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V8、V8&V8! V型8気筒エンジン対決 8台のスポーツモデルのV8を比較

2021年4月19日

AMG GT、RS7、M5、コルベット、そしてその仲間たちであるV8スポーツカー8台に試乗 その評価は?

鳥肌が立つような音と、死ぬほどのパワーを持つV8スポーツカー。そんな魅力を持ちながら今も存在するV8エンジン。古き良き時代の内燃機関。V8アメリカ車×3台、V8ドイツ車×3台、V8イギリス人車とV8日本車それぞれ1台の計8台のV8エンジンを紹介する。

太ったV8エンジンは重圧にさらされている

「V8」エンジンとは、独特のサウンドと比類なきパワーを持つ、素晴らしいビッグボア内燃機関のことだ。
しかしその「V8」エンジンは今、試練に直面し、大きなプレッシャーを受けており、結局のところ燃料を消費しすぎているとの非難を浴び、政治的にも不適切だとされて、孤立し、存続の危機に面している。
トレンドは電動化された「V6」エンジンに向かっている。 いや、メルセデスのように、もはや6気筒を飛び越えて、4気筒で困難を乗り越えようとさえしているのだ。
今後は政治的に意図された電動モービルへの移行は言うまでもない。
しかし「V8」もまだしばらくの間は辛抱強く残っているので、今回はその中から我々の選んだ8台を紹介する。
「V8」大好きアメリカを代表する「シボレー コルベットC8スティングレイ」と「ダッジ チャージャーSRTヘルキャット」、そして「フォード マスタングGTコンバーチブル」の3台、大英帝国を代表して「ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル」、日本からは「レクサスLC500」、そしてドイツの代表は、「アウディRS7スポーツバック」、「BMW M5コンペティション」、「メルセデスAMG GT」の3台で、合計8台の豪勢なパワフル「V8」モデルが勢ぞろいした。

今でも存在する、「V8」エンジン。
それは古き良き時代の内燃機関だ。
以下、フォトギャラリーとともに、「V8スポーツカー」の詳細をレポートする。
エンジョイ!

【アウディRS7スポーツバック】

アウディRS7スポーツバック(600馬力、800Nm、122,500ユーロ=約1,600万円より):実用性とそれ以上のもの。大きなテールゲートを持つハッチバックなど、とても実用的だ。しかし、「RS7」はそれ以上のことができ、本物のスーパースポーツカーでもある。
ポルシェのモジュラーシステムを採用したV8ツインターボは、600馬力と800Nmを発揮し、その「スーパースポーツカー」というタイトルを獲得している。
この「V8」は、滑らかで静かに、ほとんど穏やかに、そしてトップエンドでは嗄れたように走る。屋内という環境下では、弦楽四重奏を奏でているようなものだ。そして、「RS7」をまったく無理なく、そして極めて激しく加速させる。これにクワトロシステムとエアサスペンションが加わることにより、すべてが非常にスムーズに動く。

【ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル】

ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル(550馬力、770Nm、220,745ユーロ=約2,900万円より):
贅沢さとパフォーマンスの両方を兼ね備えた車。このような車を作るには、かつて世界の帝国を所有していなければならない。そうでなければ、ベントレーの帝国的な基本の高い振る舞いを得ることはできない。しかし、今やその帝国は歴史の中にあり、この車の技術はポルシェ、そしてアウディから来ている。
4.0リッターV8は、そう、「RS7」に搭載されているものだ。ここでは、わずかに低音が強調されていて、心地よく鳴り響いている。だがそれでも控えめに、凛として、リラックスしたパワーの出方といえる。
この「V8」は強大な船を力強く推進させるがごとく決して荒くなく、余裕をもって。そしてそれこそがベントレーらしさといえる。

【BMW M5コンペティション】

BMW M5コンペティション(625馬力、750Nm、130,600ユーロ=約1,720万円より):
古典的な高性能スポーツ。素晴らしいプロポーションを持ち、荷物を含めて4人が乗れるノッチバックセダンである。
しかしこの車は無害というわけではない。なぜなら、ボンネットの下では、4.4リッターV8ツインターボが猛威を振るっているからだ。このエンジンはまるで、秘密の研究室で開発されたエンジンだ。最高出力625馬力、最大トルク750Nmに加え、定評ある完璧なZF製オートマチックと、巧妙にコントロールされた全輪駆動を備えている。「V8」は、回転数を上げると、硬くて金属的な音を響かせる。
「M5」はその力強さを即座に素晴らしいトラクションに変換し、そのドライビングパフォーマンスにはただただ驚かされる。「M5」は、正確に、鋭く、容赦なく走る。

【シボレー コルベットC8スティングレイ】

シボレー コルベットC8スティングレイ(502馬力、637Nm、99,000ユーロ=約1,300万円から):
今なおアイコンとして存在する「コルベット」。「V8」は継承されているが、その搭載位置はミッドシップへと変わった。これは、非常に長い開発期間の後に実現した。
そして今回のミドシップへの進化はアメリカの伝説に良い影響を与えたということだ。2021年のスポーツカーは、より良いバランス、より安定したトラクション、より繊細なステアリング、よりシャープなデザインで作られている。
もちろん、6.2リッター自然吸気エンジンも、シートの真後ろで最高の状態を保っている。502馬力の「V8」は地平線に向かって突き動かす。637Nmと8速デュアルクラッチトランスミッションのおかげで、「コルベット ナンバー8」はサーキットでのハイグリップダンスと同様にクルージングにも長けている。

【ダッジ チャージャーSRTヘルキャット】

ダッジ チャージャーSRTヘルキャット(717馬力、881馬力、85,000ユーロ=約1,120万円より):
野生のグリズリーのように。「チャージャー」は森の中の簡素な丸太小屋、エンジンは冬眠中のグリズリー、そしてスタートボタンはその両方を震え上がらせる。
「V8」エンジンに火を入れれば、かつて見たことのないものがあなたの上に降りてくる。「ダッジ チャージャーSRTヘルキャット」は最も激しく、最も騒々しく、最も粗野で、最も生き生きとした、最も印象的な「V8モンスター」だ。「ヘルキャット」が現れる場所では、どこでも大混乱に陥る。
717馬力が噛みつき、881Nmが首を掴み、6.2リッターの排気量が観客をも興奮させる。走る!

【フォード マスタングGTコンバーチブル】

フォード マスタングGTコンバーチブル(449馬力、529Nm、53,800ユーロ=約710万より):
鎖を解かれた野生の馬。「コルベット」同様、「マスタング」もアイコンだ。何十年にもわたって作られてきたが、現行モデルはすべてが若くて新鮮だ。
特に、5.0リッターの「V8エンジン」がそうだ。自然吸気というだけあって、実に素晴らしい。3,000rpm以下では、実際には少し穏やかだが、それ以上の回転域になると、「ポニー」は飛び立ち、荒々しく疾走する。
強大な「V8」はロックンロールというよりヘビーメタルだ。もちろん、コンバーチブルではすべての音がより良く聞こえる。なぜなら、トタン屋根に邪魔されず、ダイレクトだからだ。さらに今やマスタングはハンドリングも優れている。

「レクサスLC500」

レクサスLC(464馬力、530Nm、欧州価格103,200ユーロ=1,362万円より):
ミステリアスな極東のエキゾチックな「V8」モデル。2+2シーターの愉快でエキゾチック、そして超希少性を持ったドラマチックなデザイン。カーボンミックス構造と10速オートマチックによるハイテクの数々。
スーパーチャージャーを持たない純粋な「V8エンジン」。5リッターエンジンが目覚めた途端、些細な不満などは消えてしまう。
この快適なクルーザーは、カントリーロードや高速道路で最高のパフォーマンスを発揮、わずか1,600rpmで200km/hをマークする。
鳥肌が立つ? ロッカースイッチで5段シフトダウンして、音と回転の快感と加速を楽しんでほしい。

【メルセデスAMG GT】

メルセデスAMG GT(530馬力、670Nm、124,278ユーロ=約1,640万円より):
スリーポインテッドスターで特別な「V8」体験をしたければ 「AMG GT」に乗ってみることをお勧めする。「コルベット」では、ここまでアスファルトに近づくことはできない。
「AMG GT」では、まるでリアアクスルに座っているかのような感覚になる。フロントアクスルの後ろでは、現代最高のV8エンジンが唸りを上げる。ローマウントされたレーシングエンジンは、速効性のあるターボにより、ドライサンプ潤滑方式で、スロットルコマンドを瞬時に強力な推進力に変える。
「レースモード」では、デュアルクラッチが容赦なくギアを入れていく。このクルマに乗って感じる関心事。それは、「コルベット」とのレースだ。

結論:
こんなに楽しかったのは久しぶりだ。
これらの「V8」は、それぞれの方法で素晴らしいパワープラントだ。
凶暴な「チャージャー」も、めちゃくちゃ速い「M5」も、重厚な「ベントレー」も、荒々しい「マスタング」も、みんな我々の顔をほころばせてくれる。
鳥肌が立つようなサウンドと、死ぬほど凄いパフォーマンス。
そしてそれぞれの持つユニークなキャラクター。
我々は彼らを祝福すべきだが、彼ら「V8エンジン」の終焉は残念ながら現実のものとなりつつある。

マルチシリンダーのエンジンは、本当にいつまで生き永らえることができるのだろう。そんな記事が世の中に出るようになって数年、まだ世の中には「V12」エンジン搭載車も生まれているし、「V8」を搭載した新型車も発表されている状況である。だが悲観的になってしまうかもしれないが、新しくマルチシリンダーのエンジンが開発されているかというと、そういう事実はおそらくなく、どこのメーカーもハイブリッドエンジンや、EVそして水素のエネルギーを使用したエンジンを鋭意開発中であることは間違いない。
これもよく言われるように、「楽しんでおくのなら今のうち」という(若干無責任な)セリフもわかるが、正確には「そんなエンジンの車種を新車で買うのなら今のうち」というのが正しく、別にあっという間に世の中から消え去ってしまうわけではない。
あと30年近くは内燃機関の自動車だって存在することが許されているし、「これからもまだまだ」楽しんでいくことができる土壌は残っているはずである。台数的にも限られるから、環境への影響だってそれほど深刻なものはもたらさないだろう「V8」や「V12」の車たち。本当に好きな人だったら長く、大切に、乗り換えることなく所有してほしい。そっちの方が環境にやさしいことは言うまでもないからだ。

Text: Dirk Branke, Jan Horn, Stefan Novitski
加筆: 大林晃平
Photo: Roman Raetzke / AUTO BILD

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