【中古高級SUVを徹底チェック】アウディQ7、BMW X5、メルセデスGLE他6台のXXLサイズのラグジュアリー 中古ならいくらで買える?
2026年9月18日
ドイツの中古車情報:卓越した快適性、広大なスペース、そして最大7人乗りの実用性を備えた大型SUVは、幅広い用途に応えるオールラウンダーとして高い人気を誇る。中古車市場では、こうした大型プレミアムモデルが魅力的な価格で手に入る。今回は注目すべき6台を紹介しよう。
大型SUVは、広大な室内空間と優れた快適性を備えているだけではない。最大7人が乗車できるXLサイズのラグジュアリーSUVなら、人数の多いファミリーにも対応できる。そのため市場での人気は高く、需要も旺盛だ。
AUTO BILDは、アウディQ7、BMW X5、メルセデス・ベンツ GLE、レンジローバースポーツ、ボルボXC90、VWトゥアレグという6台について、それぞれの弱点と中古車価格を検証した。
全長4.80~5.05mに達するこの6台は、SUVのなかでも最大級のモデルである。当然、それは価格にも反映されている。Q7をはじめとする各モデルは、新車時のベース価格が少なくとも約6万ユーロ(約1,080万円)に設定されていた。
もっとも、これはあくまで理論上の数字だ。エンジンや装備によっては、約10年前の新車価格でも実際には8万ユーロ(約1,440万円)前後に達していた。
大型SUVでは今もディーゼルが人気
これらの大型SUVの多くは、ディーゼルエンジン仕様が選ばれていた。しかし、現在でもディーゼルを推奨できるのだろうか。何しろディーゼル車は減少傾向にある。2015年にはドイツ国内で新規登録された乗用車の約50%をディーゼル車が占めていたが、現在は14%弱にまで落ち込んでいる。
それでも、大型SUVにおけるディーゼル人気は依然として高い。2020年の時点でも、このクラスの購入者の3分の2以上がディーゼルを選択していた。
その理由は明確だ。ディーゼルエンジンの豊かなトルクは、最大3.5トンにも達する重量物の牽引に適している。さらに優れた燃費効率によって、長い航続距離も確保できる。
最初に大きく値落ちし、その後は長期間安定
手頃な価格になった中古プレミアムSUVは、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって魅力的な選択肢だ。オフロード走行性能に加え、広い室内と優れた長距離移動時の快適性を備えている。
一方、こうした高級SUVは初代オーナーの時代から日常の足として頻繁に使用されることが多く、その結果として走行距離も伸びやすい。初期の値落ちは大きいが、その後の大型SUVの中古車価格は驚くほど安定している。
中古車購入者が忘れてはならないのは、頑丈な構造と相当な車両重量が、各部の大きな消耗につながる点だ。また、エアサスペンションや数多くの快適装備など複雑な技術を採用しているため、保険料やメンテナンス費用も高い。
それでも中古車としての魅力は大きい。たとえばBMW X5なら、6~8年落ちで新車価格の半額ほどまで下がる。ここからは、今回チェックした6台を詳しく見ていこう。
アウディQ7(4M)
生産期間:2015年~現在/最高出力:218~507馬力/人気エンジン:3.0 TDI V6(218/272馬力)/中古車価格:約3万ユーロ(約540万円)~(走行20万km以下)
アウディQ7の第2世代にあたる4M型は、2015年から生産されている。アルミニウム構造の採用によって先代より大幅に軽量化され、燃費効率も向上した。
高品質で堅牢な作り、広々としたインテリア、優れた乗り心地を兼ね備えたQ7は、AUTO BILDの比較テストで何度も勝利を収めてきた常連モデルである。

Photo:Toni Bader / AUTO BILD
中古車では走行距離20万km前後の個体も珍しくなく、価格は2万6,000ユーロ(約468万円)程度からとなる。
ただし、オドメーターの表示が実際の走行距離と矛盾していないか、必ず慎重に確認する必要がある。走行距離35万km以上の車両が、疑わしい販売店によってメーターを改ざんされ、少ない走行距離で販売されているケースもある。
弱点: 272馬力仕様の3.0 TDI(エンジンコード:CRTD)では、カムシャフトから異音が発生し、摩耗が進行することがあった。この仕様の多くは保証によってカムシャフトが交換されている。対象車かどうかは、トランク内のサービスステッカーなどに記載されたエンジンコードで確認できる。218馬力仕様(エンジンコード:CRTE)では、この問題の発生頻度は低い。
走行距離が20万kmを超えると、8速ティプトロニックトランスミッションに不具合が生じる可能性もある。トランスミッション専門業者は正規ディーラーより安い場合が多いが、それでも修理費用は数千ユーロ後半を覚悟しなければならない。
エアサスペンションのコンプレッサーやエアスプリングの故障も高額修理につながる。純正アウディ部品より手頃な代替品として、Aerosus製パーツも用意されている。
BMW X5(F15)
生産期間:2013~2018年/最高出力:218~575馬力/人気エンジン:30d(258馬力)/中古車価格:約2万3,000ユーロ(約414万円)~(走行20万km以下)
燃費効率を高めるため、BMWは第3世代X5に4気筒エンジンを搭載した25d(218/231馬力)を設定し、さらに後輪駆動のsDrive仕様も用意した。
ただし、小排気量の2.0リッター4気筒ディーゼルを搭載し、四輪駆動を持たないモデルは市場では比較的珍しい。走行距離20万km前後の個体なら、すでに2万ユーロ(約360万円)程度から購入できる。

Photo:Toni Bader
購入者の大半が選んだのは3.0リッターディーゼルで、その中心となったのが258馬力仕様だった。直列6気筒ディーゼルには、313馬力仕様と381馬力仕様も用意されている。
弱点: 人気が高くトルクフルな6気筒ディーゼルのN57D30は、走行距離15万kmを超えるとクランクシャフトベアリングの損傷が増える傾向にある。その一般的な原因のひとつが、オイルポンプの故障だ。
走行距離がさらに増えると、タイミングチェーンが擦れるような音やガラガラという異音を発する場合もある。厄介なのは、チェーンドライブがエンジン後方の作業しにくい位置に配置されていることだ。交換作業には推定17時間を要するため、修理費は非常に高額となる。
メルセデス・ベンツ ML/GLE(W166)
生産期間:2011~2018年/最高出力:204~585馬力/人気エンジン:350d(258馬力)/中古車価格:約1万8,000ユーロ(約324万円)~(走行20万km以下)
第3世代Mクラスの生産期間中に、メルセデスはモデル名を変更した。2015年以降、このSUVはGLEと呼ばれている。
V6ディーゼルに加え、ベースモデルには4気筒ディーゼルも用意された。2015年半ば以降は、四輪駆動だけでなく後輪駆動仕様も選択できるようになった。

Photo:Toni Bader
上質な装備を備えた個体が多いW166型GLEは、とりわけ中古車価格が安定している。走行距離20万kmを超えたモデルは4気筒エンジン搭載車が多く、約1万5,000ユーロ(約270万円)から見つけることができる。
弱点: 4気筒ディーゼルでは、ピエゾインジェクターの不具合が知られていた。ただし、この問題は早期に解決されている。
OM651エンジンで最も頻繁に見られる問題は、油圧式チェーンテンショナーからのオイル漏れに起因するタイミングチェーンの伸びだ。伸びたタイミングチェーンがカムシャフトスプロケット上で摩耗すると、特徴的な異音が発生する。スプロケット自体が破損する可能性もある。現在では、多くの車両に改良型チェーンテンショナーとカムシャフトスプロケットが装着されている。
V6ディーゼルでは、スワールフラップモーターやターボチャージャーの電動アクチュエーターの故障が、出力低下を引き起こす主な原因となる。
走行距離が増えると、オイルクーラーからオイルが漏れやすくなる。シールキットの交換作業には、およそ4時間を要する。
ボルボXC90(第2世代)
生産期間:2015年~現在/最高出力:190~455馬力/人気エンジン:D5(224馬力)/中古車価格:約2万5,000ユーロ(約450万円)~(走行20万km以下)
大幅に刷新されたデザインと、約15cm延長されたボディを備える第2世代XC90は、2015年に登場した。
意外なことに、新世代の大型ボルボには、6気筒エンジンやS80に搭載されたヤマハ開発の8気筒エンジンは採用されなかった。代わりにディーゼルとガソリンの両方で、過給圧などの仕様が異なる2.0リッター4気筒エンジンを採用した。

Photo:Christoph Börries / AUTO BILD
プラグインハイブリッドのT8 Recharge AWDでは、最高出力455馬力を発生する。電動走行も可能なPHEVモデルは、後輪を電気モーターで駆動することで四輪駆動を実現している。一方、190馬力のD4ディーゼルは前輪駆動のみとなる。
弱点: このSUVでも、スウェーデン勢は伝統的なボルボの美点を守っている。XC90のパワートレインは堅牢と評価されており、強力に過給された4気筒エンジンであっても、比較的小排気量のユニットは信頼性の高さを証明している。
ターボとスーパーチャージャーを併用するガソリンエンジンのT6およびT8でも、タイミングチェーンのトラブルはまれだ。ただし、EGRの不具合、インジェクターの損傷、オイル消費量の増加と無縁というわけではない。
足まわりでは、とくに初期モデルのエアサスペンションに問題が発生しやすい。登場当初は不安定だったインフォテインメントシステムも、ソフトウェアアップデートによって安定性が向上した。
レンジローバースポーツ(L494)
生産期間:2013~2022年/最高出力:241~575馬力/人気エンジン:SDV6/TDV6およびSDV8/中古車価格:約2万2,000ユーロ(約396万円)~(走行20万km以下)
「レンジ」は、事実上すべてのラグジュアリーSUVの祖先であり、その歴史は1970年に始まった。
「スポーツ」の名を持つ第2世代モデルは、先代より全長と全幅を拡大しながら、アルミニウム構造の採用によって最大約500kgもの軽量化を実現した。

Photo:Jaguar Land Rover
306馬力のV6ディーゼルを搭載し、走行距離20万km以下の個体は、約2万2,000ユーロ(約396万円)から見つけることができる。
標準装備のエアサスペンションをはじめとする充実した装備と、2015年当時で約7万ユーロ(約1,260万円)だった新車価格を考えれば、レンジローバースポーツの値落ちはとりわけ大きい。
弱点: V6ディーゼルエンジンでは、ベアリングシェルが回り止めのない状態でエンジンブロックに組み込まれていた。これが回転してしまうと、エンジン損傷を引き起こす可能性がある。
専門工場では、回転を防止する溝を備えた改良型シェルを取り付けている。重要なのは、走行18万km以降にタイミングベルトを交換する際、メインプーリーも同時に交換することだ。これは修理キットに含まれておらず、別途注文しなければならない。
レンジローバーの購入を検討するなら、電装系のトラブルやエアサスペンションの不具合についても把握しておく必要がある。
VWトゥアレグ(7P)
生産期間:2010~2018年/最高出力:204~380馬力/人気エンジン:3.0 TDI(204~262馬力)/中古車価格:約1万5,000ユーロ(約270万円)~(走行20万km以下)
第2世代トゥアレグは、先代より空力性能と効率を高め、コネクティビティも進化させた、はるかに現代的なモデルとして登場した。
フォルクスワーゲンはエンジンラインナップも整理し、巨大なV10 TDIや燃料消費量の多いW12ガソリンエンジンといった特別なユニットを廃止。ディーゼル、ガソリンともに6気筒と8気筒へ集約した。

Photo:Toni Bader
アウディとの協力によって、トゥアレグとして初めてプラグインハイブリッドの3.0 V6 TSI Hybridも設定された。
弱点: 2014年までのV6ディーゼルでは、インジェクターの故障が知られている。高圧燃料ポンプシステムにも不具合が発生した。
始動性の悪化や不安定なエンジン回転は、コモンレール式燃料供給システムに生じた不具合の初期症状であるため注意が必要だ。
3.6リッターV6エンジン搭載車は、とりわけ手頃な価格で販売されている。しかし、燃料消費量が多いため、維持費は高くなる。
また、牽引装置を備えたすべての大型SUVに共通することだが、トレーラーなどの牽引に頻繁に使用されていた車両では、各部の摩耗が進んでいる可能性を考慮しなければならない。
Text:autobild.de
編集部より
かつて新車で1,000万円を大きく超えていた大型プレミアムSUVが、現在では国産ミドルクラスSUVに近い価格で手に入る。その事実だけを見れば、これほど魅力的な中古車はない。しかし、購入価格が半分になっても、修理費や維持費まで半分になるわけではない。エアサスペンション、ディーゼルエンジン、複雑な四輪駆動システム、数多くの電装品など、ひとたび故障すれば高額な出費につながる装備が満載である。購入時には価格や走行距離だけで判断せず、整備履歴、オイル交換歴、牽引使用の有無、エアサスペンションの状態、エンジンやトランスミッションからの異音を入念に確認したい。信頼できる専門店と確かな整備記録を持つ個体を選ぶことが、大型高級SUVを楽しむための何より重要な条件となる。アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)

