輸入SUVの燃費ナンバーワン!「ルノー キャプチャー エスプリアルピーヌ フルハイブリッド E-TECH」
2026年11月5日
横浜のみなとみらいの一角にあるルノージャポンが入庫しているビル車寄せに停まっているルノーキャプチャーは、ものすごく立派で、でもスマートで近代的に見えた。
10年ほど前に乗った記憶のある、初代のルノーキャプチャーからすると、ずいぶん大きく立派に見えたが実際には全長4240㎜、全幅も1795㎜と昨今の自動車の中では常識的でもはや小さ目なサイズなので安心する。

「アルピーヌ」のロゴがどこか特別な感じを醸し出すスカッフプレートをまたいで乗り込むと、室内もまた初代とは比較にならないほど立派なしつらえでディスプレイや各スイッチ類、オートマチックトランスミッションのセレクターなども先進的なデザインになっていることが感じられる。
さっそく朝の横浜の路上に滑り出して感じられたのは、自動車全体から来るしっかり感、剛性感であった。というか、正直言うとずいぶん固く凹凸を拾うので、ルノーというイメージから遠いソリッド感に驚いた。

走行2000キロという新車バリバリの個体だからなのか、今回の試乗車のルノーキャプチャー エスプリアルピーヌが履く225/45 R19 というサイズのミシュランeプライマシーが原因なのかわからないが、とにかくちょっと戸惑うほど固く路面の荒さを拾う。
ちなみに普通のルノーキャプチャー テクノが履くのは215/55 R18 なので、ひょっとするとそちらはもっと本来のルノーっぽさ、つまり滑らかにたおやかに路面のアンジュレーションをいなし、こなしていくあの感じがするのかもしれないが、とにかくこのエスプリアルピーヌに関しては、かなり乗り心地がはっきり言って固い。

このソリッドさがひょっとするとアルピーヌらしさの演出なのかもしれないが、個人的にはもっと優しい感覚のルノーがいいなぁと思ってしまう。
さて今回の車の目玉である新フルハイブリッドE-TECHは輸入車SUVにおいて、燃費ナンバーワンを誇る。実際今回は朝から夕方までという異例に長い試乗時間だったので、かなりの渋滞路、そこそこに流れている国道、ものすごく細い市街地、流れが良い高速道路といろいろなシチュエーションで容赦なく試乗させていただいたが、最終的に19km/lという数値をたたき出した。この大きさと十分以上な走行性能、そしてエアコンの優秀な効きなどを考えれば相当優秀な数値で不満は一切ない。

今回から直噴エンジン化されたり、駆動用バッテリーを大型化しバッテリーのみでの走行距離を増やしたり、複雑な電子制御ドグクラッチ(あまりにも高度で複雑なため文章でその仕組みを解説するのは難しい)の制御を最適化するなどの相乗効果がたたき出した結果がこの輸入SUVナンバーワン燃費だと思うし、もはや輸入車は燃費がうんぬんかんぬん、といういちゃもんは一切付けられない優秀さだと思う。
1.8リッターとなった自然吸気エンジンは109PSと172Nmを発生し、そこにメインモーター(49PS 205Nm)とサブモーター(20PS 50Nm)の力が加わるのだから、日本の路上でパワー不足を感じることはほぼない。さらに前述の複雑怪奇なトランスミッションも実に適切にパワーを伝達し、ハイブリッドという言葉から連想されるようなドライバーと自動車が乖離してしまうような瞬間もない。

今回は試乗に先立ち、ルノージャポンの方から「運転モードを自動制御するスマートモードがお勧めです」とリコメンドされたので、そのお勧めモードでほぼすべて試乗した。このスマートモードはコンフォート・エコ・スポーツという各モードを自動車が自動的に切り替えるというもので、それぞれを手動で自分の好みに変えることもできるとは言うが、そこまでお勧めならそれで行ってみよう、行ってみるべきだと思って実行したのである。結論から言えば運転者にはあまりわからないほど自然に切り替わっているし、ここまで自然ならばすべて自動でもいいかなと思うほどスマートなモードであった。

さらに今回の売りの一つであるマルチメディアシステムである「OpenR LINK」はGoogleサービスを搭載しており、かなりの精度で音声認識をしたりFOTAにより車載ソフトウエアを無線通信でアップグレードすることが可能なのだという。FOTAの方はもちろん試せなかったが、音声認識システムはかなりの高精度で、ほぼすべて間違えナシに認識をしてくれたことは驚きであった。
またAピラーには運転者をじっと見つめる四角いケースに収められたカメラが備わり、じっと私の一挙手一投足を眺めているのだが、ちょっとでも景色を見たりディスプレイに目を移すと「運転に集中してください」と言われてしまう。

また、ルノーキャプチャー エスプリ アルピーヌご自慢の、9個のスピーカーを持つharman/kardonのオーディオシステムを堪能しつつリラックスして運転していたところ「正確に運転してください」という表示が出たり、あくびを数回すると「休んでください」と言われた人もいたというから、なかなか気の抜けない自動車でもある。
室内各所に施されたアルピーヌのイメージカラーともいえるブルーのアクセントはなかなかお洒落だし、フロントフェンダーやシートに施された「A」のロゴは確かに格好良く購買意欲をそそると思う。それでも昔のたおやかででも芯の強いルノーを懐かしむ偏屈者は、一度ベーシックなテクノグレードにも乗ってみたい、そう思いながらエスプリアルピーヌを返却した。

そんなスマートで格好いいルノーキャプチャー エスプリ アルピーヌ フルハイブリッドの価格は4,940,000円。今回の試乗車は2トーンカラーだったため70,000円の追加金額がかかり、合計で5,010,000円と、ちょっとだけ500万円超えであった。
Text:大林晃平
Photo:大林晃平/アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)

