【面白ネタ】はい、このインド製ゲレンデヴァーゲンもどきの13人乗りクルーザー たったの・・・円です 笑報
2021年4月16日
フォース モーターズ トラックスクルーザー。13,000ユーロ(約170万円)を切る13人乗りのインド製のGクラスクローン。インドの自動車メーカー、フォース モーターズ社の自然吸気ディーゼルエンジンを搭載したトラックスクルーザーは、メルセデスのGクラスに少し似ているが、はるかに広いスペースを持ち、コストもその約10分の1しかかからない。
「最大限の快適さ、最大限の容量」、これがインドのメーカー、フォース モーターズ(Force Motors)社の「トラックスクルーザー(Trax Cruiser)」の広告スローガンだ。
リアアクスルにリーフスプリングを採用しているため、快適性については解釈が分かれるところだが、「トラックスクルーザー」の最大積載量については疑う余地はない。
なぜなら、このオフローダーは最大で13人乗も乗れるからだ。
そしてその価格は、1万3,000ユーロ(約170万円)弱!相当からとなっている。
我々は2021年2月に、Gクラスを模倣したフォース モーターズ社の「グルカ(Gurkha)」について報じた。
「グルカ」は、シンプルな技術を採用しており、それは「ラーダ ニーヴァ」や「スズキ ジムニー」を彷彿とさせるものだった。
そして今、1958年から続くこのブランドが、次のモデル「トラックスクルーザー」をリリースした。
一見するとこの車は、「メルセデスGクラス」と「イヴェコ マッシフ(Iveco Massif)」をミックスしたようなデザインで、何よりもその大きさが印象的だ。
全長3.99~4.34メートルの「グルカ」に比べて、「トラックスクルーザー」は、全長4.87メートルの「Gクラス」にさえ明らかに勝る、全長5.12メートル、全高2.03メートル、ホイールベース3.05メートルという大きさの、本物のジャイアントサイズのオフローダーだ。
そのため、「トラックスクルーザー」が広いスペースを有しているのも不思議ではない。
10人乗り、12人乗り、そして最大の13人乗りの3つのバージョンから選ぶことができるようになっている。
一番大きなバージョンでは、以下のようなレイアウトになっている。
1列目にはドライバー(写真右)と助手席、2列目には通常のリアベンチシートに3人が乗り、最後部には車両側面に縦に設置された2つのベンチに合計8人が乗れるという、ドイツではおそらく認められないレイアウトになっている。
「トラックスクルーザー」は主にインド市場向けに設計されており、欧州市場やもちろん日本に投入される予定はない。
91馬力の自然吸気ディーゼルエンジンを搭載したトラックスクルーザー
総重量3,140キロのオフローダーのボンネットの下には、フォース モーターズの他のモデルにも採用されている91馬力、230Nmの2.6リッター自然吸気ディーゼルが搭載されている。
パワーは5速マニュアルギアボックスを介して後輪に伝達されるようになっている。
性能データを見れば、「トラックスクルーザー」が決して速い車ではないことは明らかだが、インドの交通事情では頑丈さが何よりも重要だ。
オフロード車のボディはラダーフレームで構成されている。
また、フロントアクスルには独立懸架とディスクブレーキが採用されているが、「トラックスクルーザー」では、リアアクスルにリーフスプリングとドラムブレーキが採用されている。
この価格では装備も必要最低のものに限定されているのは当然で、コックピットのほとんどは硬いプラスチックで覆われているが、電動ウィンドウ、リアパーキングエイド、パワーステアリング、小型ナビゲーションシステム、そして追加料金でのエアコンが装備されている。
大きなランニングボードは乗降を容易にするためのもので、クリアガラスのウインカーやフォグランプ、特大のサイドウィンドウといったオプションの数々とともにホームページで紹介されている。
トラックス クルーザーのインテリアには、必要最低限のものしか装着されていない。少なくとも、小型のナビゲーションシステムとエアコンは追加料金を払えば装着できる。
ちょっと一昔前のトヨタ車(しいて言えばメガクルーザー)のようだ。
ベース価格は13,000ユーロを切っている。
安全面では、ABSが唯一の装備で、ESPやエアバッグは「Gクラス」のクローンには見当たらない。
少なくともフォース モーターズ社は、3年または30万キロまでの保証を提供し、6年間のサービスも含まれている。
さて、価格の話に移ろう。
10人乗りのベーシックバージョンは、現地のフォース モーターズ社のディーラーで1,147,427インドルピーから購入できる。
これは、約12,926ユーロ(約170万円)に相当する。
最大13人乗りのトップモデルは1,328,225インドルピーからで、これは約14,963ユーロ(約197万円)に相当する。
同じくらいの値段で、ドイツには、約30年前の「Gクラス」があり、おそらく新車の「フォース モーターズ トラックスクルーザー」よりも長持ちすると思われる。
それでも「トラックスクルーザー」を輸入したいと考える人には、こう言いたい。
「ドイツでの登録はありえないので、その考えは捨てたほうがいい」、と。
世界中で「メルセデスベンツ ゲレンデヴァーゲン」は人気なのだろうか、インドでも「ゲレンデヴァーゲン」の雰囲気を生かした自動車が発表された。
といっても、2輪駆動だし、エンジンも最低限のパワーユニットだし、内装は簡素で、言ってみればトラックにそれなりのボディを乗せたような車ではあるが、それでも驚くのはその価格である。13人も乗れるかなり大きな自動車が200万円以下というのは、どういう内容かは別として驚くほど安く、日本では「ホンダN-BOX」にちょっとしたオプション装備をつければあっという間に200万円で、それは最大4人しか乗れないクルマである。
確かにリアのカーゴスペースに座らされる乗員は、昔の軍隊のトラックのような着座レイアウトではあるが、アジアのタクシーだってこういうのは多いし、日本のバスだってこういう座り方だった。200万円以下で13人も乗せて酷使することのできるコストパフォーマンスを考えれば、インドではなかなか人気者になれるのではないだろうか。
Text: Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: Force Motors