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要注意、事故の危険性が高まる! 劣化したショックアブソーバーはこれほど危険だ

2026年10月31日

ショックアブソーバーの劣化に気づかず走っているドライバーは多いのではないだろうか。劣化したショックアブソーバーが操縦性や制動距離にどのような影響を及ぼすのか、そして不具合をどう見抜けばよいのか。AUTO BILDが解説する!

路面の穴、道路の継ぎ目、凹凸。ショックアブソーバーの仕事は実に過酷だ。常に働き続けているが、車重を支えているわけではない。それは主にスプリングの役目である。ショックアブソーバーはスプリングの動きを減衰させ、段差を乗り越えた後にホイールやボディの揺れを素早く収める。そして何より、タイヤを路面にしっかりと接地させる役割を担う。したがって、技術的には「振動減衰装置」と呼ぶのが正確だ。

問題は、この過酷な仕事が部品を消耗させることだ。ショックアブソーバーは消耗部品であり、その性能は通常、徐々に低下する。まさにこれが、劣化したショックアブソーバーの厄介なところである。ドライバーは次第に頼りなくなる愛車の挙動に慣れてしまい、変化に気づくのが遅れがちなのだ。

オイルが漏れていなくても故障していることがある

ショックアブソーバーにオイルの跡があれば、オイル漏れの可能性がある。しかし、外側が乾いているからといって、安心できるとは限らない。摩耗や劣化には、必ずしも目に見えるオイル漏れが伴うわけではないのだ。

中古車を購入する前には、試乗に加えて技術的な点検も重要だ。オイル漏れはショックアブソーバーの不具合を示すが、外側が乾いていても安心できるとは限らない。

もうひとつ、よくある誤解が「ガス式ショックアブソーバーは、オイルの代わりにガスだけで作動する」というものだ。ガス式にも作動油は入っている。例えば単筒式ガスショックアブソーバーでは、可動式のフリーピストンによってオイルと充填された窒素ガスが隔てられている。

簡単チェック:ショックアブソーバーはまだ正常か?

昔ながらの「揺すりテスト」は、状態を知る最初の手がかりになる。

・クルマを平坦な場所に停める。
・車体の四隅のうち1カ所を、上からしっかりと押し下げる。
・その後、手を離す。
・車体の揺れは素早く収まるのが正常だ。
・大きな上下動が何度も続く場合は、ショックアブソーバーの減衰力が低下している可能性がある。

この確認を車体の四隅すべてで行う。

ただし注意が必要だ。揺すりテストは専門的な診断の代わりにはならない。著しく劣化したショックアブソーバーを見つけることはできても、減衰性能を正確に評価することはできない。状態を正確に判定するには、ショックアブソーバーテスターによる検査が必要である。

ショックアブソーバーは定期的に点検しよう

ショックアブソーバーが必ず寿命を迎える、決まった走行距離はない。劣化の速さは車種や使い方によって異なる。路面の穴や荒れた道路、重い荷物の積載は、ショックアブソーバーにさらなる負担をかける。大まかな目安は走行8万~12万km程度だが、最終的に判断の決め手となるのは、あくまで実際の状態だ。

ショックアブソーバーテスターでは、各輪に意図的に振動を与える。センサーで振動の様子や減衰状態を記録し、ソフトウェアで測定データを解析することで、劣化や不具合を特定する。

したがって、ショックアブソーバーは定期的に点検し、気になる兆候があれば放置しないことが肝心だ。例えば、頼りない操縦感覚、足まわりからの異音、直進安定性の低下、ブレーキング時の普段と異なる挙動などには注意したい。

ショックアブソーバーが劣化すると、接地性も悪化する

スーパーボールを床に投げたことはあるだろうか? 何度も、何度も、何度も跳ね続ける。サスペンションのスプリングも、その動きを抑えるショックアブソーバーがなければ、同じような状態になる。

減衰力が低下すると、凹凸のある路面でホイールが大きく跳ねやすくなる。極端な場合には、一時的に十分な接地を保てなくなり、前後方向や横方向の力を路面に伝えにくくなる。これは乗り心地だけでなく、ブレーキングやコーナリングにも影響する。

特に深刻なのは、電子制御の運転支援システムも、タイヤがしっかり接地していることを前提としている点だ。ショックアブソーバーの不具合によって、ABSやESPの正常な作動が妨げられることもある。

劣化したショックアブソーバーによって起こり得る影響は、以下のとおりだ。

・直進安定性やコーナリング時の安定性の低下
・路面の凹凸を通過した後の揺れの増大
・制動距離の延長
・タイヤと路面の接地性の悪化
・ABSやESPの作動への悪影響

制動距離はクルマ約1台分も長くなる

その違いの大きさは、AUTO BILDが過去に実施した2台のゴルフ4によるテストでも明らかになった。一方はリアのショックアブソーバーを新品に交換し、もう一方には劣化したものを装着した。

劣化したショックアブソーバーを装着したゴルフも、コーナーではESPのおかげでコントロールを保てたものの、進路の安定性は損なわれた。さらに50km/hからの制動では、劣化したショックアブソーバーを装着した車両が完全に停止するまでに、約1台分も長い距離を必要とした。

50km/hからの緊急ブレーキ。手前のゴルフ4には劣化したショックアブソーバーが装着されており、停止までにクルマ約1台分長い距離を必要とする。

交換時は周辺部品にも手を抜かない

足まわりを点検する際は、ショックアブソーバーだけで終わらせてはいけない。バンプストップ、スプリング、ストラットのアッパーマウントを含め、サスペンション全体を確認しよう。

摩耗や損傷があれば、同時に交換する価値がある。どうせ足まわりを分解するのだから、まとめて作業すれば、結果的に工賃の節約にもつながる。

結論:
中古車を購入する際には、入念な技術点検が欠かせない。より安心を得たいなら、ADAC、TÜV、DEKRAといった専門機関の力を借りるとよい。ただし、テスターを使ったショックアブソーバーの検査を受けられるかどうか、事前に確認することが重要だ。単純な揺すりテストよりも、はるかに多くの情報が得られる。

費用は依頼先や検査内容によって異なるが、通常は50~150ユーロ(約9,250~2万7,750円)。購入後に高額な修理が必要になる可能性を考えれば、十分に価値のある出費だ。

Text:Bernd Volkens
Photo:Holger Neu