【OZの流儀〜ホイールがつなぐイタリアと日本】第4回 OZが世界で愛される理由
2026年7月7日
市販車向けホイールの世界には、数え切れないほどのブランドがあります。そのなかでOZが特別な存在感を放つ理由を、「オーゼットジャパン」で代表を務める内山晶弘さんは“どこに行っても通じるブランドであること”と表現しました。地域限定で強いブランドは数多くありますが、国を越えて広く認知される存在はかぎられます。OZはその数少ない側にいるというのです。
その土台になっているのが、モータースポーツで積み上げた信頼です。WRCでの躍進、F1を含む幅広いカテゴリーへの供給。勝利のイメージだけでなく、厳しい条件下で壊れない、性能を安定して出す、求められる仕様に応える――そうした取り組みが、ブランドの背骨になっています。
一方で、OZは“レースのブランド”で終わっていません。内山さんが強調したのは、ストリート向けホイールは“世界基準”でつくるという考え方でした。アウトバーンの高速巡航、舗装が荒れた地域の走行など、世界各地の道路事情を想定し、共通の規格を通す。つまり、日本のユーザーだけに最適化するのではなく、どこでも同じ製品で成立することを前提にしているのです。

日本のユーザー心理にも触れています。軽さや製法(鍛造かどうか)といったわかりやすい指標に意識が向きやすい一方で、ストリートで本当に必要なのは、用途に対して理にかなった性能であり、安全性だという考え方です。極端なスペック競争ではなく、日常で安心して使えて、見た目も楽しめる。そこにOZの“市販ホイールとしての哲学”があるように感じました。
また、イタリアでつくることの意味も見えてきます。欧州ブランドを名乗っていても、生産は別地域という例は少なくありません。そのなかで、イタリアに拠点を置き、文化と技術の集積のなかで育ったことが、デザインやものづくりの姿勢に影響していると語ります。単調にならない造形、発想の幅、そして“色気”のあるデザイン。機能だけでなく、プロダクトとしての魅力を同時に成立させるのがOZらしさです。

次回は、OZの人気モデル「Rally Racing」を軸に、ラリーがなぜ世界で支持され続けるのか、そして日本独自の取り組みでなぜさらに熱が高まっているのかを追います。ここから先は、OZの“ストリートと競技の接点”がよりはっきり見えてくるはずです。
Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:田村 弥(Wataru Tamura)

