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V12を継続、50%以上のパーツを刷新した新型メルセデス・マイバッハSクラス発売 価格は3415万円から

2026年9月23日

メルセデス・ベンツ日本は、新型「メルセデス・マイバッハSクラス」を発表し、全国の正規販売店を通じて発売した。車両全体の50%以上に相当する約2700点の部品を新規開発または再設計した、マイバッハ史上最大規模の改良となる。ラインナップはV8エンジンを積む「Mercedes-Maybach S 580(ISG)」と、V12エンジンを搭載する「Mercedes-Maybach S 680」の2モデル。価格は3415万円から3934万円である。

約2700点を刷新したマイバッハ史上最大規模の改良

1921年にシリーズ生産車第1号のW 3を発表して以来、マイバッハは卓越した技術とクラフトマンシップを象徴する存在であり続けてきた。その伝統を現代のテクノロジーと結び付け、「究極の洗練されたラグジュアリー」を追求するブランドがメルセデス・マイバッハである。

今回登場した新型メルセデス・マイバッハSクラスは、車両全体の50%以上、約2700点に及ぶ部品を新規開発または再設計した。エクステリアとインテリアだけでなく、パワートレイン、サスペンション、デジタル機能、運転支援システムまで広範囲にわたって進化している。

ローズゴールドのアクセントとスターデザインを取り入れた新世代のDIGITALライト。

ボディはSクラスのロングホイールベースモデルよりもホイールベースをさらに180mm延長。その大部分を後席の足元空間に充て、ショーファードリブンにふさわしい居住性を実現した。電動開閉式リアドアやアクティブロードノイズキャンセレーションを採用し、乗降性と静粛性にも磨きをかけている。

約20%大型化したイルミネーテッドグリル

フロントで圧倒的な存在感を放つのが、従来より約20%拡張されたラジエターグリルだ。「Maybach」のレタリングまで発光するイルミネーテッドラジエターグリルを採用し、夜間でもひと目でマイバッハと分かる表情を作り上げた。

フロントエプロンにはマイバッハエンブレムを配置。DIGITALライトにはローズゴールドのアクセントとスターデザインが施されている。S 680ではラジエターグリルに専用エンブレムを装着し、V12エンジン搭載モデルであることを視覚的に示す。

従来より約20%拡大されたフロントグリル。「Maybach」のレタリングまで光るイルミネーテッド仕様となる。

ボディサイドには、地面に「MAYBACH」の文字を映し出すブランドロゴプロジェクターライトを新たに採用。リアには、クロームフレームで縁取られた片側3個のスターデザインを組み込んだ新型リアコンビネーションランプを備える。トランクリッドのハンドルストリップも、クロームとハイグロスブラックによるツートーン仕上げに改められた。

標準ホイールは新デザインの20インチマイバッハアルミホイール。オプションでは、マイバッハを象徴するディッシュタイプも選べる。ホイールキャップには精巧なボールベアリング機構が用いられ、走行中もスリーポインテッドスターが常に直立した状態を保つ。

リアコンビネーションランプには、クロームフレームで縁取られた片側3個のスターデザインを採用した。

よりダークで現代的な雰囲気を求めるユーザーには、ナイトシリーズパッケージも用意される。ダーククロームのアクセントを特徴とし、新型ではノーティックブルーのボディカラーとの組み合わせも可能になった。

MBUXスーパースクリーンを採用した新しい室内

インテリアは、インストルメントパネル、ドアトリム、センタートリムを新設計。デジタル技術と伝統的な高級素材を組み合わせた空間へと生まれ変わった。

標準装備の「MBUXスーパースクリーン」は、14.4インチのメディアディスプレイと12.3インチの助手席用ディスプレイで構成される。スリムなディスプレイユニットがトリムの上に浮いているように見えるデザインとし、コックピットに視覚的な広がりを与えた。ステアリングも新デザインとなり、一部に物理ボタンを復活させることで操作性を改善している。

14.4インチのメディアディスプレイと12.3インチの助手席用ディスプレイで構成されるMBUXスーパースクリーン。

センタートリムは面積を拡大し、標準仕様にはウォールナット材にV字溝を刻んだ「オープンポアアンバーブラウンフィッシュボーンパターンウッドインテリアトリム」を採用。ハイグロス・スレートポプラウッドや、MANUFAKTURピアノラッカーフローイングラインなどもオプションで用意される。

内装色にはブラック、マキアートベージュ/ブロンズブラウンパールに加え、ラグジュアリーファッションから着想を得た新色「ビーチブラウン」を設定。MANUFAKTURインテリアパッケージでは、タバコブラウン、レイクグリーン、コーンイエロー、カーマインレッドとブラックを組み合わせた新色も選べる。

シートベルトまで温まる快適装備

前席には、シートヒーターと連動するヒーテッドシートベルトを初採用した。シート、ステアリング、アームレストの各ヒーターと組み合わせることで、乗員を包み込むような温かさを提供する。

後席には、画面サイズを13.1インチへ拡大したMBUXリアエンターテインメントシステムを装備。新デザインのリアエアベントに加え、左右それぞれにMBUXリモートコントローラーが備わる。

ラグジュアリーファッションから着想を得た新内装色「ビーチブラウン」。明るいパイピングとステッチが上質感を高める。

後席コンフォートドアには電動開閉機能を標準装備した。延長されたホイールベースに合わせて大型化し、重くなったリアドアを、傾斜した路面でも容易に開閉できる。ルーフライナーのスイッチや車外のドアハンドルから操作できるほか、後方から歩行者などが接近すると、アクティブブラインドスポットアシストがドアの作動を自動的に停止する。

V8マイルドハイブリッドと612馬力のV12

Mercedes-Maybach S 580(ISG)には、新開発の4.0リッターV型8気筒ガソリンエンジン「M177 EVO」を搭載する。最高出力395kW、最大トルク750Nmを発生し、ISGによるマイルドハイブリッド技術を組み合わせる。

インジェクションシステムや吸気カムシャフト、吸排気ポートを改良したほか、コンプレッサーホイールとターボチャージャーハウジングも最適化。レスポンス、効率、滑らかさ、静粛性を高い水準で両立させた。

Mercedes-Maybach S 680には、5980ccのV型12気筒ツインターボエンジン「M279」を搭載する。最高出力612PS(450kW)、最大トルク900Nmを発揮し、9G-TRONICと四輪駆動システム「4MATIC」を組み合わせる。必要以上にエンジン回転数を上げず、余裕ある加速と静かな巡航を実現するのが、このV12モデルの狙いだ。

全モデルにマイバッハ専用の「MAYBACH」ドライブモードを設定。加えて遮音対策も強化され、騒音と振動は先代モデルよりさらに低減されている。

最大10度の後輪操舵で大型ボディを扱いやすく

全モデルに4MATICとリア・アクスルステアリングを採用する。約60km/h未満では、後輪を前輪と反対方向に最大約10度操舵し、駐車時や狭い市街地での取り回しを改善する。約60km/hを超えると、後輪を前輪と同じ方向へ最大3度操舵し、中高速域での安定性を高める。

ただし、有償オプションの21インチマイバッハアルミホイールを装着した場合、低速域における後輪の最大操舵角は4.5度となる。

新デザインの20インチマイバッハアルミホイールを標準装備。走行中もホイールキャップのマイバッハエンブレムは直立した状態を保つ。

サスペンションはモデルごとに異なる。S 680は、Car-to-X通信を利用するインテリジェントダンパー付きAIRMATICを装備。他のメルセデス車が検知したスピードバンプの情報をクラウドで共有し、同じ場所へ近づく車両の減衰力をあらかじめ調整する。

S 580(ISG)には、48Vアクチュエーターで4輪を個別制御する「E-ACTIVE BODY CONTROL」を採用。ステレオカメラで前方の路面を読み取るロードサーフェススキャンや、コーナリング時の車体姿勢を制御する「CURVE」機能を備える。側面衝突の危険を検知すると瞬時に車高を上げ、強固なサイドシルで衝撃を受け止める安全機能も組み込まれている。

100色以上の外装色から選べる特別プログラム

新型では、通常のMANUFAKTURやMANUFAKTUR Exclusiveを上回る特別注文プログラム「MANUFAKTUR Made to Measure」を初導入する。

外装色は100色以上を用意し、歴代メルセデス・ベンツの名車に採用されたカラーも選択可能。希望する特定の色についても、技術的な実現性を個別に確認したうえで対応を検討する。

特別注文プログラム「MANUFAKTUR Made to Measure」を初導入する。
インテリアのカラーは400色以上から選択できる上に刺繍を加えることも可能。

インテリアカラーはPANTONEのポートフォリオを基にした400色以上、ステッチは80色以上から選択できる。ヘッドレストクッション、フロアマット、シートクッションには文字やロゴの刺しゅうが可能だ。イルミネーテッドステップカバーも70色以上から発光色を選べ、表示する文字の変更にも対応する。

生成AIを統合した第4世代MBUX

新型メルセデス・マイバッハSクラスには、メルセデス・ベンツが自社開発した車載オペレーティングシステム「MB.OS」と第4世代MBUXを搭載する。

ナビゲーションにはGoogle Mapsを採用。生成AIを活用するMBUXバーチャルアシスタントは、ChatGPT、Microsoft Bing、Google Geminiを統合し、より自然で複雑な会話に対応する。短期記憶も備え、直前の会話内容を踏まえた応答を可能にした。

後席には13.1インチのMBUXリアエンターテインメントシステムと、左右独立したリモートコントローラーを装備する。

運転支援システム「MB.DRIVE」のため、高性能コンピューターに加えて最大10台の外部カメラ、5台のレーダーセンサー、12台の超音波センサーを搭載。AIアルゴリズムがセンサーデータを処理し、周囲の交通状況を把握する。なお、日本仕様では発表時点で外部カメラ2台を使用しない。

新世代のDIGITALライトにはマイクロLED技術を採用し、照度を最大40%向上。ウルトラハイビームは動的に旋回し、走行状況に応じて照射方向を最適化する。

安全装備では最大15個のエアバッグを搭載可能。後席にはリアベルトバッグを採用し、強い正面衝突時には肩部分が膨張してベルトの面積を約3倍に拡大することで、胸部への負荷を軽減する。助手席側後席のクッションエアバッグやリアエアバッグも標準装備される。

価格は3415万円から

日本で販売される新型メルセデス・マイバッハSクラスは2モデルで、いずれも左右両方のステアリング位置が用意される。

Mercedes-Maybach S 580(ISG):3415万円
Mercedes-Maybach S 680:3934万円

いずれも新車購入から3年間、一般保証修理、定期メンテナンス、24時間ツーリングサポートが無償となる走行距離無制限の「メルセデス・ケア」が適用される。

S 680が搭載する6.0リッターV12ツインターボは、最高出力612PS、最大トルク900Nmを発生する。

伝統的なV12エンジンを残しながら、生成AI、クラウド通信、電子制御サスペンションを融合した新型メルセデス・マイバッハSクラス。単なる豪華なSクラスではなく、移動空間そのものをオーナーのために仕立てるという、現代のマイバッハらしい進化を遂げた一台である。

Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:メルセデス・ベンツ日本