準装備に
インテリアでは、ヴォルフスブルクのメーカーは、生産開始から4年が経過してやや流行遅れになったものをアップグレードしている。
アナログの丸い計器が消え、デジタルコックピット(8インチが基本、10インチはオプション)に置き換えられた。
インテリアでは、快適な機能をより重視した。しかし基本的なレイアウトは変わらない。
メカニカルエアコンと電動ミラーは、フェイスリフト以降のすべての「ポロ」に標準搭載されることになる。
そして、上級モデル用のオートマチッククライメートコントロールシステムからは、ボタンがなくなり、「ポロ」にはタッチコントロールユニットが採用される。
更に、インフォテイメントに関しては、「アルテオンや「ティグアン」に搭載されている9.2インチのタッチスクリーンが小型車にもオプションで用意されている。
「MIB3」インフォテイメントのおかげで、「ポロ」は、Apple CarplayとAndroid Autoをワイヤレスで扱えるようにもなっている(追加料金が必要)。
室内のスペース的な広さの感覚は現行モデルとほぼ同様なものとなっている。
装備: VWはポロの追加パッケージに注力
フォルクスワーゲンは、今回のフェイスリフトにあたり、「ポロ」の装備ラインナップを再編成し、アップデートさせた。
将来的には、コンフィギュレーターで混乱を招く可能性のある個々のオプションではなく、パッケージングによりフォーカスする。
基本的な装備に加えて、「ライフ(Life)」、「スタイル(Style)」、「R-ライン(R-Line)」の各パッケージがあり、すべての装備が一目でわかるようになっている。
ポロ: ベーシックモデル
● LEDヘッドライト
● LEDテールライト
● 多機能ステアリングホイール
● レーンアシスト
● センターエアバッグ
● 8インチデジタルコックピット
● Bluetooth搭載6.5インチ「コンポジションメディア」
● 加熱され、電気的に調整可能なエクステリアミラー
ライフ(Life): ミッドレンジの装備
基本的な「ポロ」に加えて
● 15インチアルミホイール
● App-Connect(Apple CarplayおよびAndroid Auto)
● リアに追加のUSB-Cインターフェース
● レザーステアリングホイールとシフトノブ
スタイル(Style): 威厳のあるトップ装備
● マトリックスLEDヘッドライト「IQ.Light」
● LEDフォグランプ
● フロントおよびリアパーキングアシスト
● 10.25インチ デジタルコックピット
● アンビエントライト(周囲光)
● 8インチのインフォテインメント「Ready2Discover」
● ワイヤレスApp-Connect
R-ライン(R-Line): スポーティな最上級装備
「スタイル」に似ているが、独自のエプロンが付いている
● 16インチホイール
● 「R-Line」専用シートカバー
アシスタントとセーフティ:フェイスリフトですべてのポロにセンターエアバッグを搭載
フォルクスワーゲンは、フェイスリフトにふさわしく、「ポロ」に新たなアシスト機能やその他の安全装備を与えている。
標準装備のセンターエアバッグは、運転席に設置されており、事故の際には前席との間で膨らむ。
また、エマージェンシーブレーキアシストは、ベースモデルの「ポロ」にすでに搭載されている。
また近い将来、ディスタンスクルーズコントロールシステムとレーンアシストシステムを組み合わせた「トラベルアシスト」がオプションで用意される。
このシステムは、ステアリングホイールのボタンを押すだけで作動し、「ポロ」のレベル2の半自律走行を実現する。
ドライバーはステアリングホイールから手を離すことはできないが、「ポロ」は可能な限り自走する。
ポロのもう一つの新機能は、予測型ACCだ。
このクルーズコントロールシステムの拡張機能の特徴は、現地の速度表示、街の入り口、交差点、トラフィックサークルに基づいて、適宜速度を調整するといったものだ。
ただし、ここではGPSデータも取得する必要があるため、DSGとナビゲーションが必要となる。
コネクティビティ: VWポロ用9.2インチディスプレイ
新型「ポロ」では、基本的に2種類のインフォテイメントを採用している。
エントリーバージョンのインフォテイメントは、旧来の「MIB2(Modular Infotainment Building Kit)」で対応しているが、上位バージョンでは現在標準となっている「MIB3」を採用している。
これにより、Apple CarplayやAndroid Autoなどの機能をワイヤレスで利用できるようになり、スマホとの接続もより便利になっている
なお、最上級の「ディスカバー プロ メディア(Discover Pro Media)」システムには、今回のモデルアップデートで、より大きなタッチスクリーンが搭載される。
将来的には、すでに「ゴルフ7」に採用され、現在は「ティグアン」や「アルテオン」などにも搭載されている9.2インチのタッチスクリーンで操作することになる。
新しいスクリーンには回転式コントロールボタンではなく、その代わりにエッジにタッチ面が設けられている。
これにより、見た目はよりエレガントになっているが、新しいコンセプトは操作に優れているとは決して言えない。
エンジン: VWポロでは、ディーゼルは廃止されたが、天然ガス仕様が引き続き用意されている
エンジンについて、VWはラインナップをいくらか整理し縮小した。
ディーゼルエンジンを搭載したポロはなくなり、150馬力の1.5リッターガソリンエンジンもラインアップから外される。
エントリーモデルは引き続き1.0リッターMPI自然吸気エンジン(80馬力)で、その上に1.0リッターTSIモデル(95馬力、110馬力)がラインナップされている。
トランスミッションは、マニュアルの5速が継続され、より多くのギアを求める人は、ターボエンジン用の7速DSGを選択する必要がある。
1.0リッターTGIエンジンは、従来通り90馬力を発揮し、6速マニュアルトランスミッションを介してホイールにパワーを伝える。
トップモデルは「ポロGTI」で、最高出力は207馬力を発揮する。
現時点で判明しているエンジンバリエーションは以下の通りだ。
●VWポロ1.0 MPI: 出力: 80PS; トルク: 93Nm; トランスミッション: 5速MT
●VWポロ1.0 TSI: 出力: 95PS; トルク: 175Nm; トランスミッション: 5速MT
●VWポロ1.0 TSI: 出力: 110PS; トルク: 200Nm; トランスミッション: 7速DSG
●VWポロ1.0 TGI: 出力: 90PS; トルク: 160Nm; トランスミッション: 6速MT
「ポロ」の歴史、それはいかにゴルフに近づくことができるか、であったように思える。特に近年はその傾向が強い。
最初に登場した時の「ポロ」は、3ドアだけの実に簡潔な小型車であったのだが、4ドアが登場し、メカニズム的にもほとんどゴルフに匹敵するものが搭載され、サイズ的にも3ナンバーボディとなった今、限りなく「ゴルフ」のような、ちょっとだけ小さい「ミニゴルフ」的なハッチバック、それが「ポロ」である。
今回発表された「ポロ」はますますその傾向が強く、見た目も「ゴルフ」に近づこうという印象を与えられるものとなった。もちろんブランドのイメージアップのためこれは正しい方法ではあるが、かつてのような簡便で簡潔な小型車ではなくなったと理解するべきだろう。
とはいっても、そういうフォルクスワーゲンのラインナップの中には、もはや、「up!」がいるわけで、徐々に上に上にと進化発展していったと考えるべきであろう。いつの日か「up!」もサイズが大きくなるのだろうか?
Text: Andreas Huber
加筆: 大林晃平
Photo: Volkswagen AG