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コロナ禍のうっぷん晴らし? そんな時には初代マツダMX-5(NA)で楽しむのが一番 購入アドバイス!

2021年4月9日

エンジョイするなら今のうちだ! リーズナブルな価格の初代マツダ ロードスター 購入アドバイス

マツダMX-5(NA)の購入のコツ!マツダMX-5がコロナ禍のイライラに超役立つ理由とは? マツダMX-5(NA)は、すべてが楽しい。さらに、大きなトラブルも発生せず、日常の買い物からカーレースまで何でもこなす。以下、MX5の購入を検討している人には、ぜひ知っておいてもらいたい情報だ。

コロナパンデミックで、どこにも行けないなら、せめてドライブだけでも日常から逃れられて楽しめるようにしたい。そのための理想的な車が初代「マツダMX-5(日本名: マツダ ロードスター)」だ。80年代以降、世界中で人気を博した、イギリス製、イタリア製、ドイツ製のロードスターモデルは、何の役割も果たさず、人々の記憶からもメーカーのラインナップからも消えてしまった。

そして、1989年に登場したのが「マツダMX-5」だ。
それも日本から!
マツダが生んだロードスターは世界中の自動車ファンに最大級の衝撃をもたらした。アメリカで「ミアータ(Miata)」の名で販売された「MX-5」は、絶妙のタイミングで登場し、印象的でオールラウンドな資質を備えていたため、爆発的人気を博し、アメリカを始め世界中で売れに売れた。新鮮な空気、生き生きとしたハンドリング、トラブルのない操作性を兼ね備えた「MX-5」は、瞬く間に多くの仲間を得て、1990年代にメーカーがスポーティな2シーターセグメントに回帰するきっかけとなったアイコニックな1台だ。

初代ロードスターの走り

通常なら、フロントガラスのフレームの左右にあるラッチ(留め金)を解除して、幌を後ろに放り投げればいいのだが、初代「MX-5」ではそうはいかない。車に乗り込む前に、プラスチック製のリアウィンドウのジッパーを丁寧に閉め、平らにして、その上にタオルを敷き、トップを固定する必要がある。そうしてから、いよいよ走行開始となる。ファンの間では「ミクサー(Mixxer)」と呼ばれているこの車は、ダイレクトなステアリングと緩やかな横方向への傾斜を持つテーラーメイドの車なのだ。そして何と言っても、この車は刺激的だ。リアエンドが外側に押し出され、車は少し不安定になり、それなりのドライビングスキルが要求されるがそれは極めて楽しい。

初代MX-5はオイル漏れが目立つ。慎重な点検が必要とされる。

安定させるのが簡単なのは、一流のハンドリングのおかげでもある。コーナリングの正確さ、低重心、軽量構造、ほぼ完璧なギアシフト、これらすべてがマツダを真のスポーツカーにしている。1.6リッターで116馬力というのは決して刺激的ではないが、スポーティなドライビングは性能とはあまり関係ない。スポーティなのは、この4気筒エンジンが、3000rpmと5000rpmの手前で微妙に追加キックしながら、簡単に回転を上げることだ。1994年には1,840ccで131馬力を発揮しより多くのパワーへの欲求を満たしたが、1.6リッターの出力は90馬力に低下した。
一方で、多くのファンからの、シートポジションを低くしたいという希望は最後まで満たされないままだった。

欠陥のある触媒コンバーターやラムダセンサーは、点検時に厄介なサプライズとなる。

マツダMX-5(NA)では純粋なオープンエアスポーツドライビングができる

活発な1.6リッターとショートレシオのマニュアルトランスミッションを備えた俊敏なマツダは、気取ったところのない、日常的な使用に適した楽しい車だ。電動ソフトトップ?そんなものまったく必要ない。せっかくのライトウェイトオープンスポーツカーに余計なエキストラ重量をもたらすだけだ。「何気なく手を振るだけで、北斗七星が日本車を照らしてくれる」と当時のAUTO BILDは書いている。いくつかの癖があるものの、それを直すのも簡単なので、初代「マツダMX-5」は今やクラシックカーとしての地位を獲得している。

マツダ ロードスター(NA)で発生しがちなトラブル

サビが発生する場所は、たいていはフロントサイドメンバーやリアホイールアーチ、シルなどだ。ソフトトップにヒビが入っていたり、ボンネットの布地が色あせていたり、樹脂製のリアウィンドウに傷がついていたりすると、それらは前のオーナーが放置していたことになる。
それ以外には、技術的に「MX-5」はあまり注意する必要はない。しかし、パーキングブレーキが使われていないと、一体型キャリパーが固着していることが認められることがある。振動により、折りたたみ式ヘッドライトの機構が摩耗し、緩んでがたつくことがあるのでチェックが必要だ。ステアリングジョイントも故障することが多い。

MX-5(NA)はサビの問題を抱えることがある。その場合は、シルやリアアクスルボディが影響を受けることが多い。

「マツダMX-5(NA)」について、整備と検査の専門家は次のように語る。「現代的な技術を備えたクラシックなロードスターとして、MX-5は1989年から1998年まで初代が生産され、この種のスポーツカーとしては世界で最も売れた車です。マツダは開発段階から品質を重視しており、それは現在でも高い信頼性に反映されています。4気筒ガソリンエンジンは、トランスミッションと同様に、定期的なメンテナンスを行えばトラブルはありません。タイミングベルトの交換には注意が必要で、できればテンションプーリーを使用したい。ボディは、ねじれ剛性は高くないが、腐食に対してはきちんと保護されている」。

走行中の振動で折りたたみ式のヘッドライトが緩んでしまうことが往々にしてある。チェックが必要だ。

これが我々の「MX-5(NA)」の評価だ。「MX-5」は我々がロードスターに臨むすべてに応えてくれているか?イエスでもありノーでもある。多くのことができるが、すべてではない。もっと楽しくて、もっと安くて、もっと丈夫で、歴史的にもっと重要なクルマがある。しかし、「MX-5」ほど、すべての面で気楽に我々を楽しませ、喜ばせてくれるロードスターはない。
もし「MX-5」が、錆びやすいことや、135リットルの小さなトランク以外に何か欠点があるとしても、それはささいなことだ。レトロ、ミニライトホイール、ブリティッシュスタイル、特にブリティッシュレーシンググリーンのリミテッドエディションにはライトレザーシートが装備されているが、「アルファ スパイダー」のようなドアハンドルも装備されている。とてもよくできているが、それらは完全に本物というわけではない。しかし、それはどうでもいいことだ。
本物を欲するならば、本物を手に入れればいいことだからだ。これほど安価で、ロードスターとしての楽しみのすべてを味わえるクルマは、まさに希少な存在だ。

1993年に製造された「マツダMX-5」が1500ユーロ(約19万円)・・・。それは本当にお買い得なのか、それともそんなオファーには手を出さない方がいいのか? 我々は、このマツダをドライブし、じっくりと観察してみた。
試乗した車のスピードメーターには走行距離100,400kmが示されている。車検は切れている。しかし、技術的には初代「MX-5」はまだまだ元気なようだ。エンジンはレッドゾーンまで快調に回転し、短いシフトトラベルでギアが正確に噛み合う。高速コーナーでは、「MX-5」ファンはアクセルを踏んでリアエンドを踊らせるのが楽しみだ。
工夫を凝らしたインテリア: かわいらしい丸い時計、シンプルなヒーター付きスライダー、モモのステアリングホイールなど、時代を超えて愛されるインテリアだ。
繊細なシートは、古いモデルでは、特に運転席側ですり減っていることが多い。椅子張り職人の腕の見せ所だ。

初代「マツダMX-5(1989~1998)は、技術的には非常にしっかりしているが、決して老朽化のリスクがないわけではない。最初の点検ポイントはサビだ。リアホイールアーチのシートメタルの折り返し部分によく発生している。シルも弱点のひとつだ。ソフトトップコンパートメントの排水溝が詰まっていると、すぐに水がこぼれてしまう。その結果、錆びてしまうのだ。リアブレーキのキャリパーも経年劣化で錆びることが多い。ソフトトップは10年も経てば擦り切れてしまうことが多い。曇ったプラスチック製のリアウィンドウを交換するだけでも、500ユーロ(約6万5千円)近くになる。ビニール製のルーフ一式を取り付け付きで購入すると900ユーロ(約11万7千円)ほど、かかる。マツダでは、タイミングベルトを9万kmごとに交換することになっている。その結果、ワークショップでの費用は約350ユーロ(約4万5千円)になる。

結論:
錆びていない初代「MX-5」をオリジナルの状態で見つけるのは、もはや簡単ではない。今回の試乗車では、ホイールアーチの通常のサビスポットは、右リアのわずかなブリスターに見られる状態だった。しかしそれ以外は、技術的には完璧な状態だった。たった1,500ユーロ(約19万円)で、これほどまでにオープンエアのドライビングを楽しめるクルマは他にはないだろう。

「ユーノス ロードスター」、それはマツダにとっても、世界中のオープンカー愛好家にとっても、エバーグリーンな魅力を持つ一台である。特にこの初期型「NA」は、おそらく「ビートル」や「チンクエチェント」(もちろん昔の、である)のようにいつまでも愛され続けるクルマだ。マツダにとっても、「ロードスター」が存在することはかけがえのない財産であると思っているだろうし、だからこそリフレッシュプログラムも用意し、その魅力を絶やさずに保存?していくことに尽力しているのである。その一方で、今回のレポートのように安価でオープンカーを楽しみたい、という財布の軽いエンスージャストにとっても、「ロードスター」はありがたい存在である。本文中にあるように、細かい部分にはウイークポイントがあるとしても、そこは日本製の自動車だから機構的に壊れて不動になったり、維持に大金がかかったりするということはないと考えて良い。そういう意味でも、「ロードスター」は日本のクルマとして世界に誇りをもって生きながらえて欲しいし、いつまでも自動車を軽やかに愛することの喜びを与え続けて欲しい。

Text: Frank B. Meyer, Knut Simon
加筆: 大林晃平
Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD