スズキが新車開発期間を半減へ 「ちょうどいい車づくり」を加速する技術戦略
2026年9月27日
スズキは9月25日、技術戦略説明会を開催した。鈴木 俊宏社長が掲げたのは、使う人にとって「ちょうどいい」クルマを、変化する市場へ素早く届けること。その実現に向け、新型車の開発期間を半減させる。
必要な価値を、必要な時に届ける
鈴木社長の説明で印象的だったのは、「丁度いい」という言葉である。安全性や快適性を求められる一方、原材料費やエネルギーコストは上昇している。機能を増やすほど価格や車両重量も増える。そこでスズキは、顧客が本当に必要とする価値を見極め、地域の事情に合ったクルマづくりを進める。

動力源も一つに絞らない。充電環境が整った地域にはEV、別の地域にはハイブリッド車や内燃機関車など、それぞれに適した選択肢を用意する考えだ。スズキが培ってきた小さく、軽く、効率のよいクルマづくりが、この方針を支える。
その実行力を高める目標が、2030年に向けた新型車開発期間の半減である。比較の基準は2020年度。開発効率を30%、生産効率を50%高めることも掲げた。企画、設計、生産、品質、調達の各部門が早い段階から並行して動き、デジタル開発や部品の共通化も進める。市場の変化を商品に反映するまでの時間を縮める狙いだ。

技術統括の副社長が示した具体策
続いて登壇したのは、技術統括を務める加藤 勝弘副社長。電池を必要以上に大きくしないEV、軽自動車向けの新型ハイブリッド、小型車向けのシリーズハイブリッドなど、車格や用途に合わせた技術を説明した。電動化だけでなく、内燃機関の効率向上にも取り組む。技術を個別に並べるのではなく、どのクルマに何が必要かという視点で組み合わせる説明には、技術畑を担う副社長らしい具体性があった。

開発を速めても、「ちょうどいい」が顧客にとっての価値であり続けるか。今回示された技術と開発体制が、これから登場するスズキ車にどう結実するのか注目したい。
Text&Photo:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)

