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新型マツダCX-5が好調、購入者の半数が新規顧客 都市圏改革で反転攻勢へ

2026年9月3日

マツダは、2025年度から進めている「国内ビジネス構造変革」の進捗を公表した。その成果を象徴しているのが、2026年5月21日に発表した新型CX-5の好調な販売である。購入者の約半数を他銘柄からの新規顧客が占め、最上位グレードの構成比も6割を突破。これまで伸び悩んでいた都市圏でも販売が拡大しており、商品、マーケティング、販売現場を一体化させる改革が結果につながり始めている。

新型CX-5発表後、新規顧客の集客が約7倍に

新型CX-5は発表直後から販売を大きく伸ばし、2026年8月末時点でも好調な受注トレンドを維持している。とりわけ注目されるのが、他銘柄から乗り換える新規顧客の増加だ。

CX-5における新規顧客の集客数は、発表後に従来の約7倍まで急増。その後も発表前の約5倍という高い水準を維持している。販売全体に占める新規顧客の割合は、直近週、全世代ともに約50%に達した。

年代別では若い世代ほど新規顧客の比率が高く、20代では63%、30代では42%を占める。従来のマツダユーザーだけに依存せず、これまでブランドとの接点が少なかった若年層や他銘柄ユーザーを取り込んでいる点は、新型CX-5の大きな成果といえる。

マツダの売れ筋商品の「CX-5」。

マツダはこれまで、デザインや走りに関心を持つ「マツダ好き」「クルマ好き」を中心にコミュニケーションしてきた。現在は対象をクルマの購入検討層全体へ広げ、顧客が求めるメリットを分かりやすく伝える方針へ転換している。新型CX-5では、このマーケティング改革が新規顧客の獲得に直結した格好だ。

最上位グレード「L」が63%を占める

売れ方にも明確な変化が表れている。新型CX-5のグレード構成では、最上位グレード「L」が63%に達し、「G」の33.4%を大きく上回った。単に手頃な価格だから選ばれているのではなく、装備や機能を含む商品価値が評価されていることが分かる。

購入の最大の決め手は「外観デザイン」の24%だったが、続いて「内装デザイン」が17%、「居住空間の広さ」が13%、「大画面ディスプレイ」が11%となった。このほか、価格、Google搭載、先進安全性能、荷室の広さ、走行性能への期待、車両サイズも購入理由に挙げられている。

マツダのデザイン性の高さはヨーロッパでも定評がある。

旧型CX-5では外観デザインだけが突出していたのに対し、新型は室内空間やデジタル機能、安全性など、幅広い価値が支持されている。マーケティングで商品の魅力を分かりやすく伝え、販売店が商談でその価値を丁寧に説明するという連携が、上位グレードの販売比率を押し上げた。

東京・首都圏など重点都市で販売が拡大

地域別では、マツダが販売強化の対象とする10都市に加え、本社を置く広島でも新型CX-5が好調なスタートを切った。2026年6~7月の登録実績を前年同期の旧型CX-5と比較すると、都市圏と首都圏を中心に確実な成長が確認されている。

マツダは2025年度、都市圏を中心に12店舗、全国では16店舗の改装を実施した。2026年度にも都市圏11店舗、全国16店舗の竣工を予定する。こうした重点投資により、東京・首都圏におけるシェアは反転し、0.2ポイント上昇した。

店舗も、単なる販売と整備の拠点からブランドを体験する場所へ変わりつつある。2026年7月には関東マツダ深川店に「MAZDA HERITAGE SPACE FUKAGAWA」がオープン。販売・整備以外のブランド価値を提供し、「遠くても行きたくなる店舗」を目指している。

2030年に「20万人から選ばれ続けるブランド」へ

今後のマツダは、都市圏の販売網再編、新規顧客獲得に向けたマーケティング改革、店舗体験の向上、組織・人事・企業風土の変革という4つの重点施策を継続する。

販売現場では「マツダブランドアカデミー」を通じ、54万件の顧客の声を反映した接客基準を展開。研修内容を活用して成約に至った案件の割合は、2025年度第1四半期の7.5%から2026年度第1四半期には31.0%へ上昇した。顧客の評価も、単に「丁寧な対応」から「自分に合う提案がうれしかった」へ変化しているという。

さらに、販売会社の登録業務や経理処理を集約する「マツダビジネスパートナー株式会社」を設立。店舗スタッフが間接業務から解放され、顧客対応とブランド体験の提供に集中できる体制を全国へ広げる。

マツダの今後の展開に期待がもてる。

マツダが掲げる目標は、単に年間20万台を販売することではなく、「2030年に20万人から選ばれ続けるブランド」になることだ。新型CX-5の好調な売れ行きは、新商品だけによる一過性の効果ではない。顧客視点の商品開発、情報発信、店舗改革を一体化させた国内事業の構造変革が、具体的な成果として現れ始めたのである。

Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:マツダ