新型ポルシェ911 GT3を初テスト 自然吸気ボクサーエンジンを搭載した最新型GTモデルの動力性能は?
2021年4月26日
先代モデルとの違いは明らかだった。初試乗レポートをお届け。
新型ポルシェ911 GT3の初テストドライブをビルスター ベルク サーキットで敢行した。果たしてそのドライビングインプレッションは?
自然吸気エンジン、4リッターの排気量を持つ新型「ポルシェ911 GT3」は、純粋なスポーツマシンだ。992型の911シリーズに初のGTバージョンの登場だ。よく知られているように、ポルシェは自らに課された宿題をこなし、トラックツールを技術的に改良した。新しいダブルウィッシュボーンのフロントアクスル、大量のカーボンファイバー、再設計されたエンジンなど、これらの要素によって、新型「GT3」は、ノルトシュライフェ(ニュルブルクリンクサーキット北コース)でのラップタイムを、先代モデルに比べて17.5秒も短縮した。
ニューエディションの「GT3」は、大型化し、より多くのテクノロジーを搭載しているにもかかわらず、軽量化により、「991」型GT3とほぼ同じ1435kgを維持している。改良された自然吸気のボクサーエンジンは、最高出力510馬力、最大トルク470Nmの性能を発揮する。
先代の991型GT3よりも優れたドライビングダイナミクス
今回の変更は「911」に実際に何かをもたらすのだろうか?我々は、ビルスター ベルク サーキットで、現行「992型911」のトップモデルである新型「GT3」を実際にドライブしてみた。エンジンはすべての回転域を通して猛烈なパワーを発揮する。豪快なエグゾーストノートを放ち、見る者をも楽しませてくれる。オプションのPDKは速く、確実にギアチェンジ、トラクションは抜群で、エンジンの解き放たれたパワーは即座に推進力に変換される。また、「GT3」のステアリングは素早く、極めて正確にトレース、常に何が起きているのかを細かく感じ取ることができる。フロントエンド全体が以前よりも落ち着いた印象で、剛性感があり、高速コーナーでは外輪にうまくトラクションがかかるから、より速く抜けることができる。ブレーキの効きも優れていて、激しい減速でも非常に安定してコントロールできる。
992 GT3はエントリー価格の点でのみ落胆させられる
このように、新型「992 GT3」は、初テストドライブでは、上々の評価を得た。しかし、価格のことになると、不満が出てくる。ポルシェは、最低でも167,518ユーロ(約2,211万円)という金額を要求している。もちろんここにオプションを加えていくと軽く2500万円オーバーとなるであろう。つまり、残念ながら、ほとんどのポルシェファンにとって、「GT3」はおそらく遠い夢のままなのである。
Text: Dirk Branke and Andreas Huber
Photo: Porsche AG