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初テスト シトロエン ベルランゴ シトロエンのデリバリーバンの実力と乗り心地の良さを試す その結果は?

2021年3月26日

シトロエン ベルランゴは真のスターになれる可能性を秘めている。特に経済的なディーゼルとオートマチックの組み合わせであれば、評判よりもずっといい。我々は新型シトロエン ベルランゴを試乗してみた。

私たちは、母なる自然から多くのことを学ぶことができる。例えば、それは進化の原理に基づいている。進化の原理とは、簡単に言えば、ある種の生物は才能があればあるほど、より進化し、成功するということだ。

現代的なハイルーフステーションワゴン、「シトロエン ベルランゴ」もその1台だ。フランスの実用車は、四半世紀にわたり、家族やレクリエーションのための運搬車として人々を幸せにしてきた。そして今回、「ベルランゴ」は大きく進化を遂げた。

調和性の高い走行性能。オートマチックトランスミッションは、非常に快適なパートナーだ。シトロエンの8速コンバーターは滑らかなシフトチェンジを行う。

フランス車の常で、心地よいリビングルームのような室内へ乗り込む。ドライバーは、帽子をかぶったり、髪をアップにしたりしても、きちんとしたシートポジションをきちんととることができる。またフロントシートは大きく、横方向のサポートが充実していて、長距離間の移動も、あまり苦にならない。

「ベルランゴ」は、最大で2126リットルの積載容量を確保しているが、簡単により大きなスペースにすることもできる。背もたれを倒すと、2列目シートは前方にスライドして床に落ちるだけだ。ハンドル、煩わしい段差、シートの引きずりもなく、ごくシンプルだ。

より大きく: 乗客と荷物のためのスペースという点では、ベルランゴは旧モデルよりも大きく、そして使いやすくなっている。

シトロエン ベルランゴのシャシーでさらに快適に

この「シトロエン ベルランゴ」は、131馬力のディーゼルと8速トルコンオートマチックのドライブシステムがベストな組み合わせだ。走行性能に関しては、とてもよく調和されている。十分に活発だが、決して荒々しくはない。そのオートマチックトランスミッションは非常に快適なパートナーであることがわかる。シトロエンの8速コンバーターは滑らかで自信に満ちたシフトチェンジを行う。当然、「ベルランゴ」は過激で乱暴な運転には適しておらず、シトロエンのソフトなサスペンションは、冷静で安定した走行をおこなう限り、決して乗客を悩ませることなく、多くの道路の凹凸を滑らかに吸収してくれる。「ベルランゴ」のベースモデルは、リーズナブルな317万円(税込み価格)からとなっている。

美しいハーモニーを奏でる。快適性の高い優れたチューニングが施されている。
ゴルフのパネルバンのライバル、シトロエン ベルランゴ。このフランスの実用車は、四半世紀にわたってファミリーやレジャー用の運搬車として人々を幸せにしてきた。

結論:
理屈抜きで好きになるはずだ。ベルランゴは、コンパクトなフォーマットで十分なスペースを提供し、よく走り、燃料をあまり消費しない。アシストシステムやコネクティビティは最新のものではないものの、その代わり安価だ。家族やリラックスしたレジャーのためのお伴として、最適の1台と言えよう。ルックスがもっと刺激的、あるいはよりエレガントだったら、市場のスターになっていただろう。

日本の路上でも「シトロエン ベルランゴ」を見かけるようになってきた。その正直な感想は「結構デカい」というもので、実際にも決して小さいクルマではないのだが、それ以上に存在感のあるシトロエンなのだった。昔の小さな「ルノー カングー」はもちろんのこと、大きくなった今の「カングー」よりもはるかに大きく見え、そのデザインと相まってかなりインパクトのある一台だが、いざ乗ってみれば安楽で快適で、なんともシトロエンらしさ全開であることも間違いない。おそらく今のシトロエンのラインナップにあっては、実用性とお洒落さの両立にかけてはこのベルランゴが一番なのではないかとさえ思う。そして、次世代型の「カングー」があまりにも衝撃的なフルモデルチェンジの姿を披露した今となっては、シトロエンとプジョーほうに人気の票田が移行することさえ予想される。内容的にもディーゼルエンジンとなかなかに出来の良いオートマチックトランスミッションの組み合わせで十分闊達に走るし、おそらくしばらくの間は日本のシトロエンラインナップの中の稼ぎ頭になるのではないだろうか。

Text: Gerald Czajka, Mirko Menke
加筆: 大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD