トヨタ ガズー レーシングが「GR GT」と「GR GT3」を投入 公道とサーキットのために誕生した新たなGTファミリー
2026年8月28日
トヨタのスポーツ部門であるGRは、新型「GR GT」と「GR GT3」で高みを目指す。その舞台はグッドウッドだけにとどまらない。
有名な伊勢神宮では、技術と伝統を次の世代へ受け継ぐため、20年に一度、社殿を建て替える式年遷宮が行われている。トヨタもまた、ガズー・レーシングが培ってきたノウハウを失わないため、スポーツカーづくりにおいて同じ思想を取り入れている。
新時代を切り開く3台のニューモデル
そのためトヨタは今回、3台のニューモデルを投入し、新たなGT時代の幕開けを告げた。これは、開発やテストドライブにも自ら参加したトヨタ自動車会長、豊田章男(70歳)にとって、まさに情熱を注いだプロジェクトである。
その成果として誕生したのが、すべてのクルマ好きに向けた、強烈な個性を持つ3台だ。公道仕様の「GR GT」は、フェラーリさえ脅かしかねない、新たなスポーツカーモンスターである。
そしてレーシングバージョンの「GR GT3」は、ル・マンでのハイパーカーによる勝利に続き、モータースポーツのGTシーンに旋風を巻き起こし、ニュルブルクリンク北コースを制覇することを目指す。
さらに「レクサスLFAコンセプト」が、このラインナップをエレガントに締めくくる。こちらは完全電動スーパースポーツカーの未来像を示すモデルである。
4.0リッターV8ツインターボを搭載
内燃エンジンを搭載する「GR GT」と「GR GT3」は、いずれも極めて低い位置に搭載された4.0リッターV8ツインターボエンジンを採用する。
公道仕様のGR GTにはハイブリッドシステムと新開発の8速オートマチックトランスミッションが組み合わされる。一方、レーシングマシンのGR GT3には、レギュレーションの要件に従ってシーケンシャルトランスミッションが搭載される。
レーシングバージョンは、市販仕様のGR GTと比較して、当然ながら競技に特化した、より妥協のない設計となっている。しかし、基本的には同じプラットフォームを使用しており、カスタマーレーシングにおいても扱いやすいパフォーマンスを提供することが明確な目標とされている。
最大限の性能を引き出す理想的な重量配分
興味深いのは、フロントアクスルより後方にエンジンを配置するフロントミッドシップレイアウトを採用していることだ。さらに、トランスミッションを後方に配置するトランスアクスル方式との組み合わせにより、高い車体剛性を実現している。

新たな特徴として、トヨタは初めて車体の基本構造にオールアルミニウムフレームを採用した。これにより、車両重量を大幅に削減している。
理想的なドライビング体験を実現するため、エンジニアたちは極めて低い重心と最適なシートポジションにも細心の注意を払った。つまり、このクルマはドライバーを中心として設計されているのである。
流線形のエアロダイナミクスに加え、トヨタ初となるオールアルミニウムシャシーでは、軽量化について一切の妥協を許さなかった。目標車両重量は1750kgに設定されている。
最高出力650馬力、最高速度320km/h以上
トヨタは市場投入時期や価格について、現時点では正確な情報を明らかにしていない。しかし、少なくとも最高出力650馬力、最高速度は“魔法の数字”とされる200mph、すなわち320km/h以上を目標としている。
この速度域では、信頼性の高いブレーキが不可欠である。GR GTには前後とも、ドイツで製造されたブレンボ製カーボンセラミックブレーキシステムが採用される。
トヨタはグッドウッドで行われたプレミアにおいて、その性能を印象的に披露した。ここで「トリニティ」と呼ばれる3台が、初めて揃って解き放たれたのである。

LFAコンセプトによって、トヨタは究極のパフォーマンスカーの次世代像を提示する。
完全電動のレクサスLFAコンセプトも、カモフラージュを施した姿ながらグッドウッドのヒルクライムを駆け上がった。
スタジオ内で披露された姿からは、その未来的なキャラクターがはっきりと見て取れる。コンセプトカーは、印象的なデザインディテールと上質な素材によって見る者を魅了する。
ただし、初代LFAが奏でたV10エンジンの咆哮に代わる人工的なサウンドには、少々慣れが必要だろう。それでも、少なくとも視覚的には、このプレミアムモデルは間違いなく成功作である。
Text: ABMS
Photo: Toyota
編集部より:
GR GT、GR GT3、そして完全電動のレクサスLFAコンセプト。トヨタは内燃エンジン、モータースポーツ、電動化という3つの方向から、次世代の高性能車像を提示した。なかでも650馬力以上、最高速度320km/h超を目指すGR GTは、日本を代表する新たなスーパースポーツカーとなる可能性を秘めている。市販時期と価格の発表が待ち遠しい。アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)

