最新アップデート情報 新型メルセデスCクラス モデルラインナップと価格判明
2021年4月5日
新型メルセデスCクラス(W206)の全アップデート情報: モデル、価格、ディーゼル、エステート、市場投入時期
新型Cクラスはより大きく、よりスポーティに、そして4気筒エンジンとハイブリッドシステムが搭載される。新型メルセデスCクラスには、本物のテクノロジーの花火が搭載されるのだ。特にハイライトは、アップライトディスプレイを採用したインテリアだ。シートに座った印象も含めて、すべてのアップデート情報をお届けする。
➤ 価格と市場ローンチ時期(アップデート情報!)
➤ サイズ
➤ デザイン
➤ インテリア
➤ 乗り心地
➤ 装備とテクノロジー
➤ エンジン
新型メルセデスCクラスの価格は4万ユーロ(約520万円)以上
ダイムラー社の乗用車部門でベストセラーとなっている「メルセデスCクラス」。
今回の「W206」シリーズで、ミッドサイズのメルセデスは、5番目のモデル世代に入る。
2021年の「Cクラス」は、より大きく、よりスポーティなスタイリングになり、必ず4気筒のマイルドハイブリッドが搭載される。
先代「Cクラス」は全世界で250万台を販売し、メルセデスにとって最も重要なボリュームモデルとなっているだけに、彼らの新型に対する期待は高い。
もちろん、セダンタイプに加えて、新世代では再びTモデル(ステーションワゴン)も発表される。
ドイツでは、「Cクラス」の3分の2がステーションワゴンだという。
2021年6月の市場投入以降、新型「Cクラス」は、従来のライバルである「アウディA4」や「BMW 3シリーズ」と競合することになる。
受注開始はそれよりも早く、メルセデスのディーラーでは、2021年3月30日から注文を受け付けが開始される。
採用されたニューテクノロジーの数々は、先代に比べて価格が上昇することをも意味する。
ベースモデルのC180は40,000ユーロ(約520万円)の大台を超え、41,138ユーロ(約538万円)からの購入価格となっている。
ドイツで特に人気のあるエステートは、市場投入時には3種類のエンジンバージョン(C200、C220d、C300d)しかなく、「C200」のエステートバージョンは、46,975ユーロ(約615万円)からとなっている。
他のパワートレインは後日、あらためて追加される予定だ。
より高価で、より速いものをお望みの方は、2021年から2022年の変わり目に「Cクラス」のAMG派生モデルが計画されている。
ただし、メルセデスAMG C63のボンネットにはもはやV8は搭載されない。
さらに、「Cクラス」には初めて、車高が高く、エアサスペンションや全輪駆動を備えた、より頑丈なオールテレイン(全地形対応型)タイプのバリエーションが登場する可能性が高い。
一目でわかる新型Cクラスの価格:
ガソリンモデル:
● メルセデスC180: 41,138ユーロ(約538万円)より
● メルセデスC200: 44,798ユーロ(約586万円)より
(エステートモデル: 46,975ユーロ(約615万円)より)
● メルセデスC200 4MATIC: 47,178ユーロ(約618万円)より
● メルセデスC300: 47,892ユーロ(約627万円)より
● メルセデスC300 4MATIC: 50,272ユーロ(約658万円)より
ディーゼルモデル:
● メルセデスC220d: 47,178ユーロ(約618万円)より
(エステートモデル: 49,355ユーロ(約646万円)より)
● メルセデスC300d: 51,789ユーロ(約678万円)より
(エステートモデル: 53,967ユーロ(約706万円)より)
W206は、より広い室内空間へと成長
新型「Cクラス」はより大きなサイズに成長している。
セダン、エステートともに、全長は約4.75メートルになり、セダンの場合は先代に比べて6.5センチの増加となる。
また、ホイールベースも大きくなっていて、車軸間の距離が2.5cm延長され、合計で約2.87mになっている。
また、幅も拡大している。
新型「Cクラス」の全幅は1.82メートルで、従来よりも1センチ広くなっている。
ホイールベースの延長とボディの拡大は、室内空間の改善を目的としたものだ。
ステーションワゴンのトランク容量は、先代モデルよりも30リットル増加している。
サイズ: メルセデスCクラス セダン(W206)
● 全長: 4751mm(+65mm)
● 全幅: 1820mm(+10mm)
● 全高: 1438mm(-9mm)
● ホイールベース: 2865mm(+25mm)
● トランク容量: 455リットル
ボンネット上にスリーポインテドスターはもうない
新型「Cクラス」のデザイン言語とプロポーションは、明らかにスポーティなものになっている。
フロントオーバーハングは短くなり、ボンネットには2つのパワードームがシートメタルに打ち込まれた筋肉を表し、ヘッドライトはより細長い形状になっている。
深く配置されたグリルの輪郭も新しくなり、中央には大きな星が描かれている。
ボンネット上の古典的な星(スリーポインテッドスターのマスコット)はもはや存在しないからだ。
伸びやかでスポーティな印象を与えるために、ナンバープレートの上のクロームストリップは取り除かれている。
その代わりに、2つのパーツで構成されたテールライトが認識性を高め、「Cクラス」のテール部分をよりずんぐりとした印象にしている。
メルセデスSクラスのようなインテリア
新型「Cクラス」のハイライトのひとつは、明らかにインテリアだ。
コックピットの構造は非常に新しく、「Eクラス」のワイドスクリーンをスキップして、新型「Sクラス」のレイアウトをほぼそのまま採用している。
つまり、アナログの計器類はなくなり、ステアリングホイールの前にスクリーンが設置されているのだ(10.25インチが標準、12.3インチはオプション)。
これがインストルメントクラスターとなり、おなじみのディスプレイオプションも用意されている。
インフォテインメントやクライメート機能を操作するためには、センターコンソールからシームレスに連なる巨大なディスプレイが備わっている。
しかし、「Sクラス」とは異なり、この中央のディスプレイ(標準で9.5インチ、オプションで11.9インチ)は、運転席に対して6度傾いている。
これにより、新型「Cクラス」はよりスポーティな広さを感じさせる。
そして、これに伴い、ダッシュボードは従来よりもスリムになっている。
新型「Cクラス」は、すべてが軽やかでゆったりとしたモダンな印象を与える。
この印象は数字でも裏付けられている。
メルセデスは、前席のショルダールームを26mm拡大したと発表している。
また、後部座席では、背の高い人でもリラックスして旅行ができる。
データシートによれば、膝のスペースが最大35mm広くなっており、素晴らしいフィット感が得られる。
Cクラス(W206)の技術的な花火
新型「Sクラス」同様、新型「Cクラス」にもテクノロジーの花火が打ち上げられている。
中央のMBUXディスプレイは以前すでに紹介した。
そのインフォテイメント機能については、「Sクラス」のものとほぼ同じだ。
例えば、標準的な機能に加えて、新型「Cクラス」では、音声コマンドを学習したり、スマートホーム(Smarthome)へのアクセスを可能にしたり、拡張現実コンテンツを中央モニターにミラーリングしたりすることができるようになっている。
新しいインフォテイメント機能は、Wi-Fiによるアップデートによって追加される。
また、ヘッドアップディスプレイ(9×3インチ)がオプションで用意されている。
クルーズコントロールシステム「ディストロニックプラス」は、100km/h時にブレーキをかけられるようになっている(従来は60km/hが上限だった)。
ステアリングアシスタントでは、360度カメラを利用した車線認識機能が向上した。
また、交通標識の認識では、制限や補足事項を読み取ることもできるようになっている。
例えば、制限速度が「雨天時」にしか適用されないかどうかなども読み取ることができるようにもなっている(ヨーロッパのみではあるが)。
もちろん、ストップサインや赤信号の検知も可能だ(こちらもヨーロッパ仕様のみ)。
ソフトウェアの改良・拡張に加えて、メルセデスは新型「Cクラス」のハードウェアにも気を配っている。
例えば、オプションのリアアクスルステアリングシステム(4輪操舵)により、新型「Cクラス」の回転半径は10.64メートル(マイナス43センチ)に短縮され、ステアリングレシオも従来よりもダイレクトになるように設計されている。
これに合わせて、メルセデスのエンジニアたちは、新しい4リンク式のフロントアクスルを装着し、シャシーをよりダイナミックなものに仕立て上げた。
アダプティブダンパーとスポーツサスペンションはオプションで利用できるようになっている。
新型Cクラスの初試乗
我々は、プロトタイプでのファーストドライブで最初の印象を得ることができたが、風切り音の低さとスポーティな遺伝子が特に印象的だった。
少なくとも、「C300」では。
最高出力258馬力の2リッター4気筒エンジンを搭載し、さらに電動アシストによって、27馬力を加えて約20秒の加速を実現している。
また、オプションのリアアクスルステアリングが搭載されているが、これが大きな違いを生んでいて、ほんの少しステアリングを動かしただけで、快調にコーナーを曲がってくれる。
メルセデスは星のついた「BMW 3シリーズ」を作ったのだろうか?
市販車が発表され、テストする日が待ち遠しい。
新型Cクラスは4気筒とオートマチックトランスミッションのみ
そして、新型「Cクラス」の大きな革命は、エンジンルームで起きた。
将来的には、4気筒エンジンのみが採用されることになる。
すべてのバージョンのエンジンは、48Vの電動システムと、クランクシャフトに直接電力を供給する統合スタータージェネレーター(ISG)を組み合わせている。
この方法で、新型「Cクラス」は、電力のアシストとともに巡航することができ、加速時には15kWの出力と200Nmのトルクが得られ、ブレーキ時には自動的に回復するようにできている。
また、「9Gトロニック」オートマチックトランスミッションも標準装備されている。
その一方で、新型「Cクラス」には、マニュアルミッションの設定がなくなった。
「OM654M」と呼ばれるディーゼルエンジンは、新しいクランクシャフトを採用し、排気量を1950ccから1992ccに拡大している。
タービン形状が可変の2つの水冷式ターボチャージャーがディーゼルエンジンに負荷をかけ、それが3つの出力レベルに反映されている。
「Cクラス」のディーゼルバージョンでは、163馬力(C200d)、200馬力(C220d)、265馬力(C300d)の出力が得られる。
メルセデスは「C220d」に全輪駆動をオプションで設定している。
ガソリンモデルには、排気量1.5リットルと2.0リットルの2種類の4気筒エンジンが用意されている。
最高出力は、「C180」の170馬力から、「C200」の204馬力、「C300」の258馬力にまで達する。
後者の2つのエンジンには、全輪駆動も用意されている。
「W206」には、従来の内燃機関に加えて、プラグインハイブリッドのパワートレインも装着されている。
95kW(129ps)の純粋な電気駆動力により、Cクラスは航続距離100kmを達成することが期待される。
電気駆動は、時速140kmまで使用することができる。
25.4kWhのバッテリーは直流充電が可能で、55kWのDC充電器を使用した場合、フル充電には約30分かかると言われている。
内燃機関には204馬力の「M254」ガソリンエンジンを搭載し、システム出力は313馬力、システムトルクは550Nmとなっている。
「Cクラス」って売れていたんだなぁ、というのが今回のレポートを読んでの正直な感想である。ドイツというかヨーロッパでは、「メルセデス Sクラス」というのは特別な存在で、台数はきわめて少ないというのはご承知の通りだが、「Eクラス」がカンパニーカー需要などで売れていて、「Cクラス」はその次くらいかな、と思っていたのである。しかし今や、「Cクラス」が大多数で、その比率がここまで高いとは思っていなかった。
よく考えてみれば今の「Cクラス」というのは、昔の「W123」や「W124」よりもずっと大きいということに気が付くし、CとEの差というのは本当にオーナーになってじっくり乗ってみなければわからないほどの差異なのかもしれない。また今回の「Cクラス」の価格を見てみると、これも昔のEにほとんど近い、あるいはそれ以上の価格となっている。これではEよりCが売れるのは当たり前だし、Eというのはもはや1,000万円級の自動車なのだった。
というわけで、今回の新しい「Cクラス」、内容は「Sクラス」に準じるほどのものだし、その装備(オプション費用を払えばではあるが)も、「Sクラス」と遜色ないものが手に入る。そしてその姿も見間違えるほどのものだ。強いて言えばやはり使いやすいサイズと、Sにはないワゴンボディなどの部分がCのCたる所以である。そんな楽しみな「Cクラス」、日本上陸ももうじきである。
Text: Peter R. Fischer
加筆: 大林晃平
Photo: Daimler AG / autobild.de